ナタリー PowerPush - ROACH

米軍基地に囲まれて育った俺たちの歌「OKINAMERICA」

へビーでラウドなメタルコアに出身地・沖縄特有のメロディを融合させた、独特な音楽性でシーンにインパクトを与え続けるROACH。生まれた頃から米軍基地に囲まれて暮らしてきた彼らは、最新ミニアルバム「OKINAMERICA」で基地問題などを抱える沖縄の矛盾に真正面から向かい合い、これまでとは異なるアプローチで誇れる故郷のアピールを試みている。

今回の特集ではボーカルのtaamaに単独インタビューを実施。その生い立ちから、彼を触発させた沖縄のロックシーンについて、そして今回のミニアルバムに込められた思いや決意などについて語ってもらった。

取材・文 / 荒金良介 撮影 / 佐藤類

ロックやっているからには、アメリカ人の前でやりたいと思ってた

──taamaさんは生まれも育ちも沖縄ですか?

インタビュー写真

はい、那覇の隣の南風原町(はえばるちょう)で生まれ育ちました。都会すぎず、田舎すぎず、という場所ですね。両親が石垣島出身なので、小さい頃はよく遊びに行ってました。

──小さい頃は何をして遊んでました?

中学の頃にはもうギターを握ってました。あと、南風原町から沖縄の基地はちょっと離れていたけど、当時お祭りがあって、基地の一部を開放するんですよ。それにはよく連れて行ってもらいましたね。当時は今よりアメリカ人がもっと多くて、道を走っていたら今よりもずっと多くのYナンバー(米軍関係者の使用車)のプレート見た思い出があります。

──米軍基地周辺のバーでライブをやるようになったきっかけは?

高校卒業して、すぐバンドを始めたんですけど、そこでやるのが憧れだったんですよね。

──なぜですか?

「ロックやっているからには、アメリカ人の前でやりたい」みたいな。あと、沖縄にコザ(1974年にコザ市と美里村が合併して沖縄市となる)という街があって、そこで米兵相手にロックを始めた紫やコンディション・グリーンという伝説のバンドがいるんですよ。で、その息子の世代もバンドをやっているんですよね。ウチのギターは高校の頃そこに通って、ライブを観てたんですよ。僕が高校を卒業した頃は今よりもっとロックが盛んで、悪いものを観に行くような空気がありましたね。どの店にも必ず入口にセキュリティがいるし、治安維持部隊みたいな人たちもいて、ケンカが始まると、ガーッと間に入って連れて行くみたいな(笑)。裏通りに入ると、酔っ払ったアメリカ人が取っ組み合ってケンカしてたり、それを見てワクワクしてました。

──危険な香りに惹かれるような感覚ですか?

そこで聴くロックは……なんか音が違って聴こえたんですよね。音の良し悪しもわからないし、ただ遊びに行ってただけなのに、建物や街全体の雰囲気にすごく衝撃を受けました。

生まれ育った土地の言葉で歌う沖縄のバンドたちがカッコよかった

──そのときの衝撃って、自分のロック観に影響を与えてます?

だいぶ与えてると思います。基地のある街で鳴ってる音楽、それと沖縄インディーズシーンの2つが自分の軸になってます。もちろんいろんな人に影響は受けてるけど、この人になりたいというよりは、音楽を取り巻く全体の空気感に惹かれたところが強くて。あと、昔は沖縄のアイデンティティを表現しているバンドがもっとたくさんいましたからね。

──例えばどの辺りのバンドですか?

地獄車、INDIAN-HI(後にIN-HIに改名)、零戦とか、宮古島にTHE BEATLE CRUSHERというバンドがいるんですけど、自分たちが生まれ育った土地の言葉で歌ってて、それがすごくカッコいいんですよ。あとMONGOL800もそうだし、自分の中ではBLEACHもそうなんですよ。どこが?と言われたら困るけど、当時のインディーズシーンは全部沖縄っぽさを残したバンドが多いなって。

──当時の沖縄インディーズバンドが持っていた匂いを継承したい?

