音楽ナタリー Power Push - RIZE

KenKen×石野卓球対談 ベースヒーローとテクノDJの共通点

8月23日でメジャーデビュー15周年を迎えるRIZEが、アニバーサリーイヤー突入を直前に控えて配信限定シングル「PARTY HOUSE」をリリースした。この曲はライブでの盛り上がり必至のアグレッシブなパーティチューン。さらにカップリングとして、石野卓球の手によってアシッドに生まれ変わった「NOTORIOUS」のリミックスも配信されている。

これを受けて今回の特集では、KenKen(B)と石野卓球による対談を実施。子供の頃から電気グルーヴに強い影響を受けていたというKenKenに卓球本人へ思いの丈をぶつけてもらいつつ、音楽ジャンルの異なる2組の共通点を探った。

取材・文 / 橋本尚平 撮影 / 佐藤類

話しかけてくれたのはKenKenと増子さんとガリガリガリクソンだけ

左から石野卓球、KenKen(B)。

KenKen 俺、電気グルーヴの「モノノケダンス」が日本の四つ打ちの中で一番好きな曲で、DJやるときも絶対かけるんです。卓球さんの作るキックの音が、俺が知ってる中で一番カッコいいと思う。

石野 ありがとう。うれしいな。

KenKen だから今回「リミックスを入れる」って話になったとき、やってもらうなら卓球さんしかいないって話になって。「一応言うだけ言ってみよう」って気持ちでお願いしたら、やっていただけることになって。

石野 ああ、光栄ですよ。

KenKen 完成したリミックスを聴くと、シンプルな曲なのに1個1個の音がものすごくいいからずっと聴いていられる。メンバーみんなで「いやー、さすがだね」って話をしてましたよ。最近の四つ打ちはガチャガチャしてたりキラキラしたものばかりだけど、これはすごくドープでカッコよかった。

──RIZEと電気グルーヴはもともと面識はあったんですか?

KenKen 俺が初めて卓球さんにお会いしたのは5~6年前かな? clubasiaでちょっとお話させてもらって。ちょうど「モノノケダンス」が出た直後くらいだったから、酔っ払って声かけて「あれホントにヤバいっす」って話をしてた記憶がある。

石野 ごめん全然覚えてない(笑)。俺、クラブでは酔ってるから会った人のことってまったく覚えてないの(笑)。

KenKen 俺も同じですから(笑)。こないだZeppの前でスーツ着たおじさんに声かけられて、Zeppの偉い人だと思ってしばらく敬語で挨拶してたんですけど、ただのダフ屋だった(笑)。

石野 JESSEくんと初めて話したときのことは覚えてる。サマソニの大阪のバックステージで差し入れに「ガリガリ君」を箱でもらったんだけど、冷蔵庫がなかったから溶けそうで、ちょうどJESSEくんが通りがかったから「RIZEくんRIZEくん、アイス食べるかい?」ってあげたんだよね(笑)。でもそのときイアン・マッカロク(Echo & the Bunnymen)を見つけて、「あ、ごめん! イアン・マッカロクがいるから!」って立ち去ったんで、JESSEくんとはそれ以上は話さなかったんだけど。イアン・マッカロクにも「ガリガリ君」あげようとしたら「ノー・サンキュー」だって(笑)。

KenKen ははは(笑)。じゃあ相当前ですね。俺がRIZEに入る前だと思う。

石野 そうか、電スチャ(電気グルーヴ×スチャダラパー)で出たときだから2005年くらいだもんね。

──やっぱりフェスのバックステージでは出演者同士で交流するものなんですか?

石野 いや全然。うちらは一切話しかけてもらえないんで。去年の「RADIO CRAZY」でも、話しかけてくれたのKenKenと増子(直純)さんとガリガリガリクソンだけだったし。なんのフェスだっけ? みんな楽屋がパーテーションで仕切られたところなのに、うちらだけ奥のほうの離れにあって、隔離病棟みたいにされててさ(笑)。

Mステで受けた「ここまでやっていいんだ!」という衝撃

──KenKenさんの中で電気グルーヴはどういう印象なんですか?

