「ZIMA MUSIC FIGHTERS meets ライブナタリー」特集 MICO(SHE IS SUMMER)×向井太一×佐藤千亜妃(きのこ帝国)|音楽とZIMAで酔わせるソロアーティストの饗宴

ライブナタリーとZIMAによるライブイベント「ZIMA MUSIC FIGHTERS meets ライブナタリー」が、9月から10月にかけて全国5都市で行われている。

イベントは全公演対バン形式で、King Gnu、フレンズ、パノラマパナマタウン、向井太一、SHE IS SUMMERらが各地で組み合わせを変えて競演する。本イベントの開催にあわせて、音楽ナタリーでは全公演の出演者同士による対談連載企画を展開。最終回となる今回は、10月18日に東京・LIQUIDROOMで対バンするSHE IS SUMMER、向井太一、佐藤千亜妃による鼎談を企画した。初顔合わせとなる3者はそれぞれの作品や制作過程について興味津々の様子でトークを展開。一見共通点がなさそうな3者に共通することとは? じっくりと語り合ってもらった。

取材・文 / 清本千尋 撮影 / 前田立

初顔合わせのソロアーティスト対バン

──この3組が一堂に会するのはこれが初めてですよね。

MICO(SHE IS SUMMER) はい。向井さんとは同じライブに出演したことがあるんですけど、そのときはお互いのステージを観ることができなくて。

向井太一 そうなんですよね。でもちゃんと作品やミュージックビデオはチェックしていました。

MICO 私もです。向井さんとはInstagramもつながってますし。あと共通の友人が多いんですよね。「とびきりのおしゃれして別れ話を」のMVに出てくれた小野匠くんが向井さんと仲がよくて。

佐藤千亜妃(きのこ帝国) 私はお二人と競演するのは今回が初めてです。よろしくお願いします。

左から向井太一、佐藤千亜妃(きのこ帝国)、MICO(SHE IS SUMMER)。

向井 僕は異色な対バンがけっこう多いんですけど、その中でも女性のソロアーティスト2組との対バンはけっこうレアだなと思います。

MICO 日本の音楽シーンだと、ソロで音楽をやっている人ってバンドよりも少ないと思うので、全員がソロアーティストっていう組み合わせの対バンはめずらしいですよね。私も向井さんもバンドを経て今ソロをやっていて、佐藤さんはバンドと並行してソロをやっていて、バンドを経験したソロアーティスト同士のライブがどんなものになるのかすごく楽しみです。

佐藤 おしゃれで素敵な2人の中に自分が入って大丈夫なのかなってちょっと心配ですが……(笑)。呼んでいただけて光栄だなと思っています。よろしくお願いします。

ソロ1年生の佐藤、先輩のMICOと向井に聞く

MICO 佐藤さん、ソロとしてバンド編成で対バンするのは今回が初めてなんですね。

佐藤 そうなんです。とりあえず私はまだソロ1年生ですし、このライブでお二人からいろいろと吸収したいなと思っています。でも私は2人みたいにおしゃれじゃないので、浮かないようにがんばりたいです(笑)。

MICO えー! ジャケットもMVもおしゃれじゃないですか!

向井 そうですよ!

佐藤千亜妃(きのこ帝国)

佐藤 あれはがんばりました(笑)。2人はトラックがおしゃれでカッコいいですよね。曲はどうやって作っているんですか?

向井 僕はプロデューサーによって違って、僕が作った原曲をトラックメイカーに投げたり、先にトラックがあって、それに僕がセッションでメロディを乗っけたり、いろいろ自由にやっていますね。ジャンルに固執せず、そのときにやりたいことを自然にアウトプットできるのはソロシンガーの強みだなと思います。誰かと一緒に曲を作るときは、その人と一緒にやる意味を濃くしたいなと思っているので、ちゃんとディスカッションをしてお互いのよさを出せるように制作しています。

MICO 私はいろんな人と一緒に作っているのでそのときによって作り方が全然違うんですよ。こんな景色や映像に似合う曲を作りたいというイメージを共有して、お互いにやりとりしながら制作を進めています。

佐藤 そうだったんですね。SHE IS SUMMERは水曜日のカンパネラのコムアイちゃんみたいに決まったトラックメイカーの方がついているんだと勝手に……いろんな人と一緒に作っているということを知ったうえでまた作品を聴いてみたくなりました。お二人の楽曲制作はすごくソロっぽいとい言うか、バンドとは違う感じがします。私はあまりトラックメイカーさんを知らないのでいろいろと紹介してほしいなって思っていて。向井さんはmabanuaさんと一緒にやられてますけど、私もいつか一緒にやってみたくて。

向井 mabanuaさんは物腰が柔らかくてめちゃくちゃいい人です。mabanuaさんもそうですけど、最近はorigamiの人たちがメジャーシーンのアーティストのプロデュースをけっこうやってるんですよね。ブラックミュージックやヒップホップのビートをベースにしているんですけど、それをポップスに持っていくのがうまいので、音楽感度が高い人の耳にも引っかかるし、ちゃんとポップスとしても聴いてもらえる。かゆいところに手がとどくと言うか、土台にルーツミュージックがある人だから、新しいことをやっても説得力がある印象がありましたね。

MICO 佐藤さんは今後もソロとバンドを並行してやっていくんですか?

佐藤 はい。もうソロ曲のストックは20曲ぐらいあって。誰と一緒に作品にしようかなって考えているところです。

MICO そんなにいっぱい! メロディとコードがあるみたいな感じですか?

佐藤 打ち込みで大体の楽器を入れて、それをプロデューサーに投げる感じです。デモの時点でいつも作り込み過ぎて自分の中でイメージができあがっているので、プロデューサーから返ってきたトラックを聴くと「あれ? なんか違うな」とか、よくあるんですよ。それで、せっかく頼んでるのに失礼だと思いつつ、いろいろ言っちゃうんですよね。

向井 めっちゃわかる(笑)。でもそれって当たり前じゃないですか? プロデューサーと言い合える関係のほうがむしろいいと思います。ソロアーティストって根本的な部分はセルフプロデュースなので、自分のイメージは大事にしていいと思います。

佐藤 私、言っちゃいけないような関係性でも言っちゃうんですよ。今回プロデュースしてもらったまりんさん(砂原良徳)にもいろいろ言ってしまって……我と我の戦いみたいになってしまったんです(笑)。でもそんなもんですか?

向井 僕なんて「ここもっとガーンって感じできてください」とか「あの音アレにしてください」とかニュアンスでオーダーしまくって、それを汲み取ってもらってますよ。全然問題ないと思っています。

佐藤 これからもガンガン言っていこうと思います。安心したー。

向井 とか言って、今後佐藤さんが誰かとやるときにうまくいかなかったら僕の責任ですね(笑)。

佐藤 (笑)。優しく言うようにします。