ナタリー PowerPush - SCANDAL
ト3rdアルバム発売記念 メンバー直伝コピバン講座
メンバーから学ぶSCANDALコピーバンド講座
──SCANDALがデビューして以降、それこそアニメ「けいおん!」の影響もあると思いますが、女子中高生のバンド率が上がってる気がするんです。街中で制服を着た女の子がギターケースを背負って歩いてる姿もよく見かけますし。
RINA 確かに。
TOMOMI 実際、増えてると思います。
──で、これから秋にかけて学園祭に向けて準備をするガールズバンドや、新たにバンドを組む女の子もいると思うんです。ここからは、SCANDALの曲を学園祭で演奏する際のアドバイスを、メンバーの皆さんから直々に聞こうかと。
MAMI あははは! 面白いですね!(笑)
──では、課題曲はどうしましょう?
MAMI 一番覚えやすいのは「DOLL」だけど、ライブで盛り上がるのは「BEAUTeen!!」(4thシングル「夢見るつばさ」カップリング曲)じゃない?
TOMOMI でもカバーするんやったら「DOLL」のほうがみんなわかってくれるやろ(笑)。
HARUNA それか「少女S」とか。
RINA 「少女S」はちょっと難しくない?
MAMI いや、今の子ならできるでしょう(笑)。
HARUNA でも「今からでもできますよ」みたいな話ですよね?
──そうですね。じゃあ今回は「DOLL」でいきましょう。
その1:ドラム&ベース編
──まずはドラムパートから始めましょうか。
RINA 「DOLL」は「♪ドン、タタン、ドタン」ってリズムが口で言えたら必ず叩ける曲です。特別難しいことはしてないですねこれは(笑)。
──えっ、そんな簡単でいいんですか?
RINA そうやなあ、ほかにはDメロで拍が半分になるから、その部分だけ練習すれば、あとは曲を覚えちゃえば絶対にできると思うので。ここまで叩けるようになったら、ちょっと動きをプラスしてみるとか、そういうレベルまですぐに行けちゃう曲だと思うんです。だから難しく考えずに、まずは口でリズムを取ってほしいな。「♪ドン、タタン、ドタン。ダン、タカダカダカダカ」って。もし行き詰まったらその日はそのまま寝ちゃう。次の日は絶対できるようになってるはずなので大丈夫(笑)。
──すごく心強い言葉ですね(笑)。続いて、ベースについてです。
TOMOMI ベースはですね、コツも何もなくて(笑)。SCANDALのコピーバンドコンテストを去年からやってるんですけど、そのときにコピーしてくれてる子たちを観て思ったことがあって。楽しそうに演奏してくれてたり、恥ずかしいとか関係なしに本気で曲に向き合ってくれたりする姿が一番キュンとくるし、一番カッコいいなって思ったんですよ。
──確かに、楽しそうに演奏してる姿が一番ですよね。
TOMOMI うん、一番うれしい。ベースラインはとにかく簡単で、練習したらすぐにできるようになるので、パフォーマンスやったり表情やったりに注意したらいいと思います。それと、「DOLL」ってお客さんと一緒に盛り上がれる曲だと思うんですよ。私たちもライブで「一緒にタオル回して!」と言って一体感が出るような曲なので、そういうかけ合いを取り入れながらやってもらえたら、より楽しいんじゃないかな。
その2:ギター編
──次はギターパートについて。
MAMI この曲は出だしのリフとチョーキングができれば大丈夫! やっぱりギターの弾き方に勢いがないとズコーってなっちゃうんで、そこはもう堂々といくべきだと思います。
RINA めっちゃ歪ませたらええねんな。
MAMI うん。そのコードが弾けてれば問題ないです、どんな音色であろうが。あとは心意気ですね。
HARUNA あとは、キメの部分をちゃんとバンド内で練習しておけば大丈夫だと思います。
──特にサビに入る前のブレイクって、カッチリ決まるとカッコいいですもんね。
MAMI そこはもう技術というより、勢いがあれば大丈夫です。
RINA ふふふふ、「DOLL」どんだけ簡単やねん!(笑)
一同 あはははは!
MAMI ギターソロはちょっと練習が必要かもしれないですけど。
RINA 「♪テッテレレ~」ってユニゾンパートはムズイで?