当時はそれほど意識しなかったけど、最近考えるようになりましたね。高校1年生のときにINDIAN-HIのライブでセキュリティのアルバイトをしたんですけど、気付いたらダイブしてました。

──はははは(笑)、ダメじゃないですか。

インタビュー写真

はい(笑)。アメリカの軍人がいっぱいいたから、ブン投げられましたけど。

──沖縄のバンドでも琉球音階を積極的に取り入れる人たちと、あまり取り入れたくない人たちと、キッパリ分かれますよね。

うん、出したくないバンドの気持ちもすごくわかるんですよ。「ウソでしょ!」と思われるかもしれないけど、自分もそんなにめちゃくちゃ出したいわけじゃないんですよ(笑)。

──はははは(笑)、そうなんですね。

全国をツアーで回り出して、周りから言われるようになって、沖縄らしさみたいなものを意識するようになりましたからね。

ミニアルバム「OKINAMERICA」 / [CD+DVD] 2012年10月3日発売 / 2500円 BULL SHIT RECORDS / DULPICA / DPCD-10002
ミニアルバム「OKINAMERICA」
収録曲
  1. LINE-小さな島の国境線-
  2. HIGH FIVE!!
  3. 耳ヲ澄マセバ
  4. LONE★STAR
  5. テイスト・オブ・ザ・デビル
  6. ウィシュガー
  7. Don't U Remember
DVD収録内容
  1. MADE IN BLOOD
  2. no more silence
  3. MAKE HERE HELL
  4. DNA Never Die!!
  5. 言の葉-koto no ha-
  6. piece of Asia
  7. walk with death
  8. Don't hate but love
  9. Be hardcore in Kin Town
  10. For you, I will
  11. scream with love
  12. 涙の意味-namida no imi-
LIVE INFORMATION
ROACH LIVE TOUR 2012 "OKINAMERICA"

2012年10月14日(日)
沖縄県 桜坂セントラル

2012年10月19日(金)
東京都 下北沢SHELTER

2012年10月20日(土)
埼玉県 HEAVEN'S ROCK Kumagaya VJ-1

2012年10月21日(日)
東京都 渋谷CYCLONE

2012年10月23日(火)
神奈川県 横浜F.A.D

2012年10月25日(木)
愛知県 名古屋池下CLUB UPSET

2012年10月26日(金)
兵庫県 神戸太陽と虎

2012年10月28日(日)
大阪府 心斎橋CLUB DROP

2012年11月1日(木)
山口県 周南rise

2012年11月3日(土)
広島県 広島Cave-Be

2012年11月6日(火)
京都府 京都MOJO

2012年11月8日(木)
東京都 下北沢SHELTER

2012年11月12日(月)
東京都 渋谷CYCLONE

2012年11月13日(火)
新潟県 新潟RIVERST

2012年11月14日(水)
宮城県 仙台MACANA

2012年11月16日(金)
大阪府 心斎橋CLUB DROP

2012年11月17日(土)
東京都 渋谷O-WEST

2012年11月18日(日)
愛知県 名古屋ライブサーキット「GRAND LINE」

2012年11月22日(木)
兵庫県 神戸太陽と虎

2012年11月24日(土)
岡山県 岡山CRAZY MAMA 2nd ROOM

2012年11月25日(日)
愛媛県 新居浜JEANDOR

ROACH "OKINAMERICA" RELEASE PARTY!!FINAL SERIES

2012年11月30日(金)
大阪府 心斎橋CLUB DROP

2012年12月2日(日)
愛知県 名古屋UPSET

2012年12月5日(水)
東京都 渋谷CLUB QUATTRO

2012年12月15日(土)
沖縄県 桜坂セントラル

ROACH(ろーち)

プロフィール画像

沖縄在住のメタルコアバンドで、現在のメンバーはtaama(Vo)、くぼっち(G)、勝也(B)、Daisuke(Dr)の4人。ラウドで強じんなバンドサウンドと琉球音階の優しいメロディが結び付いた独自の音楽性で支持を集める。2003年の結成後、地元のライブハウスや米軍基地、基地周辺のバーで精力的にライブ活動を展開し、2006年から3年間にわたってMARVERICKと契約。その後「SUMMER SONIC」や「JACK IN THE BOX」といった大型イベントに次々出演し、2010年にはアメリカツアーを敢行した。2012年は2月に「No Reason in the Pit」、10月に「OKINAMERICA」という2枚のミニアルバムをリリース。