音楽ナタリー Power Push - RYOJI(POTSHOT)×猪狩秀平(HEY-SMITH)
2世代スカパンクフロントマンが語る“DO IT AGAIN”
ひさしぶりのライブ活動
──今ちょっとお話にも出ましたけど、HEY-SMITHも去年の9月から実質活動休止状態になっていて。新メンバーが加入して、夏から活動を再開しました(参照:HEY-SMITH新メンバー決定、7月よりライブも)。ひさしぶりにライブをしてみた感想を教えてください。
猪狩 緊張しました。まだ緊張してます。
RYOJI え、前は緊張してなかったの?
猪狩 まったくですね。SE始まってるのに、対バンの人らと「あそこのラーメンおいしいっすよね」とか普通にしゃべってて、「ちょっと行きますね」ってライブやって、ライブ終わって第一声が「いや、あそこのほうがうまいっすよ」みたいな。でも今は「ちょっと俺にしゃべりかけないでくれ」って感じになっちゃってますね。
RYOJI ね、そうだったよね、この間、一緒だったとき。野球のイチローじゃないけど、ステージ立つ前にこれとこれとこれをやるって決めてるんだなあ、気持ち作ってやってんだなあって思った。
猪狩 今なんかそうなっちゃってますね。
RYOJI まあ、いいんじゃないですか。
猪狩 なんかねえ、腕ガチガチになって失敗するんすよ。
RYOJI じゃあやっぱラーメン屋の話する?(笑)
──RYOJIさんはひさしぶりにPOTSHOTとしてライブをやってどうですか?
RYOJI すげえ疲れるんですよ。緊張してないつもりなんですけど、プレッシャーなりストレスなりがやっぱかかるんですかね。それで疲れます。でもね、何本かやって、結局お客さんに助けられちゃうっていうか。お客さんがすごい笑顔で楽しんでくれてるのを見ちゃうと、もうなんかいいやっていう。
猪狩 確かにね。お客さんすごいっすよね。今初めてに近いぐらい、すごく感謝してますもん。
RYOJI おお。感謝の心を忘れたらあかんでえ。
猪狩 ねえ。今まで自分以外のためにやる音楽とか一切なかったんですよ。誰かのためとかそういうのよくわからないタイプで。今になってすごい感謝してます。
RYOJI じゃあよかったね。
猪狩 ちゃんと気付きましたね。でももう1回、自分のためにやりたいんですけどね。
HEY-SMITHキュレーターの「Bowline」
──10月12日にはHEY-SMITHがキュレーターを務めるライブイベント「Bowline」に、HEY-SMITHの会いたい人ということでPOTSHOTが呼ばれています。
猪狩 「RUSH BALL」でやってるのを観て「やるんや!」と思って。その1本だけやと思ったら、今年2本ぐらいのフェスに出演発表があったから「え、これ、今年やる感じ? それなら……」と連絡してみたという感じです。当日、俺はスーパー青春に戻ると思います。
RYOJI 超アウェイだったら嫌だなあ。
猪狩 大丈夫です。絶対大丈夫です。
RYOJI じゃあよく言っといてくださいね、皆さんに。
猪狩 あはははは(笑)。大丈夫ですよ。楽しみやなあ。ほんまに聴きたい曲いっぱいなんでできるだけやってほしいですね。
RYOJI いや、言ってもらってもそんなにやれないですから。
猪狩 あ、リクエストしてもいいんすか?
RYOJI 受け付けてませんよ(笑)。じゃあ一緒にやります?
猪狩 ええー! いやいやいやいや。俺は一緒にやれるならやりたいですけど、普通に観たいっすねえ。PAブースの前ぐらいで。
RYOJI ちなみにリクエストは何?
猪狩 あとでメールしていいですか?
RYOJI やれる曲とやれない曲が……(笑)。
猪狩 そうですよね。だから数曲送るんで、その中から選抜してください(笑)。
RYOJI わかりました。
猪狩による妄想POTSHOT
──最後にこの機会にお互い聞きたいことや言いたいことがあれば。
猪狩 じゃあ……社交辞令なしで、RYOJIさんにHEY-SMITHはどんなふうに映ってるんですか?
RYOJI カッコいいなあって。
猪狩 マジっすか?
