音楽ナタリー Power Push - シクラメン×田臥勇太(リンク栃木ブレックス)対談
バスケ好きの3人が日本バスケ界のレジェンドに会いに行く
親からの応援
──ちなみにシクラメンは音楽を始めたとき、親御さんから何か言われたことはあるんですか?
DEppa 僕らは社会人として生活しながら音楽をやり始めたので24歳くらいのときかな。親は「今から音楽やってどうするのよ」って反対していたけど、いつの間にかライブを観に来てくれるようになりました。
桃紅茶 僕の親は「2年くらいがんばって、結果出なかったら辞めなさい」って言ってたんですけど、いつの間にか僕らのファンになってましたね(笑)。あと子供びいきじゃないですけど、「あんたもっと前に出なさいよ!」とかって言うし、しまいにはSNSまで始めちゃって……。
田臥 え?
DEppa ここ3人の親はみんなしてSNSをやり出したんです。Twitter、Facebook、Instagram、ブログとかを常にチェックしてるみたいで(笑)。今となってはもういいやって思ってますけど、最初はこっ恥ずかしかったです。
肉だんご 自分の部屋に置いといたはずのデモ音源がなぜか親の部屋にあるってこともあった。新曲を誰よりも先に聴きたいって思ってるみたいです(笑)。
田臥 いい話じゃないですか。
DEppa 僕らは僕らなりに親に活力を与えられてるのかな。最近は一瞬一瞬を大事にしなきゃいけないなっていう気持ちが芽生えてきました。今は実家を離れてるんで、年に5回くらいしか親に会えないとしたら、この先10年で50回くらいしか会えないとかって思うとなおさら。
“コンチクショー精神”
──日本のバスケ界を牽引する役割を担っている田臥選手ですが、それに対して自負はありますか?
田臥 それは周りの人が決めることだからなあ。自分はプレイをし続けて、周りがそれに対して評価してくれればいいことであって。でも若い選手に負けたくないと思って当然やってるし、自分は負けず嫌いだと思います。
DEppa 僕らも元来負けず嫌いですね。集客で負けてないと思ってたアーティストがいつの間にかテレビに出て人気が出てるみたいなことがあって悔しい思いをすることも多いし。試合の勝ち負けじゃないですけど、僕らは音楽を好きな気持ちと、“コンチクショー精神”みたいな負けん気をもってがんばってきました。
田臥 そういうのってありますよね。
DEppa 長らく誰からも認められなかった3人でしたけど、やっぱり自分たちには音楽しかないのかなって。「好きなことを好きなままやり続ける」っていうのは田臥選手と同じで我々にとっても大事なことですね。
──シクラメンから田臥選手に聞きたいことはほかにありますか?
DEppa 日本人がNBAでプレイするっていうことは田臥選手しか達成していない奇跡的な出来事だと思うんです。どうすれば夢は叶えられるのか、バスケをがんばっている若者に贈りたい言葉ってありますか?
田臥 行きたいって強く思うだけで叶えられるものでもないんですけど、それでも大切なのは気持ちだと思うんです。バスケに関しては野球とかサッカーみたいに向こうから呼ばれるっていう世界じゃないんで、自分で動いて売り込まないといけない。それでも売り込むチャンスだったり、誰が見てるかわからないっていう状況は絶対にあります。だって僕の身長でNBAに挑戦できたんだから、僕より大きな選手はもっと可能性があるはず。もしNBAに挑戦したいのならできるだけ早くアメリカに行って、揉まれれば揉まれるほどきっとチャンスは多く生まれると思います。
田臥選手&日本バスケ界を応援したい
──シクラメンと話してみていかがでしたか?
田臥 こうやって話をすると自分にもいろいろ言い聞かせられるし、改めて気付かされる部分も多かったです。アーティストの方たちが同じような思いを持ってやっていて、土俵は違えどやっぱり同じように結び付く部分があったのは勉強になりました。
──今後シクラメンは田臥選手をどう応援していくんですか?
DEppa いやいや、田臥選手のことは1億5000万人が応援してますよ(笑)。
──ではぜひシクラメン流でお考えいただけると。
肉だんご 応援ソングとか……いやー恐れ多い。
田臥 モチベーションが上がるきっかけってアスリートにとって大事なんで、もし歌で応援していただけるならうれしいです。
DEppa 本当ですか? 僕らはこれまでも応援歌をいっぱい書いてきているつもりなので、厚かましいですけど可能でしたらすぐ作ります!
