音楽ナタリー Power Push - 「American Express presents InterFM897×COTTON CLUB THE ROOTS OF MUSIC」

一青窈のルーツミュージック

12月3日に東京・COTTON CLUBで開催されるライブイベント「American Express presents InterFM897×COTTON CLUB THE ROOTS OF MUSIC」の第5弾に一青窈が出演する。「THE ROOTS OF MUSIC」はInterFM897とCOTTON CLUBのタッグによって行われているライブシリーズで、出演者のルーツとなった音楽にスポットを当てるというもの。これまでに森高千里、一青窈、BENI、さかいゆうが登場し、それぞれがルーツミュージックのカバーを披露するなど、特別なプログラムでファンを喜ばせてきた。

音楽ナタリーでは、今回「THE ROOTS OF MUSIC」に出演する一青にインタビューを実施。彼女の音楽的ルーツやカバー曲への思い、ライブへの意気込みを語ってもらった。

取材・文 / 石橋果奈 撮影 / 上山陽介

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ルーツはブラックミュージック

──今回一青窈さんは「THE ROOTS OF MUSIC」の第5弾に出演されます。当日の構想があれば教えてください。

一青窈

私は大学時代にアカペラサークルに入っていて、その頃はブラックミュージックばっかり聴いていたんです。だからその辺の楽曲が披露できたらいいなと思ってます。

──ブラックミュージックがお好きだったんですね。一青さんは歌謡曲のイメージが強いので意外です。

実は出会いは全然ブラックミュージックのほうが先ですね。アカペラに特化した黒人音楽に傾倒してました。あと大学時代にはSOIL & "PIMP" SESSIONSのドラムのみどりんとバンドを組んで、中国語でジャズをやってて。

──一青さんとSOIL & "PIMP" SESSIONSは2014年に金井克子さんの「他人の関係」をカバーしていますけど、古くからのお付き合いだったんですね。

そうなんです。私が通っていた慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスのジャズ研の人と仲がよくて、当時ほかの大学のジャズ研だったみどりんとつながって。それで誘われてよくクラブイベントでも歌ってたんです。

──具体的にはどちらで歌ってたんですか?

HARLEMとかclubasiaとか……あとは当時原宿にあったgo-go Lounge TYOっていうクラブにもよく行ってましたね。その頃はDJの友達がいっぱいいたので、「DJの合間にちょっと歌っていいよ」って言ってもらって。あの頃ってダンスや歌がすごい流行ってたし、クラブに行くっていう文化があったんですよね。アマチュアナイトみたいな感じで、観に来た人よりも出演者の人数が多かったですもん(笑)。

──一青さんは何を歌っていたんですか?

アリシア・キーズ、ローリン・ヒル、アレサ・フランクリンとかよく歌ってましたね。あとその頃はみどりんと一緒に、ハシケンさんのバックバンドをやってたんですよ。私はコーラスで参加して、吉祥寺のSTAR PINE'S CAFEとかに出てましたね。

きっかけは「とんねるずのみなさんのおかげです」

──そもそもブラックミュージックが好きになったのはいつ頃なんですか?

小学生の頃ですね。周りはSMAP、ユニコーン、DREAMS COME TRUEとかが好きで。私ももちろん聴いていたんですけど、どっぷりハマったのはマイケル・ジャクソン、マドンナ、M.C.ハマーとか。アメリカンポップスが好きだったんです。

一青窈

──きっかけはなんだったんでしょう?

なんだろう……あ、「とんねるずのみなさんのおかげです」だ! のりさん(木梨憲武)がマイケル・ジャクソン、ライオネル・リッチー、M.C.ハマーとかをマネしてて。それでハマっていったんですよね。懐かしいなあ。今年、TLCとローリン・ヒルの来日公演を観に行ったんですけど、その頃を思い出して「青春だなー」ってすごく感動しました。

──ルーツであるブラックミュージックの要素は、今まで一青さんの音楽活動の中で作品に表れてきましたか?

いや、封印してました(笑)。昔プロデューサーの武部聡志さんに、「ブラックミュージックが好きなのはすごくいいことだけど、君の血から湧き起こるものがソウルだから、もうちょっと台湾の民謡とか日本の歌謡とかを勉強したら?」って言われたんです。「世の中にはMISIA、Sugar Soul、宇多田ヒカルとか死ぬほどうまいアーティストがいっぱいいるし、とにかく今はブラックミュージックの世界では一青の出る幕じゃない」と。その頃の自分からしたら台湾の民謡や日本の歌謡を歌うっていうのは想定外だったんですけど、母が井上陽水さんや加藤登紀子さんを好きだったから、「まあ確かに。聴いてみようかな」みたいな感じで。それから歌謡曲が好きになっていきましたね。

──そうだったんですね。アジアの音楽や歌謡を掘り下げていったのはデビューの少し前ですか?

いや……たぶん21、22歳とか。26歳でデビューするまでずっと武部さんとデモを作っていたので、「デビューできるのかな」ってずっと思ってました。模索し続けて歳取っちゃいますけどみたいな(笑)。

──(笑)。具体的には、武部さんとどんな作業をしていたんですか?

とにかく武部さんが曲を書いて私が詞を書いて、それをもっと人に伝わりやすいものにしていくっていう作業です。あとはサウンド面ですね。デビュー曲「もらい泣き」のような異国情緒あふれる音にたどり着くのにすごく時間がかかりました。

American Express presents InterFM897×COTTON CLUB 「THE ROOTS OF MUSIC」Vol.5 一青窈

2016年12月3日(土)東京都 COTTON CLUB
OPEN 19:00 / START 20:15
※チケット申込受付終了

詳しくはこちら

配信シングル「満点星」2015年12月16日発売 / EMI Records
「満点星」
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収録曲
  1. 満点星
一青窈(ヒトトヨウ)
一青窈

東京都出身の女性アーティスト。台湾人の父と日本人の母の間に生まれ、幼少期を台湾・台北で過ごす。慶應義塾大学在学時には、アカペラサークルに在籍しストリートライブなどを行った。2002年、シングル「もらい泣き」でデビュー。2003年には同曲で日本レコード大賞最優秀新人賞、日本有線大賞最優秀新人賞などを受賞し、「NHK紅白歌合戦」に初出場を果たした。2004年には、代表作の1つである5thシングル「ハナミズキ」をリリース。大ヒットを記録した。2009年に初の日本武道館ライブを開催。2015年リリースのカバーアルバム「ヒトトウタ」では「ハナミズキ」を初めてセルフカバーした。2017年春に公開される映画「ママ、ごはんまだ?」には主題歌「空音」を提供した。また2004年に映画「珈琲時光」、2008年に音楽劇「箱の中の女」で主演を務めたり、2013年に初の詩集「一青窈詩集 みんな楽しそう」を発表したりと歌手の枠にとらわれず幅広い活動を行っている。