SHERBETS|4人が生み出してきた20年間の宝

SHERBETSには浮遊感がある

──初回限定盤の1枚目には1996年から2001年の楽曲がまとめられていますね。初期はアグレッシブな曲が多かった印象です。

浅井 確かに初期は激しい曲が多いよね。SHERBETSになってから最初に作ったアルバムの表題曲「シベリア」という曲を4人で作れたことが、そのあとの自信につながっている気がしていて。

──BLANKEY JET CITYとは違うものを発見できた?

浅井 そうだね。

──2002年にはJUDEの結成に伴い一度活動が休止しましたが、このときがバンドとしての1つの節目だったんでしょうか?

浅井 あのときはみんな一旦バンドから離れようって気持ちだったんじゃないかな。

外村 今思うとあのときに1回休んでよかったなと思う。そのまま続けていたら解散していたかもしれない。いい休憩ができたんじゃないかな。

仲田 20年間続いてる要因の1つだね。夫婦だってずっと一緒にいるより、離れてるときもあったほうが関係が続くじゃない。

福士 私にとっては解散に近い活動休止だったように思う(笑)。3年くらいメンバーに会わなかったし、自分を見つめ直す期間だった気がする。で、私がまたいろいろと始めようかなと思ったときにベンジーからJUDEに誘われて。椎野(恭一)さんや(渡辺)圭一くんと新しい気持ちで音楽をやったら楽しい感覚を思い出したんです。やっぱり音楽が好きなんだなってまた素直な気持ちになれて。その感覚が続いているから20年も活動できてるのかな……。心で音楽をやってるタイプの人間なので。

SHERBETS

──福士さんがJUDEに入ったことがSHERBETSの復活に結び付いたんでしょうか?

浅井 どういう流れだったのか覚えとらんけど、JUDEのツアーで福士さんとめちゃくちゃ酔っ払って、日本酒54本ぐらい飲んだ記憶があるよ(笑)。

──それで気が付いたらSHERBETSを復活する話になっていたんですか?(笑)

浅井 いやいや、そのあとにちゃんと話したはずだよ。

──気持ちを切り替えてまた一緒にやろうと。

浅井 うん。もう1回SHERBETSやろうぜって話になって、「Natural」ができたのかな。

──そのときのことを覚えていますか?

外村 記憶にない(笑)。

仲田 時間が空いたとしても、4人でスタジオに入るとタイムラグを感じないと言うか、感覚は変わらないんだよね。

浅井 不思議と言えば不思議だね。

仲田 でも自然と言えば自然なことだな。

浅井 なんのわだかまりもなく、自然にみんな音を出して。適当に気持ちのいいフレーズを探り合うんだよね。あの現象がすごくいいんだよな。ああいう間柄にはなかなかなれない。

──「曲を作るぞ!」みたいに気合いを入れることはなく?

浅井 「曲を作るぞ!」と思ってスタジオには入るんだけど、誰かが弾き始めたらそこに誰かが勝手に加わって自然に曲作りが始まっていく感じ。それができるバンドってなかなかいないと思う。

──BLANKEY JET CITYなどのほかのバンドではどうですか?

浅井 ブランキーでも同じようになっとったよ。でも世界観が違うんだよね。SHERBETSは宇宙的な感じと言うか、浮遊感があるんだよ。

──人が違うと出てくる音も全然違うものになると。

浅井 そうだね。相性も大事だし。

──ほかのメンバーも同じように感じてるんですか?

仲田 そうだね。

浅井 同じ時代を生きてきたからセンスが似てるんだよね。

最新の作品が一番カッコいい

──2枚目には2005年から2008年、3枚目には2011年から2016年までのアルバムの楽曲が収録されます。

浅井 「小さな花」(2008年4月発表のミニアルバム「GOD」の収録曲)はよくできた名曲だと思う。「Baby Revolution」(「Natural」の収録曲)も奇跡的な歌だね。アルバムとしては最新の「CRASHED SEDAN DRIVE」(2016年1月発表の11thアルバム)が一番カッコいいね。最新の作品が一番カッコいいのはすごいことだよ。

SHERBETS

──2枚目と3枚目の間の時期にも少し休止期間がありましたが、その後もコンスタントにアルバムを発表されてますよね。

浅井 でも「FREE」(2011年7月発表の8thアルバム)の頃に、もうミラクルが起こらなくなったのかなと思って解散を考えたことがあって。これだけは完成させようと思って「FREE」を一生懸命作って、できあがったアルバムを聴いたらすごくよかったんだよね。そのときに福士さんが「こんな素晴らしい作品を作れるんだから、解散なんかする必要ないんじゃないの」って言ってくれて、確かにそうだよなと思って解散を撤回したんだよ。

──アルバムを作っている最中は不安や迷いがあったと。

浅井 それは常にあるんだけど、ずっとやってるとそろそろ限界が来るんじゃないのかなって思ってたんだよね。

──ほかの3人には相談せず、1人で解散を決めていたんですか?

