ナタリー PowerPush - RAM WIRE
暴露話だらけ! 苦節13年の舞台裏トーク
ようやく1つ夢が叶った
──そんな歴史を経て、ようやくデビューできたときの心境は?
MONCH もう30歳手前だったし、手放しで喜べる状況じゃなかったですよね。
RYLL 僕も、ほっとしたというのが正直なところで、やっとスタートラインに立てたなと。現実も知っていたし、デビューしたから簡単に売れるとは思ってなかったから、これからさらにがんばらないとっていう気持ちですね。
MONCH ただ、お店にCDが並んだときはうれしかった。僕は昔タワーレコードでバイトをしていて、CDの陳列をしながら「自分たちの作品もこうやって並ぶのかな」って思ってたんです。だから、ようやく1つ夢が叶ったんだなって思って。
──ちなみに、曲作りでぶつかったりケンカすることもあるんですか?
RYLL 僕とユーズはありますね。よりよいものにしたい思いは一緒なので。まあ、ユーズは譲らないです。
ユーズ えー、あんたも譲らないよ!
RYLL いや、最終的には俺が折れるね。
ユーズ うそー! そんなことないよー!
MONCH ごめん、客観的に見てる俺からすると、ユーズは絶対に折れない。
ユーズ えー、そうかなぁ?
RAM WIREの魅力は人柄
──普段の曲作りはどう進めてるんですか?
RYLL まずはトラックを作ってユーズに渡して、歌を乗せて返してもらう感じですね。でも僕、もとはユーズのトラックに憧れてたから、技を盗んでやろうくらいに思ってたんですよ。一緒に二人三脚で作りたかったのに、僕が入ってからユーズぜんぜん作らなくなった。
──サボり始めた!?
ユーズ 違う違う! RYLLの曲は本当にすごいんですよ! だからやる気なくしちゃって。
RYLL 面倒になっただけでしょ?
ユーズ あははははっ!(笑) でも歌詞に力を入れるようになりましたよ、その分。
──歌詞に関しては、決して前向きではなくて、悩んでいる状態をそのまま書かれてますよね。
MONCH それが僕ららしさなんだと思うんです。自分だったら「がんばろうよ!」って一方的に励まされても共感できないなって。
RYLL 「大丈夫だよ!」って言うタイプではないんですよ。特にユーズは感受性が強くて何にでも影響されるし、人間としてはダメなんだけど……。
ユーズ えっ、ヒドくないっ?
MONCH いや、それなのにあの詞を書けるのがすごいんだよ。そのギャップが。
RYLL そうそう。歌詞へのストイックさはすごい。言葉選びのセンスや表現力はいつも驚かされるし、リスペクトしてますね。
──ではトラックメイカーであるRYLLさんから見て、RAM WIREの魅力はなんだと思いますか?
RYLL 人柄ですね。2人は落ち込んでいる人を引っ張り上げるわけでも、押し上げるわけでもなくて、横で一緒に手を添えて「行こうか」って言う人なんです。ミュージシャンにはあまりいないタイプだと思うんですよ。
MONCH 山登りに疲れてる人がいたら、横に座って水を差し出す、みたいなね。
ユーズ うーん、それはよくわかんない。
MONCH えっ!
RYLL 上から差す太陽というより、横から差す夕日みたいなね。
ユーズ うん、まあそうだね。
MONCH え、そのほうがわかりづらくない!?
まずは警備員さんに覚えてもらいたい!
──メジャーデビュー、そして念願のアルバムリリースも果たして、次の目標はなんでしょうか?
MONCH やっぱり一歩ずつ、地道にやるしかないと思ってるんです。だから目標はZeppでライブすることですね。
ユーズ 現実的な規模だね(笑)。
RYLL 専門学校でライブさせてもらったときも、この話をしたんですよ。生徒さんたちに向かって「夢は大きく持とう! 俺たちもZepp目指すから!」って。いやいや、そこは武道館にしようよと(笑)。
MONCH 謙虚さは大事だし、Zeppをナメちゃいかんよ!
ユーズ そりゃそうだけどさ。
RYLL まあ続けることしかできなくて、今があるんですよ。周りの人たちが応援してくれるから辞めずにいられたし、1人でも僕たちの曲を必要としてくれる人がいる限りは続けていたいですよね。
──ちなみにRAM WIREと言えば鉄拳さんのPV(「名もない毎日」)や、俳優の松坂桃李さんがオススメしたことで話題になった「歩み」などが知られていますよね。ただ、曲の知名度に比べてRAM WIREという存在を知っている人はまだ意外と少ないのかなと思うんです。
MONCH はい、その通りですね。
RYLL この前地方の学校にライブをしに行ったときも、すごい盛り上がってくれたんですけど、「キャー! 誰ー!?」って言われて(笑)。
ユーズ あはははっ(笑)、そうだったね。
──そういった状況は、皆さんとしてはどうなんですか。もっと知名度を上げたいと思うのか、それとも曲を聴いてくれればいいのか。
ユーズ 正直に言えば、もうちょっと……ね。ソニーに来るときも、入口で警備員に止められるんですよ。
RYLL 毎回挑戦するけど、いつも止められちゃう。
MONCH 今日もダメだったね。
ユーズ だからまずは警備員さんに覚えてもらいたい!
──そこからですか(笑)。
RYLL 逆にどうしたらいいんですかね、覚えてもらうためには。
MONCH 俺を見ろ! みたいな感じはないんだよね。
RYLL 「RAM WIREですよね」って声かけてくれた人には、100円あげるとかやる?
ユーズ それはいいね!
- ニューアルバム「ほどく」 / 2013年5月1日発売 / Sony Music Associated Records
- 初回限定盤[CD+DVD] 3780円 / AICL-2470~1
- 通常盤[CD] 3059円 / AICL-2472
CD収録曲
- 何度も
- Stand Alone
- Beautiful World
- 歩み
- 大丈夫、僕ら
- 秘密
- Vitalis
- 蕾よいつか花となれ
- PRESENT
- ALIVE
- わたしあうもの
- 名もない毎日
- きぼうのうた
初回限定盤DVD収録内容
- Beautiful World Music Video
- 秘密 Music Video
- 歩み Music Video
- 名もない毎日 Music Video
- 大丈夫、僕ら Music Video
- 何度も Music Video
RAM WIRE「ほどく」発売記念 全国インストアイベントサーキット開催!
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RAM WIRE(らむわいやー)
ユーズ(Vo)、MONCH(Vo)、RYLL(Trackmaker)の3人からなるユニット。2001年、千葉のクラブを拠点にユーズとMONCHの2人で活動を開始し、2005年よりRYLLが加入する。その後はライブや自主制作盤のリリースなどを中心として活動を展開。2008年にはRAM WIREと並行してトラック制作を続けていたRYLLの楽曲が、Spontania feat. JUJUのシングル「君のすべてに」としてリリースされる。これがきっかけとなりRAM WIREも大きな注目を集め、2010年にミニアルバム「Beautiful World」でメジャーデビューを果たす。2011年9月リリースのシングル「歩み」は映画「僕たちは世界を変えることができない。But, we wanna build a school in Cambodia.」の主題歌に起用されてスマッシュヒットを記録した。2012年6月、ミニアルバム「名もない毎日」を発表。タイトル曲のビデオクリップはお笑い芸人・鉄拳によるパラパラマンガで構成され、話題を呼んだ。2013年2月には3rdシングル「何度も」を、同年5月に1stフルアルバム「ほどく」をリリースした。