SAD originals.インタビュー|“帝国×悲しみ”を歌うメンズアイドル9人組、シングル&アルバム同時リリース (2/2)

帝国=東京

──SAD originals.は“帝国×悲しみ”というコンセプトを掲げていますが、これについて皆さんはどのような解釈をしていますか?

狼我 プロデューサーが歌詞を書いているんですが、明るい曲調やかわいい曲調、カッコいい曲調……いろいろな楽曲がありつつ、一貫して“悲しみ”を連想させる歌詞が多いんです。パフォーマンス面でも“悲しみ”の表現は意識しています。あと、僕たちのこの黒と灰色を基調とした衣装は、前身グループであるNiAを追悼すると同時に、“悲しみ”も表現しているんです。“帝国”という部分に関しては、9人それぞれの個性が集結して、1つの国家を形成しているイメージです。

ゆうが プロデューサーが「感情の原点は悲しみだ」と言っていて。これまでの僕にはまったくない考え方だったので「面白いな」と思いました。SAD originals.の楽曲は、聴けば聴くほど深みを感じます。

ゆじめろ 1stシングルに収録されている「TOKYO EMPiRE」と「abjectokyo.(SADs. ver.)」では東京という都会に出てきたことで生まれた悲しみが表現されています。東京っていろいろな人が集まって、悲しい出来事や楽しい出来事がぐちゃぐちゃ渦巻いている印象で。1つの都道府県というよりは、もはや東京という名の独立国家っていうか。だから“帝国”については、自分としては帝国=東京っていう捉え方がしっくりきていますね。

ゆじめろ

ゆじめろ

──8月1日には1stシングル「TOKYO EMPiRE / 愛のせいにして」と1stアルバム「SADs.」が同時リリースされます。2つの作品が同時発売されると聞いて、皆さんはどんなふうに感じましたか?

狼我 1stシングルと1stアルバムの同時リリースってなかなかないことだと思うので、ありがたいですね。この3カ月間リリースイベントをめちゃくちゃがんばってきたので、そこで披露してきた楽曲がCDという形でリリースされるのがすごくうれしいです。

巧海 僕たちはYouTubeやTikTokで動画投稿も行ってるんですが、CDという、形としてずっと残るものをこの9人でリリースできることが何よりうれしいです。

──7月は怒涛のリリースイベント月間で、7月6日には24時間イベントが開催されました。グループでのパフォーマンスだけでなく、ソロコンテンツやラジオ体操、トークショーとそのほかにも盛りだくさんでしたが、イベントを完走した心境はいかがですか?

 すごく楽しかったです。

狼我 ファンの方が24時間見守り続けてくれたことでがんばれました。最後は感動しましたね。

巧海 メンバーだけでなく、ファンの方との絆も生まれました。24時間イベントが、まさか感動的なイベントになるなんて思ってもいなかったです。

ゆじめろ みんなバタバタと倒れていくのかと思ってたら、誰も欠けることなく9人全員で最後までやり切ることができたので、すごく鍛えられたと思います。

狼我 根性がね。

 “負けず嫌い集団”だから「誰かが離脱するまで絶対がんばるぞ!」って感じだったよね。

陸

──“負けず嫌い集団”という自覚があるんですね。

巧海 さっきもみんな「自分かわいい」の連発でしたし(笑)。「俺かわいい」「俺カッコいい」を主張し合うグループです。

 ソロコンテンツでも“9者9様”って感じで、みんな違うことをやりながら、自分がどこまで目立てるか挑戦し続ける感じでした。

「アイドルを続けようと思ったのは」

──アルバムとシングルの中で、特に注目してほしいポイントや気に入ってるポイントをそれぞれ教えてください。

 僕はアルバムに収録されている「シュガーレスとミント」という曲が大好きです。MVは私服で撮影したんですよ。それぞれがデートの勝負服を着ているので、その点にもぜひ注目していただきたいですね。口ずさみたくなるようなキャッチーな曲でもあるのでたくさんリピートして聴いてほしいです。夏のドライブとかで聴きたい曲っていうイメージです。

巧海 わかる! めちゃくちゃ晴れてる日にオープンカーで湘南をドライブする感じでしょ?

 そう。さわやかで夏にぴったりだと思います。

ゆうが 僕はアルバムの表題曲「SADs.」に思い入れがあります。狼我とダブルセンターを務めさせてもらってるんですが、グループの名前の入った曲のセンターを任せていただいたことで、自分にとってすごく大事な曲になりました。

りょへ 「SADs.」は聴いてほしいですね。グループの代表曲でもあるんですが、曲中の重厚感あるオーケストラによって独創的な雰囲気に仕上がっています。

巧海

巧海

りょへ

りょへ

狼我 僕も自分がセンターをやらせていただいた「STAGE 4」がお気に入りです。僕の低音が生きているのに加えて、自分の好きな振りを担当させてもらえたので、好きなものがぎゅっと詰まった曲になりました。メンバー全員で歌っている最後のパートの迫力がすさまじくて、そこも好きですね。

きら 歌の話だと、アルバムに収録されている「新世界より(SADs. ver.)」というNiAの後継曲が「カッコいい男!」って感じで、がなるようにして歌うのがすごく気持ちよかったです。僕の声量が生きる曲だなと思いますし、勢いがあって激しめな振付も好きです。