KenKen うちの兄(金子ノブアキ)が「ポンキッキーズ」にレギュラーで出てたから、瀧さんのことはずっと知ってました。電気グルーヴを意識したのは、小学生のときに「コジコジ」ってアニメのエンディングで「ポケット カウボーイ」を聴いて、シングルCDを買ったのが最初。それから後追いして、アルバムは1stから全部集めました。でも電気を聴き始めた頃はRIZEになるなんて思ってなかったから、今こうやって一緒にいるのがすごい不思議な感じ。「ミュージックステーション」で「Shangri-La」をやってたとき、バーン!って撃たれて血を噴いてたのがすごく衝撃的だった。「ここまでやっていいんだ!」って。

KenKen(B)

石野 やってダメなやつだよ(笑)。

KenKen 1回目のフジロック(1997年)にもライブ観に行きましたよ。たぶん小学校5年生くらいだと思う。

石野 台風のときの? あれに行ってたの? 小5で!?

KenKen そうそう、泥まみれになりながら。だから今回はリミックスしてもらえてホントにうれしいです。最近Dragon Ashのサポートをやってるんですけど、ドラムのサクちゃん(桜井誠)が電気グルーヴが大好きで。サクちゃんも四つ打ちのDJをよくやるんだけど、すごく電気に影響受けてる。電気の話はいつもサクちゃんとしてますね。

石野 最近、瀧の甥っ子がドラマーになりたいっつって、瀧に相談してきたんだって。それで甥っ子が東京に遊びに来たときに、「じゃあ、近所にプロのドラマーがいるからちょっと呼んできて話を聞かせてやる」って、サクが呼び出されて。「プロのドラマーというものは」みたいな話を瀧の甥っ子の前でさせられたって言ってた(笑)。

RIZE 配信限定シングル「PARTY HOUSE」iTunes Storeにて配信中 / TENSAIBAKA RECORDS
RIZE 配信限定シングル「PARTY HOUSE」
収録内容
  1. PARTY HOUSE
  2. NOTORIOUS Takkyu Ishino's Acid Sucker Mix
  3. PARTY HOUSE(Music Video)
  4. PARTY HOUSE(MV making movie)
RIZE(ライズ)

RIZE

幼なじみのJESSE(Vo, G)と金子ノブアキ(Dr)を中心に、1996年に結成されたロックバンド。2000年8月にシングル「カミナリ」でメジャーデビュー。楽曲に込められた圧倒的な熱量とバンドの姿勢が支持を集め、多くのリスナーを獲得した。以降、怒濤のライブツアーを繰り返し、全米ツアー、アジアツアーを成功させるなど、ワールドワイドに活躍の場を広げている。2006年3月に金子の実弟・KenKenがベーシストとして加入。その後もRIZEとしての活動を精力的に展開しつつ、JESSEはThe BONEZのボーカル&ギター、金子はソロワークや俳優活動、KenKenはDragon Ashなどさまざまなバンドのサポートメンバーとしても活躍。2014年10月には「LOVEHATE」、2015年7月には「PARTY HOUSE」をそれぞれ配信限定シングルとしてリリースした。2015年9月からは1年ぶりの全国ツアーの開催を予定している。

石野卓球(イシノタッキュウ)

石野卓球

1967年生まれのDJ / プロデューサー / リミキサー。インディーズバンド・人生を経て、1989年にピエール瀧らと電気グルーヴを結成。1995年には初のソロアルバム「DOVE LOVES DUB」をリリースし、この頃から本格的にDJとしての活動も開始する。1990年代後半からはヨーロッパを中心に、海外での活動も積極的に展開。1998年にはベルリンで行われたテクノ最大の野外フェス「Love Parade」のファイナルギャザリングで150万人を前にプレイした。また、1999年からは日本最大級の屋内テクノフェスティバル「WIRE」を主宰。2006年には川辺ヒロシ(TOKYO No.1 SOUL SET)と新ユニット・InKを結成した。2010年に約6年ぶりのオリジナル作品であるミニアルバム「CRUISE」を発表。2012年には、1999年から2011年までに「WIRE COMPILATION」に提供した楽曲を集めたDISC 1と、未発表音源などをコンパイルしたDISC 2からなる2枚組アルバム「WIRE TRAX 1999-2012」をリリースした。