ナタリー PowerPush - RAM WIRE
実体験凝縮! 初の直球ラブソング「あいだじゅう」
活動13年目にして初のフルアルバム「ほどく」からおよそ4カ月――RAM WIREがニューシングル「あいだじゅう」をリリースした。「泣ける」「癒される」と評されることの多いRAM WIREにとって、「あいだじゅう」は意外にも初となる直球のラブソング。幸せとは何か? 愛するとは何か?という普遍的なテーマに対して、メンバーの率直な言葉がつづられた渾身の1曲だ。
そこで、ナタリーではRAM WIREの3人にインタビューを行い、「あいだじゅう」の制作にも影響した過去の恋愛について赤裸々に語ってもらった。とことん仲がよく、取材中のコンビネーションもばっちりな3人の雰囲気も楽しんでほしい。
取材・文 / 田島太陽 インタビュー撮影 / 佐藤類
痛い思いした記憶がたくさん
──今回のシングル「あいだじゅう」は、ライブではおなじみのナンバーですね。曲を作ったのはいつ頃なんですか?
ユーズ(Vo) 2年前くらい前かな?
MONCH(Vo) そうだね、けっこう前だよね。
──それがなぜ、今のタイミングでリリースになったんでしょう?
ユーズ アルバムを出していろんな曲を聴いてもらったあとに、ここらでガツンと、違う一面をっていうことですね。
MONCH 今までは人生ソングが多かったからね。
ユーズ そうそう、直球のラブソングって珍しいんですよ。
MONCH 「秘密」も恋愛だったけど、ちょっとひねってたから。
RYLL(Trackmaker) 直球な曲も作ってはいるんですけど、出すタイミングがなかったんです。「あいだじゅう」はライブでの反応がよかったし、これならいけるんじゃないかっていう思いもあって。
──作ったときの心境は覚えてますか?
ユーズ 当時お付き合いしていた方がいまして、いろいろ考えるところもあり。
MONCH えっ、どんなどんな!?
ユーズ やっぱり大人になると、怖くなってくるじゃないですか。本気になるほどひるむというか。「好き好き!」っていう気持ちだけではいられないし、そういう大人のラブソングが作りたかったんです。
RYLL 人生が絡んでくるからね、この年の恋愛って。
ユーズ そうそう、軽い気持ちでは付き合えないし、お互いに覚悟がいるよね。
──「臆病に記憶がジャマをしても」といった歌詞は、若い人からは出てこないなと思います。
ユーズ はい、痛い思いした記憶がたくさんあるんですよ(笑)。それでも自分の中で大事だと思える人を見つけたからには、過去の失敗を繰り返したくないし、生きていく「あいだじゅう」大切にしていきたいなって思ったんです。
──この作品は恋愛をテーマに作ると決めて、ユーズさんとMONCHさん同時に歌詞を書き始めたんですか?
MONCH そうですね。お互いの実体験に基づいて書こうって話だけして。
RYLL 2人の歌詞を見て「リアルなの書いたなー」って驚きましたよ。今も、実体験って言っちゃってたけど。
MONCH 言っちゃったね(笑)。まあ、生きてるといろいろありますからね。
ようやく本心で歌詞を書けるようになった
──MONCHさんのパートでは「はじめは曖昧な関係」という歌詞が出てきますが……。
ユーズ やっぱりそこ気になるよね。
RYLL 実体験だからね。
MONCH いや、そりゃ曖昧なこともありますよね? なんとなく始まって、1人に決められない優柔不断さっていうかさ。男ってそういうダメなところあるじゃん? ……いや、やめよう。今の発言はカットでお願いします!
ユーズ なんでよ! いいじゃーん!
RYLL なに今さら恥ずかしがってんの!
──使わせていただきます(笑)。
MONCH わはははっ(笑)。でも最近はようやく本心で歌詞を書けるようになって、もう飾らなくていいやって思うようになったんですよ。
──昔は本心は書けなかった?
MONCH やっぱりカッコよく見せたいですから。でも年も取ったし、ありのままでいいかなってやっと思えるようになって。そのほうがきっと、聴いてくれる人も共感できると思うし。
ユーズ 私はMONCHの歌詞を読んで、らしいなって思ったんですよ。「頼れる男でありたい」とか。
MONCH 俺もユーズらしいなと思ったよ、「ありがとう、ごめんなさい」とか。
ユーズ そうなんだ?
MONCH 普段からよく言うじゃん。
ユーズ 当たり前のことだけど見失いがちというか、なかなか口に出せない大事なことってあると思うんです。それをちゃんと伝えることが、生きていく「あいだじゅう」一緒にいられることにつながるのかなって。
MONCH これを聴いた人が、ちょっとでも「彼女を大事にしよう!」とか「頼れる男になろう!」って行動に移してくれたりしたら、すっごいうれしいですよね。
- ニューシングル「あいだじゅう」/ 2013年8月21日発売 / Sony Music Associated Records
- 「あいだじゅう」
- 「あいだじゅう」初回生産限定盤 [CD+DVD] 1365円 / AICL-2563~4
- 「あいだじゅう」通常盤[CD] 1223円 / AICL-2565
CD収録曲
- あいだじゅう
- 地球の夜
- 役立たず
- 何度も ~映画「江ノ島プリズム」ver.~
初回生産限定盤DVD収録内容
- あいだじゅう music video
- あいだじゅう making
ライブ情報
RAM WIRE TOUR 2013「ほどく」
- 2013年8月25日(日)北海道 札幌COLONY
※SOLD OUT - 2013年8月30日(金)大阪府 OSAKA RUIDO
※SOLD OUT - 2013年8月31日(土)福岡県 福岡ROOMS
※SOLD OUT - 2013年9月7日(土)愛知県 名古屋ell.SIZE
※SOLD OUT - 2013年9月15日(日)東京都 WWW
※SOLD OUT
RAM WIRE (らむわいやー)
ユーズ(Vo)、MONCH(Vo)、RYLL(Trackmaker)の3人からなるユニット。2001年、千葉のクラブを拠点にユーズとMONCHの2人で活動を開始し、2005年よりRYLLが加入する。その後はライブや自主制作盤のリリースなどを中心として活動を展開。2008年にはRAM WIREと並行してトラック制作を続けていたRYLLの楽曲が、Spontania feat. JUJUのシングル「君のすべてに」としてリリースされる。これがきっかけとなりRAM WIREも大きな注目を集め、2010年にミニアルバム「Beautiful World」でメジャーデビューを果たす。2011年9月リリースのシングル「歩み」は映画「僕たちは世界を変えることができない。But, we wanna build a school in Cambodia.」の主題歌に採用されてスマッシュヒットを記録した。2012年6月、ミニアルバム「名もない毎日」を発表。タイトル曲のビデオクリップはお笑い芸人・鉄拳によるパラパラマンガで構成され、話題を呼んだ。2013年に入ってからは、2月に3rdシングル「何度も」、5月に1stフルアルバム「ほどく」、8月に4thシングル「あいだじゅう」をリリースした。