「ポッキー音楽祭」3組のメンバー × アイナ・ジ・エンド、CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN、[Alexandros]|音楽でつながった配信番組 インタビュー&収録レポート

[Alexandros]

インタビュー

[Alexandros]×Apatite 番組配信
2024年11月25日(月)19:00スタート

パッション重視の「Backseat」

──ポッキーのCMに書き下ろされた「Backseat」の制作は、どのように始まったんでしょうか。

川上洋平(Vo, G) メンバーでスタジオに入ってアテもなく曲作りをする、というやり方を去年ぐらいから取り入れていまして。「こういう曲を作ろう」じゃなくて、とにかくみんなで音を鳴らすっていう。「Backseat」はその流れでできた曲ですね。それと同時期にCMの話をいただいて、候補はいくつかあったんですけど、この曲が一番合うかなと思いました。

磯部寛之(B, Cho) そこは直感でしたね。具体的に「どこがどうポッキーに合う」と言語化できる理屈というよりは、インスピレーションに近い。洋平が持ってきたメロディをバンドが吸収して音を出していったときに、ストレートでまとまりがよかったから、なんとなくポッキーのイメージに合うと思ったんです。

[Alexandros]

[Alexandros]

──まさに計算ではなくパッションを重視した楽曲のように感じました。それがポッキーの“まっすぐ感”にすごくフィットしているなと。

リアド偉武(Dr) うん、感情やパッションを大事にする作り方がこの曲には合ってましたね。レコーディングのとき、俺は「ここはこうしたほうがいいかな」と計算して臨んだんですけど、いざやってみたら「やっぱちょっと違うな」と(笑)。

白井眞輝(G) そういう計算みたいなものって、感性だけで進めていく中で行き詰まったときに出すくらいでちょうどいいんです。救急箱みたいなもんで、なくて済むならそのほうがいい。

川上 まさに感性の話で、「Backseat」のイントロのコードがBなんですね。ギターでBをジャーンと弾くと華々しい雰囲気になるけど、そこに6弦の開放(E音)を足すことで哀愁やもの悲しさがまぶされた印象になる。そのコードをイントロの途中で使うことを思いついた瞬間に「失恋を歌ったこの曲にハマる」と直感が働いて、「いいね! イケる!」となりました。

“心底バンド好き”なApatiteに共鳴

──さらに高校生バンド・Apatiteの曲作りに皆さんがアドバイスを送る企画も行われました。

[Alexandros]

Apatiteと[Alexandros]。

川上 彼らは曲を作るのが初めてだと言っていて。それであれだけちゃんとした曲ができるのは素晴らしいなと思いました。

磯部 初めて作る曲って、それまでの音楽人生の集大成になるんですよ。その“集大成感”が本当ににじみ出ていて……なんか、俺が入ったばかりの頃の[Champagne]([Alexandros]改名前のバンド名)と似たものをちょっと感じました。

白井 確かに! 作りたい曲のイメージが頭の中にあふれてるけど、アウトプットの手段がまだ確立されていないジレンマみたいなものをすごく感じて、洋平も最初の頃はそうだったなって(笑)。

川上 バンドマンって基本みんなそうなんですよ。「うちらもそうだったな」と思うところがたくさんあったし、彼らも俺らと同じように心底バンドが好きなことが伝わってきました。そこに年齢も経歴も関係ないんだなと改めて感じることができて、すごく楽しかったです。

リアド 俺も自分に重なるところがありましたね。「音楽をやっていこう」と決めたのがだいたい彼らくらいの年齢だったので、技術もない中で変な自信だけはあった当時の自分を思い出したりして。彼らのおかげで、すごくいい時間を過ごせました。

[Alexandros]

[Alexandros]

白井 高校生とこんなに密に関わり合えるなんて、そうそうないことですし。彼らは、最初はなんとなく「[Alexandros]に会えたー!」みたいなムードだったんだけど(笑)、だんだん慣れてきたら、特にボーカルの子はちゃんと自分の意見を俺らにぶつけてくれるようになって。やっぱりバンドをやってるだけあって芯の強い子たちなんだなと思いましたね。一緒にこの企画を体験できてうれしかったです。

