SHE IS SUMMER「WATER」 PR

SHE IS SUMMER|好きが詰まった心潤すフルアルバム

MICOのソロプロジェクトSHE IS SUMMERの1stフルアルバム「WATER」が完成した。

ふぇのたす時代を含めても彼女がフルアルバムを発表するのはこれが初めて。聴いた人の心に潤いを与えたいという思いを込めたタイトルを冠した今作には、土器大洋(LILI LIMIT)、ひろせひろせ(nicoten、フレンズ)、かせきさいだぁ、原田夏樹(evening cinema)など、バラエティに富んだ作家陣が参加していることでも話題を集めている。

音楽ナタリーPower Pushに初登場となる今回は、「WATER」の収録曲についてはもちろん、これまでの彼女のキャリアを振り返るインタビューを実施した。また本特集ではMICOが大好きな犬・ビションフリーゼとの初共演が実現。さまざまなアーティストのスタイリングを手がけるスタイリスト入山浩章の愛犬マメタロウとのフォトセッションに臨んだ。さらに特集後半には、制作陣をはじめとするMICOと親交のある面々からのコメントも掲載する。

取材・文 / 清本千尋 撮影 / 草場雄介

SHE IS SUMMER「WATER」
2017年11月8日発売 / Being
SHE IS SUMMER「WATER」

[CD]
2800円 / SCL-003

Amazon.co.jp

収録曲
  1. (mirage)
    [作曲:Sosuke Oikawa(CICADA)]
  2. とびきりのおしゃれして別れ話を
    [作詞:MICO、ヤマモトショウ / 作曲:釣俊輔]
  3. 私たちのワンピース
    [作詞:MICO / 作曲:石井浩平(Alaska Jam)]
  4. NIGHT OUT
    [作詞:MICO / 作曲:小島英也(ORESAMA)]
  5. WATER SLIDER
    [作詞:MICO / 作曲:土器大洋(LILI LIMIT)]
  6. ナイトブルー
    [作詞:角舘健悟(Yogee New Waves) / 作曲:orange spotting]
  1. LAST DANCE
    [作詞:MICO / 作曲:木暮晋也(ヒックスヴィル)]
  2. 思い出はシャンプーの中に
    [作詞:MICO / 作曲:原田夏樹(evening cinema) / 編曲:渡辺シュンスケ(Schroeder-Headz)]
  3. あれからの話だけど
    [作詞:MICO / 作曲:ひろせひろせ(nicoten、フレンズ)]
  4. 冬の街とキミと永遠に
    [作詞:かせきさいだぁ / 作曲:宮野弦士]
  5. 待ち合わせは君のいる神泉で
    [作詞:ヤマモトショウ / 作曲:ひろせひろせ(nicoten、フレンズ)]
  6. 出会ってから付き合うまでのあの感じ
    [作詞:MICO、ヤマモトショウ / 作曲:釣俊輔]

好きなことは“作る”こと

──SHE IS SUMMERのインタビューが音楽ナタリーに載るのはこれが初めてなので、まずはこれまでのキャリアをおさらいできればと。2007年にシンガーソングライターとして音楽活動をスタートさせましたよね。2012年にふぇのたすを結成、2015年秋にバンドは解散となりました。2016年に始動したSHE IS SUMMERは2度目のソロ活動になると思うのですが、今回はシンガーソングライターではなくソロプロジェクトとしてなんですね。

そうですね。バンド活動を経て私は誰かと一緒に何かを作る楽しさを覚えて、今回のソロはいろんな人と一緒に何かを作っていきたいと思ったのでソロプロジェクトとしました。表にいるのは私1人ですが、たくさんの人が関わってSHE IS SUMMERという存在が作り上げられていると思っています。

──SHE IS SUMMERとして初めてファンの前に登場したのは2016年5月に東京・WWWで開催されたライブイベント「れもんらいふ Presents TOKYO MUSIC Vol.1」でした(参照:MICOソロSHE IS SUMMER、Shiggy Jr.ら迎え初ライブ「最高の第一歩」)。その後、これまでに「LOVELY FRASTRATION E.P.」と「Swimming in the Love E.P.」という2枚のCDをリリースしました。今回のアルバム「WATER」にはこの2枚から2曲ずつ収録されています。

SHE IS SUMMER

1枚目の「LOVELY FRASTRATION E.P.」は本当に手探りで作った作品だったんですよ。バンド時代は(ヤマモト)ショウさんが作ってくれたものをバンドのボーカルとしてどう演じるかっていうことに意識を向けて活動していたのに対して、ソロプロジェクトは私から発信するものがないと始まらないプロジェクトだったので、まずは「自分は何が好きなのか?」ということに向き合いました。

──向き合ってみてどうでしたか?