MAMI そこはギター2本とベースのユニゾンなので、みんなで目を見て合わせてほしいですね。
TOMOMI この曲はチョーキング、バッキング、単音弾きと、これからギターを弾こうっていう人には技術的にすごく勉強になるんじゃないかな。
──初心者にとって「最低これは覚えとけ!」っていう要素がギュッと詰まってると。
TOMOMI これだけできればなんでもできるみたいな。
MAMI なんでもはできんけどな(笑)。
その3:ボーカル編
──ではボーカルについて、HARUNAさんお願いします。
HARUNA 「DOLL」は中高生からするとすごくわがままというか、もっと自分を出したいっていう欲を歌った歌詞で、すごく表現力の勉強になると思います。
──具体的にはどういったところが?
HARUNA この曲をレコーディングするときに、「もっとぶっきらぼうに歌っていいんだよ」って言われたんですね。それまでの私は1音1音しっかり歌う癖があったので、そのままだと曲の良さが全然伝わらない。だからアドバイスどおりに、歌詞はやっと聴き取れるくらいにぶっきらぼうに歌ってみたら、自分の中で何かを掴むことができたんです。
──ちょっと斜に構えるくらいのほうが雰囲気が出るんでしょうか。
HARUNA そうですね。カラオケ慣れしてる子やちゃんと歌っちゃう癖が付いてる子は、1回そういうの取っ払ってみて、いかにドヤ顔で歌うかみたいに(笑)カッコつけてみたらいいんじゃないかなと思います。
その4:全体で合わせてみる
──じゃあ、最後にみんなで合わせましょうか。バンド全体で注意するポイントってありますか?
MAMI 初めはやっぱりドラムを見ながら合わせたほうがいいんじゃないかな。初心者だと自分の手元に集中しちゃうから、何かに合わせるのが一番いいと思います。
HARUNA 「DOLL」のAメロは楽器がドラムだけしか鳴ってないパートが多いから、ドラムに頼って歌うしかないし弾くしかないので。ドラムに合わせるって意味では、バンドで演奏する上での原点的な曲かなと思います。
──個人個人がうまくても、やっぱりバンドとして合ってないと聴いていて気持ち悪いですし。
MAMI 誰か1人だけがうまかったらダメですよ。
RINA SCANDALの曲は、うまい人はできません!
一同 あははは!
MAMI そうだと思う、そうだと思う!
──みんなで合わせようっていう意識さえしっかりしてれば、例え演奏がちょっとヘタでもカッコよく聞こえるかもしれませんね。
RINA ブレイクをピッタリ決めれば、バンドとして成功だと思います。
──そのほかにも、よりSCANDALに近づくために重要なポイントってありますか?
RINA 衣装を揃えるのは大事だと思います。SCANDALのコピーバンドで制服っぽい衣装を着てる子たちを観るとテンション上がるし、SCANDALよりSCANDALらしいって思うこともありますしね。
MAMI ベストにチェックのスカート、ラインの靴下だったら、絶対SCANDALです(笑)。
HARUNA パフォーマンスから衣装まで、見た目の要素も大事だと思います。そういう部分も含めて、ぜひコピーしてもらえたらうれしいです。
CD収録曲
- GLAMOROUS YOU
- その時、世界はキミだらけのレイン
- LOVE SURVIVE
- Sparkling
- BURN
- アップルたちの伝言
- 東京スカイスクレイパー
- Pride
- ハルカ
- スキャンダルなんかブッ飛ばせ
- Very Special
- one piece
SCANDAL(すきゃんだる)
2006年8月に大阪のボーカル&ダンススクールで出会ったHARUNA(Vo, G)、MAMI(G, Vo)、TOMOMI(B, Vo)、RINA(Dr, Vo)の4人で結成したガールズバンド。結成直後から大阪城公園でストリートライブを始め、キュートなルックスと力強いバンドサウンドを武器に瞬く間に人気を急上昇させる。2008年3月にはタワーレコード限定のインディーズシングルを3カ月連続でリリース。春から夏にかけてはアメリカ、フランス、香港などでもライブを行い、海外のジャパンカルチャーファンから注目を集めた。同年10月、シングル「DOLL」でメジャーデビューを果たす。2009年末には「第51回輝く!日本レコード大賞」で新人賞を受賞。ライブツアーやイベント出演も精力的に行い、ファン層を拡大し続けている。2010年には劇場用アニメ「ルー=ガルー 忌避すべき狼」で主題歌、挿入歌、エンディング曲、アニメ出演の4役に挑戦。同年8月には2ndアルバム「TEMPTATION BOX」、11月には初のカバーミニアルバム「R-GIRL's ROCK!」をリリースし、ともに好セールスを記録した。