磯部 ポッキーに関われたことも光栄でした。あんなにコンビニに写真を飾ってもらえる機会はそんなにないんで(笑)。

[Alexandros]×Apatite

収録レポート

「ポッキー音楽祭」のラストを飾るのは、ポッキーのCMソングとして新曲「Backseat」を書き下ろした[Alexandros]。収録には、彼らに加えて5人組高校生バンド・Apatite(アパタイト)が参加し、憧れのアレキに助言をもらいながら作りあげたバンド初のオリジナルソング「border」を披露した。

収録はアレキのトークパートでスタート。4人が本企画への思いを口々に語り、ひとしきり話し終えたところでApatiteが呼び込まれた。5人が緊張の面持ちでスタジオへ入ってくると、アレキの面々がにこやかに迎える。その様子からは、事前のメンタリングを経て彼らの間にバンドマン同士の絆が育まれていることがうかがえた。

Apatiteのパフォーマンスの様子。

Apatiteのパフォーマンスの様子。

Apatiteを激励する[Alexandros]。

Apatiteを激励する[Alexandros]。

2組による対話もそこそこに、収録はさっそく「border」の演奏シーンの撮影へ。アレキの面々も見守る中でApatiteが演奏を始めると、ギターとキーボードによる切り裂くようなテーマリフを契機に、ディスコビートを基調としたドラムパターンとメカニカルなベースラインが追従し、そこにキャッチーな歌メロが加わる。アレキフォロワー然としたムードをたたえつつ、驚くべき完成度で構築された楽曲だ。それが荒削りながらもエネルギッシュな演奏で届けられると、川上洋平(Vo, G)らアレキメンバーから「いや、めっちゃいいじゃん!」と感嘆の声が上がった。

[Alexandros]のパフォーマンスの様子。

[Alexandros]のパフォーマンスの様子。

川上洋平(Vo, G / [Alexandros])

川上洋平(Vo, G / [Alexandros])

磯部寛之(B, Cho / [Alexandros])

磯部寛之(B, Cho / [Alexandros])

続いてアレキによる「Backseat」の演奏シーンの収録が行われ、先ほど大仕事を終えたApatiteの面々はこれを最前列の特等席で見学。川上から「審査員みたい(笑)」とのツッコミも受けながら、5人はアレキの盤石のアンサンブルを間近で存分に堪能した。撮影は和やかなムードのままつつがなく進行し、すべての収録がほぼ定刻通りに完了。2組は固い握手と熱いハグを交わし、充実感に満ちた表情を浮かべてスタジオをあとにした。

白井眞輝(G / [Alexandros])

白井眞輝(G / [Alexandros])

リアド偉武(Dr / [Alexandros])

リアド偉武(Dr / [Alexandros])

[Alexandros]の熱演に拍手を送るApatite。

[Alexandros]の熱演に拍手を送るApatite。

プロフィール

[Alexandros](アレキサンドロス)

2007年に本格始動し、2010年インディーズレーベルRX-RECORDSから1stアルバム「Where's My Potato?」をリリース。2015年3月にシングル「ワタリドリ / Dracula La」でメジャーデビューし、6月にはアルバム「ALXD」を発表した。2016年には6枚目のフルアルバム「EXIST!」をリリースし、オリコンウィークリーチャートで初登場1位を獲得。2018年8月に千葉・ZOZOマリンスタジアムでワンマンライブ「VIP PARTY 2018」を開催し、3万5000人を動員した。2023年12月に配信シングル「todayyyyy」をリリース。2024年3月には東京・青山学院記念館にてライブイベント「Back To School!! celebrating Aoyama Gakuin's 150th Anniversary」、10月には神奈川・相模原で主催フェス「[Alexandros] presents THIS FES '24 in Sagamihara」を行った。2025年春にニューアルバムをリリースする。