メンズアイドルグループ・SAD originals.が、8月1日に1stシングル「TOKYO EMPiRE / 愛のせいにして」と1stアルバム「SADs.」を同時リリースした。
SAD originals.は“帝国×悲しみ”というコンセプトを掲げ、幅広いジャンルの楽曲と表現力豊かなダンスを武器に活動する9人組。恋のために夢を捨てた人がテーマの「TOKYO EMPiRE」、嫌味のある愛を歌った「愛のせいにして」など、楽曲を通じてさまざまな“悲しみ”を表現している。音楽ナタリーでは、シングルとアルバムのリリースに合わせてSAD originals.へのインタビューを行い、楽曲の聴きどころのほか、グループの成り立ちや9人それぞれのキャラクターに迫った。
取材・文 / 小松香里撮影 / 梁瀬玉実
NiAの遺伝子を残したグループ
──まず、SAD originals.の結成の経緯を教えてください。
巧海 僕と緑色担当のはる、赤色担当の狼我はもともとNiAというグループで活動していたんですが、NiAが今年の3月9日に解散することになり、同日に9人組のSAD originals.としてデビューしました。つまり、僕とはると狼我の3人が残って、そこに6人が新たに加わり、SAD originals.が誕生したという流れです。NiAの楽曲も“SAD originals.バージョン”にする形で引き継いだ、NiAの遺伝子を残したグループですね。
狼我 NiAから新しい方向に切り替わったというより、より活動の幅が広がった感じです。
ゆじめろ 黄色担当のきらとピンク担当のきゆう以外は、全員アイドル経験者でした。未経験者である2人が加入したことによって、グループとして新たな進化を遂げられたのかなって思っています。
──きゆうさんはSAD originals.への加入が決まったとき、どんな心境でしたか?
きゆう グループとして知名度が高いNiAのメンバーたちと一緒に自分のアイドル人生をスタートできたことには、驚きとうれしさの両方がありました。同時に、「自分は踊れるのかな? 歌えるのかな?」という不安はすごくあって。ただ、一番大きかったのは「うれしいなあ」という気持ちですね。
──きゆうさんはもともとアイドル志望だったんですか?
きゆう そうですね。SADに加入するお話をいただく前はアイドルオタクをしていました。アイドルのステージを観て、「自分もこのステージに立ちたいな」という憧れを抱いていたんです。
地獄の雰囲気になっちゃう
──皆さんは、それぞれグループの中でどのような役割を担っているのでしょうか。
巧海 自分はお話をするのが好きなので、トークは任せてほしいです。あと、この9人の中で一番かわいいので、かわいさも出していきたい。かわいいのに面白い、だけどカッコいい系の曲では「巧海くん、めっちゃイケてるじゃん!」って思わせるようなギャップで売っていきたいです。まとめると、役割は“面白かわいい”です(笑)。
──(笑)。はるとさんはいかがでしょうか?
はると え、なんだろう。「うなぎが好き」とか?
一同 (笑)。
はると 食べるのが好きなので食事担当ですね。みんなが残したものを食べてます。
ゆじめろ その役割、チームに必要?(笑)
はると じゃあ、癒し担当にします!(笑) 僕の担当カラーは緑なんですが、緑って目を休める効果もありますよね。僕を見ることで自然の多い場所に旅行に来たような感覚になる。そういう癒しを与えられる存在になりたいです。
ゆうが 僕はリーダーをやらせてもらっているので、周りを見るバランサー的な役割だと思います。
巧海 やるときはビシッと決めてくれるので、そこそこ頼っています(笑)。
──陸さんはいかがでしょう?
陸 自分は色気担当ですかね。あと、歌の表現担当です。
巧海 どっちかに絞れよ!(笑)
陸 巧海こそさっき何個も言ってたじゃん!
巧海 確かに。
陸 挙げられるだけ挙げたいな……。まあ、いろいろですね(笑)。1つに絞るとしたら、歌の表現担当です!
