1日1曲作るように心掛けてる

──ところで、普段はどういうときに曲を作ることが多いですか？

普段は、1日1曲作るように心掛けてます。

──1日のおおよそのスケジュールは？

昼12時くらいに起きて、そこから夜中の12時までは曲を作る時間。で、夜中から朝6時頃までがゆっくりしたり、遊んだりする時間。こういう取材やライブがある場合は別ですけど、それがなければ基本、家にいて、ずっとパソコンの前にいます。

──既にアイデアがある状態で机に向かうんですか？　それとも机に座ってからアイデアをひねり出す感じ？　

どっちもですね。けど、大体は「さあ、作ろう」って、まずパソコンの前に座る感じです。もう日課になってるんで、みんなが毎日電車に乗るのと同じくらいの感覚です。

──それをいつ頃から続けてるんですか？

2年くらい前ですね。

──じゃあ、ストックは相当溜まってますよね。

そうですね。今、400～500曲くらいですね。歌詞は仮のものが多いですけど、歌もコーラスも全部入れて、普通の人が聴いたら「これで全然出来上がってるじゃん」っていうレベルのものにはなってます。多分自分に自信がないんでしょうね。

──自信がない？

ストックすることが自信につながってるというか。毎日ぐうたらしてたら「やばい」って焦るじゃないですか。それと一緒で、曲を作ってない自分がいると「やばい」と思っちゃうんです。「やっぱ、俺、みんなより遅れてるわ」とか、不安になっちゃうんですよ。

──そうは言っても、8割くらいまでしか作れない曲もあったりしませんか？

ありますよ。そういうときは家で落ち込んでます（笑）。

──そういうものは、翌日に回すんですか？

いや、8割で終わった曲は仕上げないですね。最後までできなかったっていうことは曲が良くないんだと思うから。それで終了、別曲にいきます。途中で残ってるものもありますけど、それを引っ張り出してやろうとは思わないですね。

適当なもので売れるわけない

──そんなSHIKATAさんが曲作りで一番大切にしていることは？

聴く人が気持ち良く聴けるっていうことだけですね。自分も含めて、聴いてて自然に耳に入ってくるものを意識してます。

──本作には「Believe Myself（Dear, KEN THE 390 & SHIKATA）」や「ラブレター with SHIKATA（Tiara）」が収録されてますが、コラボ曲や提供曲になると重点を置くところは変わってきますか？

提供曲の場合は、そのアーティストやディレクターさんと会って、今後その人がどういう方向に進みたいかということを聞き、僕からもこういうふうにしたらいいんじゃないかっていうことを話します。そのアーティストにはその次もその次もあるわけだから、提供する1曲だけを作るっていう発想じゃなくて、「僕の次はどういう曲を考えてますか？」っていうところまで話して作りたいんですよ。その上で、そのアーティストがこの先5年、10年歌っていく中で残れる曲にしたいなっていう考え方で作ってますね。

──サウンドクリエイターというよりは、プロデューサー的な視点ですね。

そう。それは多分僕が歌い手だから考えることなのかもしれないです。作家さんに適当に作った曲を渡されて、その1曲で「このアーティスト、ダメだよね」って言われて、売れなくなって、引退するケースも全然あるわけじゃないですか。僕が楽曲を提供したアーティストさんがそうなってしまうのは絶対イヤなんで。だから、「適当でいいっすよ。なんでもいいっすよ」なんてお願いされたらケンカになりますね（笑）。適当なもので売れるわけないだろって思うから。