音楽ナタリー Power Push - ROOT FIVE

“大逆転”を狙う覚悟

デビューから5年経っても「まだ何も始まっちゃいない」

──シングルの2曲目には「Bremen」というナンバーも。来年開催されるツアーのサブタイトルに「音楽隊」というワードが使われていることから、何かしらのリンクがありそうだなと予想しましたが。

藤谷慶太朗

藤谷 この曲はいつもお世話になっている(ハヤシ)ケイさんが作ってくださったんですけど、このタイトルを見たときにパッと浮かんだんですよ。「あ、ツアータイトルに“音楽隊”って入れるといいんじゃないかな」って。ブレーメンの音楽隊も4匹なんですよ。

──なるほど。「Bremen」というタイトルからの発想だったんですね。

藤谷 はい。僕たち4人がブレーメンの音楽隊のように日本を旅しながらいろんな思いを届けていくっていういいメッセージになるかなと。

石城 この曲歌うときはさ、みんなでブレーメンポーズしようよ。俺がロバで、あとの3人で犬と猫と鶏やって。上に積み重なって合体して強いぞ!みたいな。

江川 ……石城はもうすぐ30歳なのにね(笑)。

駒沢 次行きましょう(笑)。

──サウンドはすごくさわやかな印象ですよね。

駒沢 そうですね。曲自体、物語のエンディングのイメージと言いますか、ハッピーな大団円を想像させるものというリクエストをしてケイさんに作っていただいたんですよ。なので、ライブのどこで使われるかを楽しみにしてて欲しいですね。

──「ラララ」と歌うところではみんなで大合唱する光景が思い浮かびますしね。

江川 たぶん1曲目にやるんだろうなあ。

駒沢 いきなりエンディング!?

藤谷 センスがなさすぎる!(笑) この曲、メッセージ的には「大逆転エモーション」とけっこう近いことを歌っているんですけど、より「脱・歌い手宣言」というテーマに寄り添っている感じもあって。「その声の主よ」っていうフレーズは、僕らに対しての批判的なコメントの暗喩のような気もするし、「何も欲しがらないことさ」っていうところなんかは、僕たちがずっと持っていた変なプライドみたいなものを捨てて歩いていこうよって諭してくれている感じもするんですよね。

江川直樹

──「大逆転エモーション」とは違ったアプローチで、ROOT FIVEの決意を表現してくれている感じですよね。デビューから5年経った今、「まだ何も始まっちゃいない」と歌う潔さがカッコいいなと。

藤谷 やっとここからがスタートだっていう気持ちが今の僕らの中にはありますから。

江川 うん。踊りにしても殺陣にしても演技にしても、ここからの自分たちのことを思い描きながら限界ぎりぎりのところでやれている実感が今はすごくあって。それがすごく楽しいんですよね。

30分で歌詞が書けた

──そしてもう1曲。CDオンリーの[転]盤には「雑菌パーティ」という異色作も収録されていて。作詞は駒沢さんですね。

駒沢 この曲の話します?(笑) これはニコニコ動画の生放送でのコント企画で生まれた“潔癖症男”というキャラクターが元になった曲なんですよ。コント内で頻繁に言っていた“雑菌パーティ”というキャッチーな単語を使って、クラブで流れているようなパーティチューンを作ってみたら面白いんじゃないかなってことになりまして。

──トラックはめちゃくちゃカッコいいんですけど、そこに乗る歌詞はかなり笑える感じで(笑)。こういう歌詞ってスラスラ書けちゃうものですか?

駒沢浩人

駒沢 30分くらいで書けちゃいましたね(笑)。

石城 ROOT FIVEにはこういう系の曲がたまにあるけど、みんな歌詞書くのめちゃくちゃ速いもんね。

駒沢 そうだね。まあでも今回は5周年を迎えて新たにここからがんばっていくぞっていう意思を打ち出した大事なシングルなわけなので、この曲を収録して本当によかったのかどうかっていう疑問はありますけども(笑)。

──でもこういったコミカルな側面を持ったグループだということを提示するのも大事なことだと思いますしね。

駒沢 そうですね。ROOT FIVEの面白い部分を今回は僕が代表して担わせていただきました(笑)。

ライブより進化したエンタテインメントを

──来春からは待望のツアーもスタートします。今年のツアーがそうだったように、今回も内容の異なる2本立てになるんですよね。

藤谷 はい。まず全国を細かく回る「ROOT FIVE STORYLIVE 2017“Q”~星のカケラと音楽隊~侵略者の正体と宝物を求めて16の星を旅するツアー」では、普段会えない方々と一緒に楽しめるファンミーティング的な要素を織り交ぜたライブをしていきます。各会場でゲームみたいなこともやりつつ、そこで導き出されたものを16会場分持って次のツアーに向かっていければなと思ってますね。

