心を「ほどく」助けになれば

──では最後に13年を経て完成した「ほどく」に込めた思いと、ファンへのメッセージをお願いします。

MONCH　僕は、RAM WIREの歌が少しでも誰かのためになってくれることが願いなんです。だからどんな形でもいいから、人から人に伝染していくというか、広まってくれたらいいなと思ってます。

RYLL　明日が来るのが不安な人や、つらいことがあって眠れない人はけっこうたくさんいると思うんですけど、そんな人たちを少しでも安心させてあげたい。思い悩む夜は誰にでもあるし、1人じゃないって伝えたい。強く生きようって思ってほしいんです。心を「ほどく」ための助けに、少しでもこのアルバムがなればいいなと思ってます。

──「ほどく」というのは、そういう意味が込められてるんですね。

ユーズ　はい。仕事とか進路とか夢とか、考えることがたくさんある日常の中で、心がこんがらがっちゃうことがすごく多いと思うんですよ。それが少しでもほどければいいなって。RAM WIREの「WIRE」は「つながる」「結ぶ」という意味なので、実はそれと対極の言葉なんです。でも絆が結ばれることで、心が解かれることもあると思ったんですよ。

RYLL　Twitterでの反応を見ていても「イヤなことがあったからRAM WIRE聴こう」とか「RAM WIREを聴いたから明日もがんばれそう」って言ってくれる人が多いんです。だから自分たちの役割は“ほぐす”ことなんだなと最近改めて思っていて。

ユーズ　私個人としては、今回のアルバムは特に「きぼうのうた」をぜひ聴いてほしいんです。これは2年も経った今さらなんだけど、震災のときに作った曲で。あんなに大変なことが起こって、たくさんの人が大切な人を失って、私は何が希望なのかわからなくなっちゃった。でも、なんとかしてこの思いを歌にしたくて、絞り出すように曲を書いたときに、「元気になってほしいと思える人がいる」ことが、希望なんだって気付いた。もちろん被災地の方たちは心からそう思える人を亡くしていて、今はまだ希望なんて言えないかもしれない。でも残された人たち同士、痛みを抱えた人たち同士でも、希望になりえるはずだし、希望が見つかることを信じたいんです。何年後になるのかわからないけど、いつか心から笑える日がくることを信じたい。私たちなんかの歌が役に立てるかわからないけど、この曲を聴いて、ほんの少しでも願いが伝わればいいなって。今までずっとあがいてきた私たちだけど、最後に希望を歌いたいという思いも込めて、収録しました。

──なるほど、最後に素敵な話をありがとうございます。

ユーズ　いえいえ、ふざけてばっかりですいませんでした。

MONCH　次はもっと真面目にやろうね！