看板娘が抜けて

──ROOT FIVEが4人体制になってから約1年が経ちました。その期間を振り返るといかがですか？

藤谷慶太朗　途中で江川（直樹）がケガしたり（今年1月、リハ－サル中に左目を負傷）とか、本当にいろんなことがありましたけど、ROOT FIVEとしてやるべきことが明確になった時期でもあるので、ブレることなくしっかり活動することができたと思います。この4人じゃないと絶対に成立しないことをやろうと決めたので、例えば江川がケガしたときも「じゃ治るまで待とう」って、すぐ決断することができて。すべてにおいて妥協することなく動けたことが大きかった。

江川直樹　ありがたいことです。

──蛇足さんが抜けた穴は大きかったと思うんですけど、それを補うに余りある結束力が今のROOT FIVEにはあるような気がします。

藤谷　メンバーが1人いなくなるって相当大きなことじゃないですか。しかも、蛇足はROOT FIVEの大黒柱というか、看板娘みたいな……。

石城結真　娘って（笑）。

藤谷　娘じゃないか。看板おじさんみたいな感じだったから（笑）、当初はライブの動員も絶望的にヤバいんじゃないかなとは思ってたんですよ。

石城　実際、4人になってすぐの頃はお客さんが減った感じはあったもんね。でも、今はまた戻って来てくれたファンの方も多いし、改めて興味を持ってもらえている実感はあって。それがうれしいことなんですけど。

駒沢浩人　ROOT FIVEのマスコット的な役割で非常に存在感の大きい蛇足に僕らが甘えていた部分があったと思うんですよ。でも彼がいなくなったことで、残された4人は目指すべき方向を改めて見つめ直し、ちゃんと1カ所に集まり直す必要があったんです。だから必然的にメンバーと会って話し合う機会も増えたし、今まで以上に密度の濃い時間を一緒に過ごすようになったっていう。

賛否両論あってもいい

──その中で新生ROOT FIVEとしてやるべきことも明確になっていったと。それって具体的にはどういうことなんでしょう？

駒沢　歌だけじゃなく、ダンスはもちろん、アクションや演技も含めたエンタテインメントを1つのパッケージとして見せるっていうこと。今年のツアーではそういった挑戦的なことをやってみたんですけど、ファンの方にも、自分たち自身にも大きな手応えがあったので、そこを来年以降もどんどん突き詰めていこうと思っていて。正直、メンバー全員がアクションの経験はゼロだったし、演技に関しても僕と石城はやったことがなかったのでかなり大変なことではあるんですけど。

石城　レッスンがハードなんで、毎週どこかしらケガしてますからね。

──石城さんは今日、足にギプスをしてますよね。

石城　これはさっきケガしたんですよ。できたてホヤホヤです。

藤谷　ま、それはレッスンのせいでケガしたって感じではないけどね（笑）。

石城　そうっすね。ハンドスプリングのコツをつかんだんで何回もやってたら最後に大ゴケしちゃって。調子に乗っちゃいました（笑）。

──あははは（笑）。でも、ハードなレッスンを自分たちに課してでもROOT FIVEとして新たな見せ方を手に入れたかったということですよね。

江川　そうですね。今考えると5人のときっていろんな選択肢があったと思うし、だからこそ覚悟を決め切れなかったところがあったんです。でも、1人いなくなったことで完全に逃げ道がなくなったというか。だったら自分たちが目指すべき方向をしっかり見定めるべきだし、そこで決めた道に向かうためには覚悟を決めてとことんやるべきだなと。そういう部分では、5人から4人になったことでROOT FIVEは大きく成長したんだと思います。「今の僕たちがやりたいことはこれなんです」ってすべての人に対して自信を持って言える状態になってますからね。

藤谷　うん。仮に僕らがやっていることに対して賛否両論あってもいいんですよ。どんな意見があったとしても自分たちのやりたいことはもう明確だから。そのうえで、僕らに付いて来てくれる人たちに対しては最大限のパフォーマンスで還元していくっていうスタンスでいればいいわけですから。そう思えるようになったことはROOT FIVEにとって本当に大きなことだと思います。