RYOJI うん。自分が好きなのを全部入れてやってるってさっき言ってたでしょ。それを思ってるだけじゃなくて、実際にやれちゃう感じがいいよね。センスとかテクとかもあるんだろうなって。それはもうカッコよくてうらやましいです。
猪狩 マジすか。うれしい話ですなあ。
RYOJI だからがんばって、このままやってってください。で、また「Bowline」みたいにライブにたまに呼んでください。……あ、でもそうするとバンドをやんなきゃいけないから……観に行きます(笑)。
猪狩 いやいや、やめてくださいよ。またCD出してほしいし。だって今、再結成したKEMURIはすごく精力的に活動してますよ。
RYOJI KEMURIに任せた!
猪狩 あはははは(笑)。昨日家で「DO IT AGAIN WITH POTSHOT」を聴いて「俺がRYOJIさんやったら……」って勝手にPOTSHOTの曲書いてたんですよ。
RYOJI 妄想POTSHOTだ。でもたぶんねえ、それ俺らじゃ演奏できないと思うから、演奏ももうHEY-SMITHでやってもらって。歌も歌ってもらったほうがいいかなー。「ウオー」だけ入れにいくよ(笑)。
- POTSHOT ミニアルバム「DO IT AGAIN WITH POTSHOT」2015年10月7日発売 / 1512円 / TV-FREAK RECORDS / UK.PROJECT / TV-120
- 「DO IT AGAIN WITH POTSHOT」 / Amazon.co.jp
収録曲
- Fight Together
- Start From Today
- Every Dawn(2015 version)
- I Can(2015 version)
- I Wanna Be With You(SUMMER 2015)
- HAPPY HOUSE(オリジナル:SHEENA & THE ROKKETS)
POTSHOT 20th Anniversary Tour Final
- 2015年11月22日(日)京都府 磔磔
- 2015年11月23日(月・祝)愛知県 APOLLO BASE
- 2015年11月28日(土)東京都 LIQUIDROOM
TOWER RECORDS presents Bowline 2015 curated by HEY-SMITH & TOWER RECORDS
- 2015年10月12日(月・祝)大阪府 Zepp Namba
OPEN 12:30 / START 13:30 - <出演者>
HEY-SMITH / グッドモーニングアメリカ / DUB 4 REASON / PUFFY / POTSHOT / LIFE IS GROOVE / Crossfaith
W STUDIO RED opening ceremonies “SAY GO!!”vol.2
- 2015年10月16日(金)愛媛県 Wstudio RED
- <出演者>
POTSHOT / 10-FEET
POTSHOT(ポットショット)
RYOJI(Vo)、CHUCKY(Trombone)、SATOSHI(G)、KOBAYASHI(Dr)、MITCHY(Tp)、ICHIKAWA(B)からなる“多分日本で3番目に結成された”スカパンクバンド。1997年に1stアルバム「POT'S&SHOT'S」を日米でリリースすると、一気にシーンの最前線に上り詰める。2000年リリースの4thアルバム「POTSHOT a GOGO」ではオリコン週間ランキングで最高7位を記録するほどの人気を集めていたが、2005年に解散を発表した。その後2007年12月の「KEMURI EXTRA SHOW with DO THE SKA!!」、2013年8月の「UKFC on the Road 2013」、同年8月の「RUSH BALL 15th」、2014年3月「NO MATTER LIVE Special」でそれぞれ再結成を果たす。バンドの結成20周年となる2015年に、年内限定で活動を再開。同年10月に新作CD「DO IT AGAIN WITH POTSHOT」をリリースし、11月に“2度目の解散ライブ”となるワンマンライブを行う。
HEY-SMITH(ヘイスミス)
猪狩秀平(G, Vo)を中心に結成されたパンクバンド。2006年に大阪を拠点にライブ活動を開始し、2009年に1stミニアルバム「Proud and Loud」でCDデビュー。2010年の1stフルアルバム「14 -Fourteen-」を経て2011年にリリースした2ndフルアルバム「Free Your Mind」はオリコン週間インディーズランキングで1位を記録する。2012年には「FUJI ROCK FESTIVAL '12」「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2012 in EZO」といったフェスに参加したほか、coldrain、SiMとのパッケージツアー「TRIPLE AXE TOUR 2012」を開催した。2013年5月、2年ぶりのフルアルバム「Now Album」を発表し47都道府県を回るレコ発ツアーを大成功に収める。2010年より自主企画イベント「OSAKA HAZIKETEMAZARE FESTIVAL」を主催しており、2014年9月には大阪・泉大津フェニックスにて初の野外開催を成功させた。2015年1月に同イベントの模様を収録したDVD「Live at OSAKA HAZIKETEMAZARE FESTIVAL 2014」をリリース。メンバーチェンジを経て、現在は猪狩秀平、YUJI(B, Vo)、満(Sax)、Task-n(Dr)にサポートメンバーを加えた編成で活動を行っている。