ゆじめろ 僕が気に入っているのは、アルバムに入っている「アイドルを続けようと思ったのは」っていう曲。歌詞にはステージの輝きやファンの存在が忘れられなくてまたアイドルに戻ってくる様子が描かれているんですが、かつて別のアイドルグループで活動していた僕は、自分のこれまでの境遇やアイドルという仕事に懸ける思いと重ね合わせて感情が揺さぶられます。

巧海 「アイドルを続けようと思ったのは」はライブの定番曲というより、何かの節目で披露する曲なんですが、歌うたびにゆじめろは泣いてますね。

ゆじめろ ファンの方の目を見て歌うので、より一層感情が揺さぶられます。レコーディングのときも泣きました(笑)。

はると 僕はプロデューサーの書く歌詞が全部好きなんですが、アルバムに収録されている「This is lovesong.(SADs. ver.)」のサビの歌詞が特に好きですね。

きら

きら

はると

はると

巧海 僕は「愛のせいにして」っていう曲がお気に入りです。先ほども言った通り僕はこのグループで一番かわいいんですけど、この曲は曲調も歌詞も振付もすべてかわいいので僕にぴったりなんです。しかもほぼセンターのポジションをいただけたので、キャピキャピでパフォーマンスしています。2番目にかわいいのは、僕以外のメンバー全員。ミュージックビデオでもかわいいSAD originals.が全開になってると思います。

きゆう プロデューサーさんの歌詞は1回聴いただけだとすべては理解できないような歌詞で、小説を読んでいる感覚になります。「abjectokyo.(SADs. ver.)」と「TOKYO EMPiRE」の歌詞がリンクしているように感じたので「アンサーソングなのかな?」とか考えたりもして……。すべての曲の歌詞に注目してほしいですね。

りょへ 「TOKYO EMPiRE」はSAD.originalsの中でもカッコいい曲で、個人的には間奏のダンスパフォーマンスが斬新なのでぜひチェックしてほしいです。

──「TOKYO EMPiRE」の歌詞では、夢のために上京して恋をする主人公が描かれています。皆さんにとって東京はどんな場所でしょうか?

 夢を叶える場所ですね。このグループは東京出身者が少なくて、アイドルになるために上京してきたメンバーが多いので、なおさらそう思いますね。

ゆうが 僕は大学に進学するときに上京してアイドル活動を始めたんですが、東京はいろんな人、もの、スタイルがあふれていて。そんな大都市で、こうやって僕たちが集まって1つのグループとして活動しているのは運命を感じますね。

きゆう

きゆう

ゆうが

ゆうが

とにかく知ってもらいたい、やっぱりバズりたい

──皆さんバラバラの個性をお持ちですが、この9人の共通点はなんだと思いますか?

狼我 精神年齢の低さです。さっきも高校の休み時間という例えが出ましたが、学生時代の気持ちをそのままに今の年齢になっている感覚があります。客観視すると、笑いのレベルも相当低いですね(笑)。でも、そのレベルでガヤガヤできるからこそ、何者にでもなれると信じて貪欲にチャレンジできるんです。

巧海 うん、いい意味で子供だと思います。大人になると挑戦する心を忘れてしまう人もいると思うんですが、僕たちは全員怖いもの知らず。大人と言われるような年齢になっても、やりたいことを追いかけられる人たちが集まっているからこそ身も心も若くいられるんじゃないかなって思います。

狼我 やれることは全部やっていきたいですね。

狼我

狼我

──では最後に、グループとしての目標を教えてください。

巧海 今の目標は1stアルバムと1stシングルのオリコン1位です。でも、特にこれと言った夢は決めてないよね?

狼我 グループ名を聞いて「ん?」って思われないようになりたい。

巧海 国民的なグループになりたいですね。今の時代、大きい事務所に所属してなくてもSNSをきっかけに一気に知名度が上がることも珍しくないので、そのためにももっとSNSに力を入れて、とにかく知名度を高めたいです。グループ名でも曲でも顔でもなんでもいいから、とにかく知ってもらいたい。バズらせるために、「愛のせいにして」の音源をSNSに無限に投稿し続ける施策をやったこともあります。

 期間を決めて、全員で毎日投稿したよね。

ゆじめろ ライブで「愛のせいにして」のパフォーマンス動画をファンの方たちに撮ってもらって、それをSNSに投稿してもらうという、いろんな人の目に触れてもらうための試みもやりました。

狼我 「自分たちの曲を1曲だけでも知ってもらいたい」という気持ちで、今もSNSにいろいろと投稿し続けています。

SAD originals.

SAD originals.

プロフィール

SAD originals.(サッドオリジナルズ)

2023年3月にデビューした9人組メンズアイドルグループ。前身グループ・NiAの元メンバーである狼我、巧海、はるとの3人と、SAD originals.結成に伴い加入したゆじめろ、陸、きゆう、ゆうが、キラ、りょへの6人からなる。8月1日、1stシングル「TOKYO EMPiRE / 愛のせいにして」と1stアルバム「SADs.」を同時リリースした。