音楽ナタリー Power Push - SCANDAL
ファンの愛情、10年の軌跡、自分たちの意思で進む“これから”
大事なシーンでやりがちな「声」
──あとはMAMIさんがメインボーカルを務める「声」。2位だったそうですね。
MAMI はい。うれしいです……。
RINA あははは(笑)。終わり? 以上?
MAMI いやー、この曲ってシングルでもないし、アルバムのリード曲でもないのにすごくみんなが好きでいてくれるんですよ。
HARUNA 毎回ライブでやるわけじゃないからこそのレア感があるんじゃない? だからきっとみんな聴きたいんだと思う。
──昨年8月のスキャフェス(「SCANDAL 10th ANNIVERSARY FESTIVAL『2006-2016』」)では演奏されていましたよね。
TOMOMI そうですね。大事なシーンでやりがち(笑)。
MAMI 振り返ると1年に1回は必ずやってるんじゃないかなって。
RINA エモい曲だしねえ。すぐやりたくなっちゃう(笑)。
──ちなみになんでこの曲をMAMIさんが歌うことになったんですか?
MAMI 最初はもちろんHARUNAが歌う予定だったんですけど、当時のディレクターの提案で僕がチャレンジしてみることになって。
RINA そのときに、MAMIが歌ったらこんな感じになるよっていうのを弾き語りのボイスメモにして送ってくれたんだよね。それがすごくよかったんでアルバムに収録することにしたんですよ。
MAMI あーそうだ。ありましたね、そんなことが(笑)。こんなに愛される曲になってくれてよかったです。
サウンドと歌の変化を感じられる作品
──10年分の楽曲群を聴き返すことで、バンドとしての変化を感じたりもしましたか?
MAMI そうですね。選ばれた曲を2枚のディスクにわけて曲順を決めているときに、改めて気付くこともすごく多くて。ライブではライブアレンジにして抜いている音があるので、音源を聴くと「あ、ここでこんなことしてたんだ!」っていう発見もあったし、曲ごとに歌声もプレイも全然違いますからね。その時々にしか出せない音やグルーヴを感じながらの作業はすごく楽しくて、メンバーみんなでめっちゃ盛り上がりました。「懐かしい!」みたいな(笑)。
RINA HARUNAの歌はだいぶ変わったよね。
HARUNA 変わりましたねえ。自分でもそれは自覚してる。意図的に変えた部分もあるし、いろいろ葛藤する中で変わっていった部分もあるんですけど、初期の頃の自分の歌を聴くとちょっと恥ずかしい気持ちにはなります(笑)。ほかのアーティストのベストアルバムを聴いてもここまで歌の変化を感じられる作品ってあんまりないんじゃないかなって思うので、そういう部分も楽しんでもらえたらうれしいですけどね。
──歌声に関してはTOMOMIさんも初期からだいぶ変化している印象があります。
TOMOMI はい(笑)。HARUNAもそうですけど、私たちはもともと、ダンスミュージックに乗せる歌い方をスクールで習っていたので、最初のお手本はビヨンセとかアリシア・キーズとかだったんですよ。でも、そういう歌い方は自分たちの楽曲には合わないなって途中から思うようになって、自分なりの歌い方をいろいろ試すようになっていったんです。結果、どんどん崩れていって自己流な感じになっていったんですけど(笑)。
結局レコーディングは初期衝動が大事
──ベストアルバムを聴いていく中で、演奏はどんどん音の厚みが増し、アンサンブルが進化していく様を感じることができました。そのあたりはどう感じます?
