シングルっぽい曲を狙って作れるなら作ってるわ（笑）

──そして、今作は約2年ぶりのニューアルバムになりますよね。その間に女性ベーシストのJunkoさんが加入し、新体制になりました。

Takayuki　ベースが抜けた後、新しいメンバーを急いで探そうと思わなかったんですよ。僕もベースは弾けるので、ベース脱退後のライブは、僕がベース兼ボーカルの4人組で対応していたんです。ただ、僕はその体制でやっていくつもりはなかったし、ハンドマイクで歌いたいと思っていたけど……なかなかいい人が見つからなくて。だからずっと曲作りしてました。

Maiko　そのうちにJunkoと出会ったんですよ。

Junko（B）　一緒に音を合わせたときは、純粋にすごく楽しかったです。初めて聴いた音源が今回のアルバムに入る楽曲で、ポップパンクと聞いていたけど、実際に聴いたら結構ロック寄りのイメージがあったんですよ。それで前のアルバムを聴かせてもらったら、そっちはポップパンクだなと思って。最初にロックっぽい印象を受けたからすぐに入り込めたし、それからほかの曲もいいなと感じられて。

──そうなんですね。で、今作にはこの2年間で作りためた楽曲を入れたんですか？

Takayuki　そうですね。とりあえず曲をためました。毎月2～3曲プリプロしてたけど、シングルっぽい曲がないと言われて。でも自分たちでは狙って作れるものじゃないし、狙って作れるなら作ってるわと思って（笑）。自分たちがいいと思う曲を作り続けました。20曲ぐらいたまって、今年やっとレコーディングが決まったんですよ。その期間、モチベーションを保つのが大変でした。レコーディングいつやねん！と思ってましたから。ホンマ落ちかけたときはありましたね。録る曲が決まったのもレコーディング直前ですから（笑）。今回のアルバムは言うたら、有名なレーベルから出るわけじゃないですか。でも日本語の曲を作ってほしいとか速い曲を作ってくれとかって言われることもなかったので、気は楽でした。

ブライアン・マクターナンがいたことでメロディが引き立つ曲になった

──これまでポップパンクの範疇にあった音楽を鳴らしていたとするなら、今作はロックやポップスだったり、ひとつのジャンルに縛られない普遍性のあるメロディが増えましたよね。

Ebi　全曲テンポが下がったから難しいんですよね。

Maiko　昔の曲をやると速すぎて、しんどいんですよねえ（笑）。

──このバンドの音楽の根底にある、メロディを聴かせる方向にシフトしたのでは？

Takayuki　それを意識したわけじゃないけど、たまたまできた曲がそうなったという。

Maiko　プロデューサーのブライアン・マクターナンが曲の構成をちょこちょこ変えてくれたから、それがメロディを引き立たせる方向に働いたのかも。

──今、ポップパンクをやってる意識はあります？

Takayuki　僕はないっすね。ポップパンクはめちゃ好きですけど、この5人で音を出せば、こういう音になりますからね。"節"と言いますか……僕が曲を持っていくんですけど、みんながいい意味でそれを壊してくれて、POP DISASTERの音になる。