ナタリー PowerPush - Salley
大きな期待と少しの不安 エバーグリーンな王道ポップ
カップリングの「赤い靴」にはノイズが混ざっている
──カップリングの「愛の言葉」はいつ頃できた曲なんですか?
上口 2012年の5、6月頃ですね。ミディアムテンポのさわやかなポップスということを意識して作りました。
──この曲も「green」同様に恋愛の曲ですね。
うらら はい、シチュエーションとしては2曲とも恋が始まったところですね。でも「green」は期待と不安のうち期待のほうが強い曲なんですが、「愛の言葉」は不安のほうが大きい曲ですね。この曲を書いたのは「green」からちょうど1年後だったんですけど、その頃は恋が始まる期待よりも終わってしまうことへの意識が強くて。
──同じ恋愛の曲でも真逆のことを歌っているという。
うらら そうですね。私も「green」と「愛の言葉」を一緒に出すのかって思いました(笑)。
──カップリングのもう1曲は「赤い靴」のアコースティックバージョンですね。アコギ1本とうららさんの声のみで、別の曲というくらいまったく印象が違いますね。
上口 アコースティックバージョンにしてももうちょっと音を重ねたほうがいいんじゃないかっていう案もあって、本当は迷っていたんです。でもそれはもうデビューシングルのときにやっていたので、逆にシンプルに振り切ろうということになって。
うらら マイク1つ立てて「いっせーのせ!」で録ったので生感がすごかったですね。
上口 うまくいくかわからないけどやってみよう、ということでテストで演奏したテイクが採用されたんです。そのあとに8テイクくらい録ったんですけど、これから始まるワクワク感やうららの声の艶感が、一発目が一番よくて。よく聴くとエンジニアさんがマイクをいじるときのノイズも入っているんですけど、「それもよしとしよう!」みたいな(笑)。
──そもそも、なぜアコースティックバージョンを入れようと思ったんですか?
うらら Salleyはユニットなので、ラジオなどに出させていただいたときにフルバンドよりも2人で演奏することが多かったんです。それで、じゃあ2人だけの楽曲も入れようということになりました。
誰もが認める王道のポップスを突き進みたい
──「赤い靴」のリリース記念フリーライブでも、基本的に2人で演奏していましたよね。
うらら はい。ただ1度だけフルバンドでやらせていただいたことがあって、それがすっごく楽しかったんです。バンドとしてみんなでやっているグルーヴ感が本当に楽しくて、病みつきになりそうなくらい(笑)。今後はフルバンドでワンマンライブをやりたいですね。
──デビューして2カ月が経ちましたが、ほかに何か心境の変化などはありましたか?
うらら 私はデビューしたという感覚があまりなかったんですけど、最近ようやくこの生活に慣れてきました。友達に会っても「Salleyのうららです」と名乗ってしまいそうになるくらい(笑)。
上口 僕はあんまり変わっていないですね。あ、でもこの間友達のライブを観にいったときに、周囲が「Salleyのギターの人だ!」ってちょっとだけザワザワしました(笑)。
うらら あははははは! ちょっとした有名人(笑)。
──今後、Salleyとしてどういう方向を目指したいですか?
うらら 2人ともポップスをやりたいという思いが強いので、いろいろなジャンルの音楽を聴く人、逆に1つのジャンルしか聴かない人、みんなにSalleyの楽曲を聴いてほしいですね。それでSalleyっていいよねって言ってもらえるような王道のポップスを突き進んでいきたいと思います。
上口 「赤い靴」も「green」もアレンジを含めて自分の中で合格点だったんですけど、もっと余分なものを省いていけるなとも思っていて。引き算のアレンジにも挑戦して、シンプルだけどいい曲も作っていきたいですね。……とかいってギター60本くらい重ねまくりの曲を作ったりしそうですけど(笑)。
うらら 上口くん、やりそう!(笑)
収録曲
- green
- 愛の言葉
- 赤い靴(acoustic studio session)
「Salley×TOWER RECORDS」
FREE LIVE TOUR
- 2013年7月31日(水)東京都 タワーレコード新宿店
- 2013年8月3日(土)愛知県 タワーレコード名古屋近鉄パッセ店
- 2013年8月4日(日)福岡県 タワーレコード福岡店
- 2013年8月6日(火)北海道 タワーレコード札幌ピヴォ店
- 2013年8月10日(土)大阪府 タワーレコード梅田NU 茶屋町店
Salley(さりー)
大阪出身のうらら(Vo)と福井出身の上口浩平(G)により2012年に結成された男女デュオ。2013年5月にフジテレビ系アニメ「トリコ」のエンディングテーマ「赤い靴」でデビュー。透き通るようなうららの歌声と哀愁を帯びたロックサウンドで描くオリジナルの世界観が話題になり、同作は「2013上半期USEN HITランキング」のJ-POP部門で1位に輝いた。7月31日にニューシングル「green」をタワーレコード限定でリリース。同7月31日より、全国のタワーレコード5店舗にてミニライブ&サイン会を実施する。