リーダーとしての発信力、チームのエンジン
──皆さんが龍宮城のメンバーとして同じ時間を過ごして1年弱。ここからは7人それぞれにフォーカスして、「このメンバーはこんなところが変わった」という部分を順に探っていきましょうか。まずはリーダーのKEIGOさんについて。
冨田 KEIGOはすごくリーダーらしくなってきたと思います。僕はオーディション中からKEIGOと同じグループになる機会が多かったんですけど、当時は自分の考えがあっても、最終的には別の人の意見を優先するイメージだった。でも今は、みんなの話をまとめつつ自分の考えもしっかりと示してくれるから、すごく平等だなと感じていて。
S 僕がまずKEIGOに対して思うのは、龍宮城への愛がすごく強いなということ。リーダーになったからということももちろんあると思うんですけど、周囲をよく見てそれぞれのメンバーに合った言葉をかけて、チームを上げてくれるんです。1人ひとりに対しての愛がすごくあると思います。それと、KEIGOは芸能活動未経験で「0年0組」のオーディションを受けてリーダーになったことから「才能がある人」というイメージを持たれている方が多いかもしれないけれど、僕はこの1年を彼と一緒に過ごして、彼がすごくいろんなことにチャレンジしているのを隣で見てきました。例えば楽器とか、趣味で言ったら絵とか。才能だけじゃない、ちゃんとした努力があるからこそ周りが彼に刺激を受けて、僕も絵を描き始めたり、楽器を弾き始めたりしたので……。
齋木 確かに。
S リーダーとしての発信力がすごくある人だなと思います。
KEIGO うれしいです。龍宮城はメンバーみんなが意見をちゃんと言えるし、全員リーダーの役目ができるグループだと確信しているんです。だからこそ「僕がリーダーじゃなくてもいいな」と思ってしまうときもあるんですけど、みんなが任せてくれている以上、それに応えたいという気持ちがある。パフォーマンス面でも「みんなに負けないように」という思いで練習していますし……あとは真摯でいるというか。リーダーとして、まっすぐにメンバーを見つめることを僕は普段から意識しているので、これからも思ったことをしっかりと伝えていきたいと思います。
──では、KENTさんについてはいかがでしょう。
ITARU KENTは常に戦ってる。見た目的にもそうだけど、内面的な部分で彼は今ものすごく成長期で、いろんなものと戦っているし、それを自分たちに包み隠さず見せてくれるんです。僕はグループ最年長ですけど、KENTのそういう姿からやる気や熱量をもらうことが多くて。だから、彼はチームのエンジンみたいな存在だと思います。
KENT ええ!
ITARU 常にがんばってくれているので。
齋木 オーディションで何回かチームが一緒になったことがあったんですけど、当時と比べたら表現力、表情が桁違いに変化していると思います。もともとカッコよかったけど、男前になったというか、覚悟が決まった顔になったというか。
KEIGO だいぶ大人っぽくなったよね。
齋木 表現力の面でも、レコーディングするたびに「こいつヤベえな」と思いますし、ダンスもライブ中のパフォーマンスも毎回驚かされる。尊敬できる部分が本当に多いなと感じています。
KENT うれしいなあ。なんだこの幸せな時間は。
一同 あはははは。
KENT 自分で感じるのは、考える時間が増えたなということ。あと、アヴちゃん先生に出会って「こんな表現があるんだ」と初めて知れたものが本当に多くて。だからこそ、スポンジのような感じですぐに吸収することができたのかなって。
──「0年0組」に参加する前、EBiDAN NEXTの一員として活動していた頃のKENTさんはピュアで真面目な男の子という印象だったから、龍宮城のメンバーになってからの変化には目を見張るものがありますね。
KENT さっきのお話で言うと、僕はどちらかと言うと「とにかくデビューしたい」という思いで「0年0組」のオーディションに参加したので、その場で出会った初めての世界観をすぐに受け入れられたわけじゃないし、最初はもちろんとまどいもありました。でも今は「ここに立ててよかった」とすごく思えているので、それは本当にうれしいことだなと思います。
確立してきた生き方、影の努力
──続いては、冨田さんの変化について教えてください。