狼我 僕はダンスリーダーをやらせていただいていて、メンバーのダンスレッスンを仕切っています。あと振付も担当しているので、全体を見てパフォーマンスの調整もしますね。もう1つ、僕、声がめっちゃ低音で、それを生かした楽曲もあるので低音担当でもあります。
りょへ 直感ですが、僕はオレンジ色担当で! 元気な全力パフォーマンスが売りなので、太陽のようにみんなを照らせられたらいいなって思ってます。
ゆじめろ 自分はギャップ担当だと思ってます。あまり大きな声では言えないんですが、僕はアイドルとしてはけっこう高めの年齢で。だけどポンコツでもあって……自分ではかわいいと思っていて……。親しみやすい顔もしてますし、グループの入り口になれるんじゃないかなって思ってます!
巧海 ちなみに年齢は?
ゆじめろ 今年で33です!(笑)
──33歳に見えないですね。
ゆじめろ グループの平均年齢を爆上げしてる最年長です(笑)。
──きらさんは?
きら 僕は声量担当ですね。特に全員で歌うパートは自分が支えていると思ってます。
きゆう 僕は「あざとい(ツッコミ担当)」みたいな感じですね。本当は純粋なあざとい担当なんですけど、ほかの8人のボケがすごくて、しかも誰も回収しないんですよ。僕が回収しないと地獄みたいな雰囲気になっちゃうので、渋々ツッコんでます。
──地獄みたいな雰囲気ってどういう感じなんですか?
きゆう 僕がグループに入って間もない頃、まだそこまで仲が深まっていないにもかかわらず、レコーディングで巧海くんが「マンゴーラッシー」っていう意味不明で突拍子もないネタをやるように、みんなにムチャぶりをし始めたんです。巧海くんは顔が整っている分、目力があって圧がすごいので、みんな「やるしかない」っていう雰囲気になって。結果、ムチャぶりには応えたものの、案の定地獄の空気になりました。
巧海 「マンゴーラッシー」っていうのは自分が考えたダンスネタなんですけど、一緒にやってもらえたらうれしいなあくらいのテンションで言ってみたら、まだ2、3回しか会ったことないのにみんな乗ってくれたんです。強制はしてないです!
ゆじめろ 「バラエティ力を試されてるのかな」と思って仕方なくやったけど……。ちゃんとみんなのボケを回収してくれればいいんですけどね?(笑)
きゆう そう。回収しないのが怖い(笑)。
「あの男子たち、うるせえな!」の空気感
──SAD originals.ならではの空気感をひと言で表すと、どのような表現になりますか?
狼我 学生時代の休み時間の教室みたいだなと思います。
巧海 僕はひとりぼっちで教室の隅のほうにいるような、“青春”とはかけ離れた学生時代を送ったんですが、当時「あの男子たち、うるせえな!」と思っていた、その“男子ノリ”で今過ごしていますね。
ゆじめろ 青春を取り戻してる?(笑)
巧海 そう。僕はみんなが応えてくれるまでムチャぶりをし続けるタイプなんですが、メンバーは「無視するよりやったほうが早く終わる」と思って応えてくれるので、今は毎日が楽しくて仕方ない。
──今、何か言いたそうな狼我さんと目が合ったんですが(笑)。
ゆじめろ 狼我は拓海の扱いに慣れちゃってて(笑)。
狼我 僕はNiAでも巧海と一緒だったんで、巧海のムチャぶりを無視し続ける体制を早めに作っておかないとのちのち痛い目を見るってことを知ってるんです(笑)。巧海のムチャぶりは止まらないので。
ゆうが 狼我は、巧海にやらせるだけやらせて放置してますね。
ゆじめろ イヤフォン着けて無視してるときもあるよね。「せめて聞いてあげて!」って思う(笑)。
巧海 僕は20歳でメンバー最年少なので、甘えたい気持ちが強いんです。
──甘えん坊の末っ子なんですね。
ゆじめろ それで売ってほしくない(笑)。聞かん坊って感じ。
巧海 暴れん坊です(笑)。
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帝国=東京