MAMI 初期の曲にはいい意味での荒々しさ、潔さはありますよね。今は出せない、そのときならではの勢いがあるというか。で、5年くらい活動を重ねた頃にはきっちりやることに目覚めて。そこからはレコーディング現場でとにかくこだわりまくるようになるんだけど、いろいろやりすぎて何がいいのかよくわからなくなることも多いです(笑)。
RINA それ、レコーディングあるあるだね(笑)。特にRINAとMAMIがひどいんですよ。1小節にもめっちゃこだわって、何回も何回もやっちゃうときがありますからね。
HARUNA 傍からすると「今のテイクめっちゃいいけど!」って思うんだけど、本人が納得しないから(笑)。
RINA 「まだいけるんじゃない?」って思いすぎちゃう日があるんですよねえ(笑)。でも、最近はまたちょっと変化してきて。メンバーの意見に委ねることも増えてきたんです。
MAMI ようやくね(笑)。何回こだわって録ってみても1、2回目のテイクがよかったりすることが多いので、結局は最初に持っていた衝動とか気持ちが大事なんだなってことにも改めて気付いたし。
──スキルアップしたうえで、デビュー当時に持っていた衝動も改めて取り戻したということなのかもしれないですね。
MAMI うん。あんまりこだわりすぎないっていうのが最近のテーマです。
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- ベストアルバム「SCANDAL」 / 2017年2月15日発売 / EPICレコードジャパン
- 完全生産限定盤 [CD2枚組+Tシャツ] 6480円 / ESCL-4810~2
- 初回限定盤 [CD2枚組+DVD] / 4536円 / ESCL-4813~5
- 通常盤 [CD2枚組] / 3780円 / ESCL-4816~7
DISC 1
- SCANDAL BABY
- Stamp!
- 少女S
- ピンヒールサーファー
- S.L. Magic
- スイッチ
- Departure
- Hello! Hello!
- テイクミーアウト
- 下弦の月
- OVER DRIVE
- LOVE SURVIVE
- 太陽と君が描くSTORY
- 会いたい
- ちいさなほのお
- EVERYBODY SAY YEAH!
- Image
- FREEDOM FIGHTERS
DISC 2
- 瞬間センチメンタル
- 太陽スキャンダラス
- サティスファクション
- LOVE ME DO
- 夜明けの流星群
- ビターチョコレート
- 会わないつもりの、元気でね
- Welcome home
- Sisters
- DOLL
- Flashback No.5
- カゲロウ -album mix-
- HARUKAZE
- one piece
- 声
- Your song
- HELLO
- SCANDAL IN THE HOUSE
初回限定盤DVD収録内容
- SCANDAL TOUR 2016 "YELLOW" IN EUROPE ROAD MOVIE
SCANDAL(スキャンダル)
2006年8月に大阪のボーカル&ダンススクールで出会ったHARUNA(Vo, G)、MAMI(G, Vo)、TOMOMI(B, Vo)、RINA(Dr, Vo)の4人で結成したガールズバンド。結成直後から大阪城公園でストリートライブを始め、キュートなルックスと力強いバンドサウンドを武器に瞬く間に人気を獲得する。2008年10月、シングル「DOLL」でメジャーデビューを果たし、2009年末に「第51回輝く!日本レコード大賞」で新人賞を受賞した。2012年3月に初のベストアルバム「SCANDAL SHOW」を発売。2013年3月にメンバーの念願だった大阪・大阪城ホールにてワンマンライブを開催し、2014年6月に神奈川・横浜アリーナにてガールズバンドとして23年ぶりとなる2DAYSのワンマンライブを成功に収めた。同年12月にニューアルバム「HELLO WORLD」をリリース。2015年1月からはバンド史上最多公演数となる全31公演の国内ホールツアーと、フランス、イギリス、アメリカ、香港、台湾、メキシコ、ドイツ、シンガポールといった国での初単独公演を含むワールドツアーを開催する。同年9月にはメジャー通算22枚目となるシングル「Sisters」をリリース。12月から2016年1月にかけて、東京・日本武道館2DAYSを含む東名阪ツアー「SCANDAL ARENA TOUR 2015-2016『PERFECT WORLD』」を実施した。3月2日に7枚目のオリジナルアルバム「YELLOW」を発表し、結成10周年記念日となる8月21日には地元大阪で野外ワンマンライブを開催。2017年2月には10周年を記念したベストアルバム「SCANDAL」をリリースする。