田臥 そんなにすぐできるんですか?
DEppa ご要望があれば大急ぎで!(笑) でも応援ソング以外に田臥選手の思いを乗せた曲も作りたいです。NBAへの道を開拓した田臥さんにしかわからない苦難、葛藤、挫折があったと思うし、逆に誰も味わったことのない喜びもあっただろうし。そういう思いを反映した曲も作れたらいいなと思っています。
──実現を楽しみにしています。田臥選手のみならず、日本のバスケ界を元気付ける曲があったらいいですよね。
田臥 そうですね。バスケ界全体を盛り上げていただけたら。
DEppa がんばります! 音楽業界の中で一番バスケをしてるのは間違いなく僕ですから!
一同 はははは(笑)。
田臥 ありがとうございます。お互いがんばりましょう。
- シクラメン ミニアルバム「こんにちは羽田」 / 2015年6月24日発売 / TOY'S FACTORY
- 初回限定盤 [CD+DVD] 3240円 / TFCC-86510
- 通常盤 [CD] 2000円 / TFCC-86511
CD収録曲
- 誰かのために
- 風まかせ
- 流れ星
- SKYWALKER
- エンドレスサマー
- -午前2時-(skit)
- ホタル
初回限定盤DVD収録内容
2015.2.8 ZEPP TOKYOライブ映像
- オープニング
- エール
- らいふ☆カーニバル
- MUSIC
- 101
- ボルケーノ
- Only 愛
- ありがとう-Acoustic ver.-
- はな
- あかね
- 行ってきます
- 100年初恋
- ここで泣こうよ
- 僕の宝物
[Encore]
- すまいる
- ミュージックドリーマー
- ららら★フェスティバル
- SAMURIDER
- エンディング
シクラメン
2007年に東京都大田区で結成された3MCユニット。メンバーは兄弟のDEppa、肉だんごと、幼なじみの桃紅茶。子供から大人まで幅広い世代に響くストレートな歌詞とポップな楽曲でリスナーを魅了している。2008年に「スルメ」、2010年に「スルメ2」、2011年に「スルメ3」とインディーズ時代に3枚のアルバムを発表。2011年9月に市原隼人の主演映画「DOG×POLICE~純白の絆~」の主題歌「僕の宝物」をTOY'S FACTORYからシングルリリースし、メジャーデビューを果たした。地元を題材にした楽曲などを多数発表したことから、2012年10月には大田区観光PR特使に就任した。2013年5月にメジャー第1弾アルバム「スルメ1」を発表し、その後もシングルリリースを重ねていく。2014年夏にはアルバム「シクラメンの夏」を携えてユニット史上最大規模の全国ツアー「シクラツアー2014 ~君と僕の夏物語~」を開催し、約1 2000人を動員した。2015年1月に全米感涙協会より「涙活公認アーティスト第1号」に任命され、2月に5thシングル「キミノナミダ」をリリース。4月には関東地方で開催されたイベント「肉フェス2015」に公式応援歌「みーとフェスティバル」を書き下ろし、6月に羽田空港国際線旅客ターミナル応援ソング「SKYWALKER」を含むミニアルバム「こんにちは羽田」を発表した。同月に夏ツアー「シクラツアー2015 愛は地球を救うのか!? 肉だんご日本横断1000kmマラソンの旅 24HOUR TOY'S FACTORY」をスタートさせた。
田臥勇太(タブセユウタ)
1980年10月5日生まれのプロバスケットボール選手。男子プロバスケットボールチーム・リンク栃木ブレックスに所属し、チームではキャプテンを務めている。小学2年でNBAのスター、マジック・ジョンソンのプレイ映像を観てバスケに興味を持ち、1997年よりバスケの名門である秋田県立能代工業高等学校で活躍。在学中に9冠を達成し、世界ジュニア選抜にも選出された。2000年にNCAA2部のブリガムヤング大学ハワイ校に進学。約3年半で大学を中退し2002年5月にJBL・トヨタ自動車に入団。2002-2003シーズンで新人王を獲得する。2003年に再び渡米し、2004年にフェニックス・サンズで日本人初のNBAプレイヤーとしてデビューしている。2008年に帰国し、同年8月よりリンク栃木ブレックスに所属。1年目にチームのベスト5、アシスト王、スティール王に輝き、2年目にはプレーオフMVPを獲得する活躍を見せJBLでチームを初優勝に導いた。2015年6月には約4年ぶりに日本代表候補に選出された。