私は一緒にいる人に影響されやすくて、それは自分の好きなところでもあるし、一方で嫌いなところでもあるんですよ。「本当の自分はどんな自分なんだろう?」って向き合って、“なりたい自分”が本当の自分なんだって気付いて。自分が今憧れているものが“好きな自分”で、そんな自分になりたいと思ったんです。本当に心から好きだと思える自分で生きていきたいという意識が強くなって、SHE IS SUMMERはそれを反映させたプロジェクトにしたくて。自分が本当に好きなものを見つけるために子供の頃に好きだったものを思い出しました。

──具体的に子供の頃はどういうものが好きだったんですか?

ざっくり言うと作ることが好きでしたね。子供の頃から0から1を作り出すことが好きで、絵を描いたり、粘土で何かを作ったりよくしていました。私は高校の頃全然友達がいなくて、学校も面白くないと思っていたから行ってなくて、家でずっと暇していて。もう暇で暇でしょうがなくて、あるとき「何かやるか!」と思い立って「そう言えば私は何かを作ることが好きだったな」と思い出したんです。何かを作りたかったんですけど、当時はバイトをしていなくてお金がなかったから費用がかからないものを作ろうと思って作り始めたのが歌だったんです。

──自分の根っこにある部分に向き合ったんですね。それはふぇのたす時代にはなかった?

SHE IS SUMMER

私にとっては演じることも“作ること”だったんです。私が演じることによってその空間に1つの物語が広がると思ってたからバンド時代もそういう意識が少しありましたね。レコーディングで歌うことに関しては作品を作るというイメージだったし。SHE IS SUMMERでその“作る”範囲が広くなったなと感じます。そんな中、手探りで作っていったのが「LOVELY FRASTRATION E.P.」です。2作目の「Swimming in the Love E.P.」は「LOVELY FRASTRATION E.P.」で提示できた自分の好きなものをさらに凝縮してできた作品だと思います。

これまでの体験を脱ぎ捨てたかった

──ちょっと話は戻りますが、シンガーソングライター時代はどうやって曲を作っていたんですか?

あの頃は何もわからずにやっていたから本当に原始人みたいだったんですよ。コードという概念を知らなかったからCは“ド・ミ・ソ”だと思ってて、当時は歌詞の上に“ド・ミ・ソ”とか“ド・ファ・ラ”って書いていました。これだけ情報があふれている現代で根本的な音楽体験をしたんですよね。「うわ、鍵盤を押すと音が鳴る!」「3つ音が重なるとこういう音が鳴るんだ!」とか。当時のMICOは15歳。原始人でした(笑)。

SHE IS SUMMER

──その頃を考えると今はかなり成長しましたよね。バンドを経たのも大きいかと思いますが、SHE IS SUMMERを始めてからもその成長はとどまらず、今回の「WATER」で一皮むけた感じがしました。特にリード曲の「WATER SLIDER」の歌詞はそれが顕著に出ていて、歌詞の中にも「ここから知らない私に 飛び込むの」や「今までの体験 脱ぎ捨てて」というフレーズが出てきます。

干支を二回りした24歳の1年を過ごしてみて、今までの経験である程度のことはスルスルっとやれるし、一番楽しい年齢だなと思ったんですよ。でも25歳を目の前にして「その体験に頼りすぎてはいない?」とふと我に返ったんです。経験に頼りすぎて「こうでしょ?」って考えもせずに進んじゃったことも意外とあったかもって。そう考えたときに今までの経験を脱ぎ捨てるタイミングがあってもいいのかなと思ったんですよね。そういう思いを込めて書いた歌詞です。今年の夏ぐらいからすごく自立心が芽生えて、精神的にかなり成長したと自分で思います。

──今までの作品ではヤマモトショウさんや高橋海さん(LUCKY TAPES)、ひろせひろせさん(nicoten、フレンズ)など、もともとつながりのあったアーティストと作った曲が多かったですよね。今作の作家陣には土器大洋さん(LILI LIMIT)、木暮晋也さん(ヒックスヴィル)、かせきさいだぁさんといった新たな顔ぶれも見受けられます。

SHE IS SUMMER

最初は友達と仕事ができるうれしさもあったし、普段の私を知ってくれている人のほうがイメージの共有がしやすかったこともあって、楽曲はつながりのある人にお願いすることが多かったですね。しかもそれで自分の中で好きなものが作れていたから満足できていて。でも「こういうものを作ろう」という意思のもと集まった人たちで1つの作品を作り上げていく、その熱量にも興味があったので、今回はずっと好きだった人や気になっていた人にお願いしたんです。