Ray 僕が言うことじゃないかもしれないけど、とにかく強くなったと思います。自分の“信念の視野”を広げながら、確実に存在感を強めている。弱音もまったく吐かなくなったし、ライブ本番中の様子なんかを見ると特に、覚悟がものすごく決まってきている印象を受けます。もともと身長が高くて存在感がありますけど、それにプラスして、抱いてる心持ちや感情をあらわにする表現にものすごく爆発力があるんですよ。そのパワーがいったいどこから来ているのかな?と考えたとき、自分の信念の一番深い部分がどんどん大きくなっているのかなと僕は思ったんです。
KEIGO これは最近特に感じることですけど、侑暉くんは向上心や探究心がすごいなって。「上にいこう、上にいこう」という意欲をすごく感じるんです。「0年0組」のときは侑暉くん自身、いろんな人との意見の対立を経験したと思うんですけど、龍宮城になってからはそれまで以上に自分の意見をしっかりと言うようになったし、自分が正しいと思ったことはちゃんと伝えてくれる。探究心で言うと、パフォーマンスについてアドバイスを求めてきてくれたことがあって、それが僕はうれしくて。そうやって吸収したものを、侑暉くんがこれまで築き上げてきたものに上乗せして表現しているから、歌もパフォーマンスもすごくよくなってきていて、それがすごく怖いです。
KENT 怖いんだ。
冨田 僕もKENTと同じで、オーディションを受けたときは「とにかくデビューしたい」という一心だったんです。もともと自分がそれまで思い描いていたものと龍宮城のコンセプトにギャップを感じていた部分もあって、最初はなかなか素直になれなかった。「本当に自分は、個性と実力がすごいこのメンバーの中で一緒にやっていけるのかな」という不安が正直ありました。だけど、アヴちゃん先生の言葉をきっかけに、ライブというのは本当の自分の気持ち、やりたいことをさらけ出していい場所なんだと思うようになりました。そこからは自分に嘘をつかず、やりたいことは素直にやっていくし、正しいと思ったことは貫き通す。龍宮城の冨田侑暉としての生き方が確立してきたのかな、と思います。
──いい意味で吹っ切れてきたと。では、春空さんについてはいかがでしょう。
KEIGO 春空の変化としてはまず、パフォーマンスの実力が桁違いに上がったと思います。オーディションのときは、それまで歌もダンスも未経験だったこともあって、ほかの生徒と比べられて難しいこともあったと思うんですけど、そこから努力をどんどん積み上げて、今はもともと持っている才能を引き出す力が本当に強くなったなと感じます。最近リハーサルで春空が歌っているのを聴いて「うまくなっているな」とびっくりしたんですけど……それって彼が裏でたくさん努力した結果なんですよね。春空はずっと変わらず陰で練習していて、その成果がパフォーマンスからすごく伝わってくるので、そこはこれからも変わらないでほしいなと思います。あと、これはずっと前から変わらないことなんですけど、彼はすごくメンバー思いなんです。例えば電車の席をさりげなく譲ってくれたり、いつも優しく人のことを気遣えるところがすごくいいところだなって。
ITARU 春空のとにかくがんばり屋さんで努力家な一面は僕も感じています。僕も春空と同じスタートラインだったこともあって、ダンスや歌の成長は同じメンバーとしてはっきりとわかるし、本当に陰での努力がものすごくある人なんだろうなって。
齋木 実際、僕は小さい頃からずっとスポーツをやっていて音楽にまったく触れてこなかったので、「0年0組」のときは、例えばレッスンでピアノの鍵盤をポンと押されても、そこから何をすればいいのかすらわからないような状態だったんです。「この音に合わせて声を出せばいいの?」みたいな感じで。
KEIGO そうだね。
齋木 そうやって何もできない自分にストレスを感じていたので、最初は正直きつかったです。でも最近は音楽を聴くことが多くなって、歌うことの楽しさもだんだんと覚えていって。最近は自分で歌詞を書いたり、その歌詞にメロディを付けたりしています。「音楽ってこんなに楽しいんだ」と気付かせてくれた場所が、この龍宮城だったんです。やればやるだけ実力がついていくということをすごく感じていますね。
次のページ »
「龍宮城が好き」という気持ちが僕の先を走ってくれている