浅井 みんなには解散しようって言ったんじゃないかな。

外村 多分言われた。

福士 事務所で言われたよね。私はベンジーが解散しようと考えてるなら、仕方ないのかなと思った。

──そのあと浅井さんに「解散なんかする必要ないんじゃないの」っておっしゃったんですか?

福士 何かの帰りに車の中で話してるときにそう言ったら、ベンジーもそうだねって納得して。

浅井 解散はやっぱりやめようって。すでに発表しちゃってたけど(笑)。

──そういうところが浅井さんらしいですよね(笑)

浅井 それからアルバムを3枚作ってるからね。

──2012年8月発表の「STRIPE PANTHER」から最新作「CRASHED SEDAN DRIVE」まで迷いなく、ストレートに作品ができているように感じます。

浅井 まあ、俺としては一生懸命作ってきてるとしか言いようがないかな。いつもの感じで。

SHERBETS「The Very Best of SHERBETS『8色目の虹』」
2018年10月24日発売 / アリオラジャパン
SHERBETS「The Very Best of SHERBETS『8色目の虹』」初回限定盤

初回限定盤 [3CD+DVD]
4860円 / BVCL-914~7

Amazon.co.jp

SHERBETS「The Very Best of SHERBETS『8色目の虹』」通常盤

通常盤 [CD]
2700円 / BVCL-918

Amazon.co.jp

初回限定盤CD収録曲

DISC 1

  1. HIGH SCHOOL
  2. アンドロイドルーシー
  3. カミソリソング
  4. Black Jenny
  5. シェイクシェイクモンキービーチ
  6. グレープジュース
  7. はくせいのミンク
  8. 三輪バギー
  9. トカゲの赤ちゃん
  10. ジョーンジェットの犬
  11. 人がわからないよ
  12. シベリア
  13. 38 Special

DISC 2

  1. Rainbow Surfer
  2. トライベッカホテル
  3. サリー
  4. A GUN
  5. わらのバッグ
  6. 見知らぬ橋
  7. Baby Revolution
  8. 夢見るストロベリー
  9. Hippy Junky Surfer
  10. KODOU
  11. Iceland Boy
  12. フクロウ
  13. Mrs.Shelly Crown
  14. 小さな花

DISC 3

  1. 愛が起きてる
  2. ひょっとして
  3. STRIPE PANTHER
  4. Michelle
  5. Crashed Sedan Drive
  6. リディアとデイビッド
  7. COWBOY
  8. Another World
  9. LADY NEDY
  10. これ以上言ってはいけない
  11. GREEN
  12. Stealth
  13. New Ruby Tuesday
  14. 星空の方があったかい
初回限定盤DVD収録内容
  • LIFE JACKET -HISTORY OF SHERBETS-
通常盤CD収録曲
  1. Michelle
  2. HIGH SCHOOL
  3. STRIPE PANTHER
  4. ひょっとして
  5. Rainbow Surfer
  6. グレープジュース
  7. リディアとデイビッド
  8. わらのバッグ
  9. Baby Revolution
  10. 星空の方があったかい
  11. Stealth
  12. Black Jenny
  13. 君の肩にふれて
  14. Yesterday
ツアー情報
20th Anniversary Tour 2018「8色目の虹」
  • 2018年10月27日(土) 福岡県 DRUM Be-1
  • 2018年10月28日(日) 広島県 広島セカンド・クラッチ
  • 2018年11月2日(金) 長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
  • 2018年11月4日(日) 宮城県 仙台MACANA
  • 2018年11月8日(木) 大阪府 Music Club JANUS
  • 2018年11月9日(金) 愛知県 伏見JAMMIN'
  • 2018年11月11日(日) 北海道 Sound Lab mole
  • 2018年11月14日(水) 東京都 TSUTAYA O-EAST
SHERBETS(シャーベッツ)
SHERBETS
浅井健一(Vo, G)、福士久美子(Key, Cho)、仲田憲市(B)、外村公敏(Dr)からなるロックバンド。1996年に浅井のソロプロジェクト・SHERBETとして始動し、1998年にSHERBETSが結成された。1999年にシングル「High School」、1999年にアルバム「SIBERIA」を発表し、その後も精力的にリリースを重ねる。2002年から2005年まで一時活動を休止したが、2008年に結成10周年を記念したライブベストアルバム「SHERBETS GREATEST LIVE in TOKYO」を発売。2016年1月には11枚目のオリジナルアルバムである「CRASHED SEDAN DRIVE」をリリースした。2018年10月に結成20周年を記念したベストアルバム「The Very Best of SHERBETS『8色目の虹』」を発表し、同月から11月にかけて全国8都市を回るライブツアーを開催する。