ナタリー PowerPush - Salley

大きな期待と少しの不安 エバーグリーンな王道ポップ

透明感のある歌声が魅力のうららと、作曲・編曲を担当する上口浩平による男女デュオ・Salley。2人が7月31日にニューシングル「green」をタワーレコード限定でリリースする。5月に発売されたデビューシングル「赤い靴」から2カ月という短いスパンでリリースされる今作は、疾走感あふれるさわやかなポップナンバーだ。

ナタリー初登場となる今回の特集では、2人の音楽遍歴やSalley結成のいきさつ、そして新曲「green」について話を聞いた。

取材・文 / 丸澤嘉明 撮影 / 上山陽介

 
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音楽以外の人生が考えられずに上京

うらら(Vo)

──Salleyはナタリー初登場ということで、まずはお2人が音楽に目覚めたきっかけから教えていただけますか?

うらら(Vo) 子供の頃から常に音楽が流れている家庭だったので、特に目覚めるきっかけがあったというわけではないんです。親がよく聴いていたのはTHE BEATLESやCARPENTERSですね。あとEARTH, WIND & FIREやマイケル・ジャクソンとか。それに7つ上の姉も音楽をよくかけていて。

──お姉さんはどんな音楽を?

うらら 主に90年代のポップスですね。“小室ファミリー”、THE YELLOW MONKEY、スピッツ、Mr.Childrenとか。そういう環境で育ったので私自身、当然のように歌が好きでした。歌うことも大好きで、みんな歌手になりたいんだと思ってたくらい(笑)。

上口浩平(G) 僕は小学生の頃から兄の影響で洋楽を聴いていたんですけど、中学1年生のときにエレキギターを始めたんです。ちょうどその頃から、兄が大学の軽音楽サークルでカバーしていたTHE YELLOW MONKEYやGRAPEVINEを聴くようになりました。

──ギターをやろうと思ったきっかけはなんだったんでしょう?

上口 同級生の友達が「ギターを始めようと思う」って言ってきたんです。ギターって大人の遊び道具という印象があって、その友達に先を越された気がして。それがうらやましくて僕も始めました。

うらら 私は中学2年生の頃に本格的にアコースティックギターを弾き始めました。といってもギタリストになりたかったわけではなくて、家に父親のギターがあったので(笑)。それに自分1人で歌うってなったときに伴奏として弾けたらいいかなと思って。

──では2人とも中学生のときにギターを始めたんですね。

上口 そうですね。それで僕は高校1年生のときにバンドを結成しました。下北沢にいそうな……、いてほしいようなギターロックのバンドですね。一生懸命活動していたんですけど、なかなかうまくいかなくて2009年に解散しちゃって。それが24歳のときですね。

──それから上京してきたんですか?

上口 はい。僕にとってのギターの師匠がいるんですけど、その人に相談したんですよ。「普通に働いて、たまに趣味でライブをやるほうが音楽人として幸せな生き方なんじゃないですかね?」って。そしたら「それはお前にとっては幸せな生き方ではなくて楽な生き方だよ」と言われて。すごく衝撃を受けました。それで東京に行ってがんばってみようと思いましたね。その言葉がなかったら今の自分はないです。

──上京するときは不安と期待と、どちらが大きかったですか?

上口 期待のほうが大きかったですね。これから何が起こるのかな? やってやるぞ!っていう気持ちでした。バンド活動は正直つらいことも多かったので。

──それはなぜ?

上口浩平(G)

上口 例えばメジャーデビューしたいのにできないとか、どんなにがんばっても結果として返ってこなかったので。もちろんそれなりの原因があると思うんですけど、一生懸命になりすぎると周囲が見えなくてわからなくなってしまうんですよね。やる気だけはあるけど空回りしている感じでした。なので、身ひとつで東京に行ったらやり直せるんじゃないかって思っていました。

──一方、うららさんは大学を中退して上京したとか。

うらら そうです。もともと入学したときから悩んではいたんですよ。別にやりたいことがあって大学に入ったわけではなかったので。バンドサークルに入ってaikoさんやYUKIさんみたいなポップスやAJICOさんのカバーなどをやっていたんですけど、3回生になって周りのみんなが就職活動を始めたときに自分だけはそこに全然入っていけなかったんです。普通に就職して結婚して家庭を持つことが想像できなくて、改めて自分の人生には音楽しかないって思ったんですね。今思うとみんなも迷いながら就職活動していたんだなってわかるんですけど……。

──でも大学を卒業してからでも遅くはないですよね。

うらら いろいろな人から同じことを言われました。ただ大学を卒業したことが甘えにつながるというか、大卒ということを自分の中で保険にはしたくなかったんですね。ここで大学を辞めてしっかりと音楽と向き合わないと前には進めないんだと思っていましたね。

──相当な覚悟を持っていたんですね。

うらら どちらかというと、スッキリしたという感覚のほうが強かったですね。それまでは「何、夢みたいなこと言ってるの?」と思われるのが怖くて、周囲の友達にも歌手になりたいと言えなかったんです。それが歌手という夢をカミングアウトしたことで、すごく楽になりました。それに私は逃げ場があるとそこに逃げてしまうので、自ら退路を断たないと行動できない性格なんです(笑)。

──なるほど。ちなみに上口さんはどんな性格ですか?

上口 性格とはちょっと違うかもしれないですが、「音楽以外のことに興味がない」みたいです。最近いろいろな人に言われて気付きました。

うらら 言われるまで気付いてなかったの!?

上口 自分は音楽に興味があるなーくらいに思ってた。でも、音楽のこと以外に対するリアクションが本当に薄いらしくて。

うらら 私もそう思います(笑)。もちろん音楽に対してはすごく熱いものを持っていて、それを隠すためにポーカーフェイスを装っている気がします。

「Salley×TOWER RECORDS」
FREE LIVE TOUR
  • 2013年7月31日(水)東京都 タワーレコード新宿店
  • 2013年8月3日(土)愛知県 タワーレコード名古屋近鉄パッセ店
  • 2013年8月4日(日)福岡県 タワーレコード福岡店
  • 2013年8月6日(火)北海道 タワーレコード札幌ピヴォ店
  • 2013年8月10日(土)大阪府 タワーレコード梅田NU 茶屋町店
Salley(さりー)

大阪出身のうらら(Vo)と福井出身の上口浩平(G)により2012年に結成された男女デュオ。2013年5月にフジテレビ系アニメ「トリコ」のエンディングテーマ「赤い靴」でデビュー。透き通るようなうららの歌声と哀愁を帯びたロックサウンドで描くオリジナルの世界観が話題になり、同作は「2013上半期USEN HITランキング」のJ-POP部門で1位に輝いた。7月31日にニューシングル「green」をタワーレコード限定でリリース。同7月31日より、全国のタワーレコード5店舗にてミニライブ&サイン会を実施する。