2023年5月5日にステージデビューした7人組ダンスボーカルグループ・SE7ENTH SENSEが、1stシングル「ミッドナイト・プリンセス」をリリースした。
SE7ENTH SENSEは「才能×七変化」をコンセプトに掲げるグループ。アイドルや舞台、バンドなど、バラバラの経歴を持つメンバーで構成される。彼らが活動2年目に放つ初のCDシングルには、ファンをプリンセス、自分たちをプリンスに例えた王道アイドルソングが表題曲に据えられた。作詞作曲にはグループのプロデューサーを兼ねるKENSUKEをはじめとしたメンバーが参加している。
音楽ナタリーではメンバー7人にインタビュー。グループの成り立ちや特徴、そして「ミッドナイト・プリンセス」に込めた思いを聞いた。
取材・文 / 小松香里撮影 / 藤記美帆
第六感を超えるような存在でありたい
──SE7ENTH SENSEは約1年前に始動しました。メンバーでありプロデューサーも兼ねているKENSUKEさんを中心にしたプロジェクト「SENSE PROJECT」からの第2弾グループということですが、まずは成り立ちから聞かせてください。
KENSUKE グループのコンセプトは「才能×七変化」と決めていて、どうしてもグループ名に“SENSE”という単語を入れたかったんです。「第六感を超えるような存在でありたい」という意味と、ダンス&ボーカルシーンの中心になれるような7人をそろえたいという思いを込めて、SE7ENTH SENSEという名前にしました。この7人はもともと一緒のグループで活動していたメンバーもいれば、知り合い同士もいて。候補生が集まっていく中で、ダンスレッスンなどを経て最終的にこの7人に決めました。
FUJU 全員なんらかのつながりがあって集まった7人ですね。
──FUJUさんはなぜSE7ENTH SENSEに入ろうと思いましたか?
FUJU 僕はアイドルグループでの活動は2回目なんですが、1回目のグループで越えられなかった壁をこの7人で越えたいと思って加入しました。前のグループのメンバーの思いも背負って、もう一度SE7ENTH SENSE でがんばろうという気持ちがあります。
──TAICHIさんはいかがでしょう?
TAICHI 僕は好きなアーティストがたくさんの人を幸せにしているところに感銘を受けて、自分の声と生きざまとパフォーマンスで同じように夢を与えたいなと思って音楽活動を始めたんです。僕も一度グループ活動をしていたんですが、夢を叶えきれなくて。そこでこのプロジェクトに声をかけてもらったので、この7人で再出発する気持ちでがんばっています。
──TAICHIさんは作詞作曲も担当されていますが、作詞作曲はSE7ENTH SENSEに入る前からやっていたんですか?
TAICHI そうですね。歴としてはまだ浅くて、作った楽曲の数もそこまで多くはないんですが。音楽は幅広く聴いていて、特にキャッチーなものが好きなので、自分が作る曲もキャッチーであることを意識しています。
──BISKEさんはどのようにしてSE7ENTH SENSEに?
BISKE 僕は小さい頃から東方神起さんが好きで、K-POPに憧れを抱きつつも、気付いたら大人になってしまい(笑)。SE7ENTH SENSEに入る前は舞台で活動していたんですが、そこで夢を叶えきれなかったところ、たまたまご縁があってこのプロジェクトにお誘いいただいたんです。その時点ではアイドルになる気はなかったんですが、KENSUKEくんを中心に皆さんの熱量を感じましたし、昔からなんとなく憧れていた存在に近付けるチャンスなんじゃないかと思って、やることにしました。
──では、歌やダンスの経験はなかったんですか?
BISKE 歌ったり踊ったりする舞台に出ることが多かったので、やってはいました。でもアイドルとはまた違うので、今は頼れる先輩6人に鍛えてもらっています。
KENSUKE BISKEに初めてダンスレッスンに来てもらったときの恰好が、バスケのユニフォームみたいな服にサンダル姿で。髪もぐちゃぐちゃで「どういうこと?」と思いました(笑)。
BISKE あのときの姿はアイドルではなかったですね(笑)。
KENSUKE そこでイメチェンしてもらったら、めっちゃカッコよくてびっくりしました。
FUJU いまだにファッションセンスについては成長してないです。
BISKE なんでなん!(笑) してるやん!