──もう1本のツアーは「ROOT FIVE STORYLIVE 2017“A”~Four Elements:Four Braves~」と題されています。最初のツアーの「Q」に対して何かしらの「A」、要するに「アンサー」が提示されるんでしょうね。

ROOT FIVE

藤谷 そうなりますね。「Q」のほうではこれからの僕らが軸にしていくお芝居に近い新しいライブスタイルを見せていくんですけど、名古屋と大阪はシアター公演になるので今年やったライブからより進化したものを見せられるんじゃないかなと思っています。で、最終日の豊洲PITで最高のエンディングが迎えられればいいなって。

──2本のツアーを通して大きなストーリーが展開されそうなだけに、どちらも参加するのがオススメですね。

藤谷 はい。できればどっちも観ていただきたい気持ちはあります。でも、ツアー中はSNSを使って各ライブの感想は知らせていこうと思っているので、片方だけしか観られない人でも、どっちも観られない人でも、ROOT FIVEのことが好きな人みんなが楽しめるような時間にしていきたいなと思っているので期待しててください!

ニューシングル「大逆転エモーション」 / 2016年12月14日発売 / よしもとアール・アンド・シー
[大]盤 [CD+エムカード] / 1800円 / FSCY-0012
[逆]盤 [CD+エムカード] / 1800円 / FSCY-0013
[転]盤 [CD] / 1200円 / FSCY-0014
CD収録曲
  1. 大逆転エモーション
  2. Bremen
  3. 雑菌パーティ ※[転]盤のみ
[大]盤エムカード収録内容
  • MUSIC VIDEO+MAKING
[逆]盤エムカード収録内容
  • ROOT FIVEのP旅

ROOT FIVE STORYLIVE 2017“Q”~星のカケラと音楽隊~

  • 2017年3月17日(金)千葉県 KASHIWA PALOOZA
  • 2017年3月18日(土)兵庫県 Kobe SLOPE
  • 2017年3月20日(月・祝)静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
  • 2017年3月24日(金)福岡県 DRUM Be-1
  • 2017年3月25日(土)熊本県 熊本B.9 V1
  • 2017年4月1日(土)福島県 clubSONICiwaki
  • 2017年4月2日(日)神奈川県 セルビアンナイト
  • 2017年4月8日(土)石川県 Kanazawa AZ
  • 2017年4月9日(日)京都府 京都FANJ
  • 2017年4月15日(土)北海道 DUCE SAPPORO
  • 2017年4月22日(土)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
  • 2017年4月23日(日)新潟県 GOLDEN PIGS RED STAGE
  • 2017年5月13日(土)広島県 SECOND CRUTCH
  • 2017年5月14日(日)香川県 DIME
  • 2017年5月20日(土)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
  • 2017年5月21日(日)宮城県 仙台MACANA

ROOT FIVE STORYLIVE 2017“A”~Four Elements : Four Braves~

  • 2017年6月30日(金)愛知県 芸術創造センター
  • 2017年7月1日(土)愛知県 芸術創造センター
  • 2017年7月2日(日)愛知県 芸術創造センター
  • 2017年7月14日(金)大阪府 YES THEATER
  • 2017年7月15日(土)大阪府 YES THEATER
  • 2017年7月16日(日)大阪府 YES THEATER
  • 2017年7月22日(土)東京都 豊洲PIT
ROOT FIVE(ルートファイブ)
ROOT FIVE

江川直樹(ぽこた)、石城結真(みーちゃん)、藤谷慶太朗(けったろ)、駒沢浩人(koma'n)の4人からなるボーカルグループ。ニコニコ動画内の“歌ってみた”カテゴリで人気を誇る歌い手が集まって結成され、2011年12月にシングル「MERRY GO ROUND」でデビュー。2013年3月に1stアルバム「ROOT FIVE」を発表した。メンバーそれぞれがソロ活動を行うほか、ドラマやミュージカルに出演するなど多方面で活躍し、人気を集める。2015年10月にメンバーの蛇足がグループを卒業し、現在の4人体制となった。2016年12月、「脱・歌い手宣言」をテーマに掲げたニューシングル「大逆転エモーション」をリリースした。