KTとのコラボは「絶対に逃さない！」

──両A面のもう一方は、全英語詞のポジティブなナンバー「Sun Comes Up」。映画「プラダを着た悪魔」の主題歌「Suddenly I See」でグラミー賞ポップ・ボーカリストにもノミネートされたKTタンストールのプロデュース作品で、このコラボは以前より親交のあったKTからのオファーによって実現したと聞きました。

これも、ものすごい自分の引き寄せ運を感じます。出会いは3年くらい前のKTの来日公演で、ライブを観たあとにご挨拶させていただいたんです。そこからちょこちょこTwitterでやり取りを重ねて、いろいろお話しする中で、KTのほうから「一緒に曲を作ろうよ」と誘ってくださったんです。もしかしたらKTはわりと軽い感じのノリだったかもしれないんですけど、私は「チャンスは逃さない！」って思って（笑）。KTに「本当にやりたいので何がなんでも実現させます。いつでもそちらに行けます！」みたいな熱いメールを送ったら、向こうがすぐスケジュールを出してくれて、2月にロサンゼルスへ飛んで制作をしたんです。

──自分から新しい世界を見に行こうとしたんですね。

「私、止められないです！」って感じで、周りのスタッフさんには「自腹でも行きます」って宣言したくらい（笑）。あと渡米前、とにかくやる気を見せないといけないと思って事前に10曲ほど作ってKTに送ったんです。その中の1曲が今回の「Sun Comes Up」なんですけど、なんとKTも曲を作って待っててくれてて。本当にビックリしたし、感激しました。多保さんが私の伸びしろをたくさん見せてくれたとしたら、KTは逆に私がもともと持つ素質や素材を最大限に開放してくれた感じ。まったく違う作り方だったんですけど、どちらも自分にとってすごく大切な時間でした。

──「Sun Comes Up」のミュージックビデオではロサンゼルス滞在中の様子がドキュメンタリータッチで押さえられていますが、Rihwaさんは最後、泣いていましたね。

KTのオシャレな自宅兼スタジオでとても楽しく制作ができたし、リビングのソファでギターを弾きながら……みたいな、すごくリラックスしたセッションみたいなのもあって。さらにはKTと親交のあるMaroon 5のギタリスト、ジェイムス・ヴァレンタインも一緒に歌詞を考えたり、演奏に参加してくれたんですよ。全ての繋がりや出来事が本当にうれしくて、お別れのときはボロボロ泣いちゃいました。

いろんな奇跡を引き寄せてくれたシングル

──改めて、今回の2曲が完成してみていかがですか？

両方とも作られた過程が似てて。ほんのちょっと踏み出した勇気や、人生を自分で動かしたことによって見られた景色を落とし込めていると思うので、私の人生そのものを写したようなシングルなのかなって。すごく自分らしい1枚になりました。

──自分の軸にあるものが投影されている？

そうですね。今までの楽曲も自分の中にあるものを出してきた感じだったんですけど、今回はどちらかというと自分の人生をパッと遠くから切り取ったような。ちょっと俯瞰から見て、「私の人生ってこんな感じなのかな」っていう1枚になった気がします。それは新しい出会いだったり、仲間たちと面白いものを作っていくっていう姿勢だったり……。全ては自分の信じているものや勇気が大事で、そういうのがいろんな奇跡を引き寄せてくれた結果、生まれた作品だと思います。