KENSUKE BISKEはSE7ENTH SENSEに入って美意識が高くなったと思います。
BISKE みんなのおかげで磨かれてます。7人の中で一番下からのスタートだと思っていたので、とにかくがんばらないとダメだっていう気持ちでやってきました。
──TENさんとYUTOさんは以前アイドルグループで活動されていたんですよね。
TEN はい。僕はもともと小さいグループで活動しながら、個人でもCMや舞台に出させてもらっていたんですが、あまり軌道に乗らず事務所を退所しました。そのとき自分の中で「この歳までに安定した場所に入ることができなかったらアイドル活動から身を引こう」と決心したんですが、その年齢になる直前にSE7ENTH SENSEの運営の方からDMをいただき、KENSUKEくんやFUJUくんとお会いしてグループに誘ってもらったんです。その場では「一旦持ち帰らせてください」とお伝えしたんですが、もともとお二人のことは知っていたし「こんなチャンスはもうない」と思ってすぐに腹は決まりました。無事にデビューができてホッとしましたね。
YUTO 僕も前のグループで叶えられなかった夢を叶えたくて。大きいステージに立つことに加えて、誰かの人生の糧になりたいっていうのが僕の夢なんです。高校生の終わりにすごくショックな出来事があって、「人生終わりだな」と思ったんですが、僕の原点である嵐さんの音楽やパフォーマンスによって「まだまだ人生これからじゃん」と考えが変わったんです。その経験から、僕も表現者として生きていって、パフォーマンスでも歌でも顔でも性格でも、自分の何かによって誰かの人生を少しでも好転させられるような存在になりたいと思いました。
──HUYAさんはSE7ENTH SENSEの前はアイドルグループだけでなく、バンドマンやラッパーとして活動していたんですよね。
HUYA そうですね。僕はバンドや2000年代のヒップホップ、R&Bなどをルーツにさまざまな活動をしてました。SE7ENTH SENSEへの加入が決まった2カ月くらい前までは、またアイドルをやろうとはあまり思ってなかったんです。でも以前アイドルに挑戦して、武道館とか大きな舞台に立ちたいという夢を叶えられなかったことが、4年くらいずっと心残りで。TAICHIくんを通じてこのプロジェクトのことを知って、「これはもしかしたら自分がやらなきゃいけないことなのかもしれない」とお導きのような感覚があって入ることにしました。僕はルーツがアイドルじゃないからこそ、今学ぶものが多いですね。それに、おこがましいですが、ほかのメンバーに少しは刺激を与えられているんじゃないかなと思ってます。
“一度死んでる僕たち”が生き返るために
BISKE 7人ともそれぞれの道で経験を重ねているので、それぞれの個性が際立ったグループだと思います。
HUYA うん。奇跡的ないい混ざり方をしているような気がしています。それぞれの個性の主張が強いんですが、ちゃんとひとつのグループになっているところが強みなのかなって。
BISKE 音源のユニゾンの部分が個人的にはめっちゃ好きです。7人の声のバランスがすごくいいなって。みんな個性的な歌声なのにひとつになるとすごく馴染みがいい。
KENSUKE めちゃめちゃわかる。パフォーマンスでもそれぞれがセンターに来たときに、グループ全体がそのメンバーの色に変えられるんですよね。それこそ七変化みたいなことができる。メンバーカラーがあるグループですが、パフォーマンスをそれぞれの色に塗り替えることでファンの皆さんをどんどん楽しませていきたいです。みんなバラバラの道を歩んできたけれど、目指すところは一緒の7人だと思った。それで「このメンバーだったらいけるんじゃないか」という確信が生まれて。言葉は悪いかもしれないですが、みんな夢破れて“一度死んでる僕たち”なので、生き返るためにはどうすればいいのかを考えました。だから今、7人とも人生を賭けてSE7ENTH SENSEとして活動しています。デビュータイミングで配信した「ANTi-HERO」という曲は1人ひとりが再起をかけて新たに生まれ変わる瞬間を描いている楽曲で、「何度も死んで生きての繰り返し」という歌詞があったり、挫折を味わって復活して……っていう7人の生き様が詰まっているんです。
HUYA 「アイドルグループとして1曲目にどんな曲が来るんだろう?」と思っていたんですが、「ANTi-HERO」を聴いて「俺のこと歌ってね?」と思うくらい刺さりました。
KENSUKE そういうふうに感じてもらえるメンバーを集めたいと思っていました。そうじゃないとこのベクトルは成立しないなと。
FUJU この7人を見たとき、王道ではないと思ったんですよね。それもあって「ANTi-HERO」という言葉は僕たちにピッタリだと思いました。7人全員が内に尖ったものを隠し持っていて、それを研磨してより鋭くすることでアイドルシーンをぶち壊しに行ける。「ANTi-HERO」は僕たちにしか歌えない楽曲ですし、今ではSE7ENTH SENSEの必殺の1曲になっています。
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