PiXMiX|6人体制最初で最後のアルバムに込めた“君”への思い

同年代に向けた等身大の卒業ソング

──ここからはアルバムの楽曲について話を聞かせてください。まず、先ほど話に出たリード曲「卒業レールウェイ」はコーラスワークが心地いい、ジャズの要素も入ったポップな卒業ソングになっています。

KAREN 初めて「卒業レールウェイ」を聴いたとき、「思ってたのと違う!」と感じたんですよ。でも、それはいい意味の“違う”で。卒業ソングってしんみりしたイメージが強かったので、こういう曲で明るく送り出してあげられるのはいいなと思ったんです。ITSUKIじゃなくても、この曲を聴いたら明るい気持ちで前に進めると思います。

TOWAKO

TOWAKO 今までのPiXMiXの楽曲の中でも王道のアイドルソングっぽくて、すごくかわいい曲だと思います。卒業生の背中を押す歌詞もいいなって。

KOHIME 私は今年の3月で高校を卒業するので、歌詞の中にあるエピソードにすごく共感しました。自分でそういう思い出を振り返ると涙が出てきそうになるんですけど、それを楽しく歌えるのはすごくいいですよね。さらにITSUKIの卒業という別れが重なって、より歌詞に共感できます。

──MISAKIさんも今年の3月で高校を卒業しますね。

MISAKI はい。「卒業レールウェイ」は私たちの同年代に向けた曲だと思っていて、等身大というか、私たちだからこそ届けられる歌なのかなと思います。曲の中に「最高の仲間がいて 応援してくれるから たとえ 離れてても」という歌詞があるんですけど、私も高校進学のタイミングで名古屋から上京してきて、友達と離れて寂しかった思い出があるので、この曲にすごく共感できました。それとやっぱりITSUKIに対してすごく当てはまる歌詞で……PiXMiXを卒業しても仲間であることに変わりはないと思っているので、この先私たちにとって大切な曲になるんじゃないかな。

──ITSUKIさんはこの曲を初めて聴いたとき、どのような感想を抱きましたか?

ITSUKI やっぱり、明るく送り出してもらえるような曲になっていたことがうれしかったです。歌詞にある通り、卒業は終わりじゃなくて始まりだと思っているので、自分たちの状況や心境にすごく合ってるなって。

KAREN この曲は2人でペアになったり、向き合ったりして踊る振り付けが多いんですよ。それって6人だからこそできることなので、ITSUKIが卒業するまでの期間、今一緒にいれることをたくさん噛み締めて踊りたいと思います。

KOHIME 振り付けは全体的に電車をイメージしたものになっているんです。つり革をつかむようなところなど鉄道をモチーフにした“トレインダンス”があったり。

TOWAKO 声を出せなくても手拍子をしたり、サビで一緒に踊ったりと、今のご時世でも楽しめる曲だと思います。あと、振り付けの中である芸人さんのネタをやっているところがあるので、ぜひミュージックビデオなどをよく観て探してほしいです!

──MVは6人が演じるダンス部の高校生の入学から卒業までを追った、等身大の青春を描いたドラマ仕立ての映像になっています。

MISAKI すごく楽しい撮影でした。ホントに高校生活を送っているところを撮影してもらったようで、青春でしたね。

AIRI MVでは入学してから卒業するまでのストーリーが描かれていて、そのシーンに合わせてメイクや髪型も変わっているんです。

──ラストのダンスシーンでは、2019年に開催されたダンス大会「高校生ライブ MUSIC DAYS」でPiXMiX賞を受賞した千葉敬愛高等学校ダンス部の部員とのコラボレーションが実現しました。

KOHIME 踊っているときは私たちが皆さんの前にいたので全体像が見えなかったんですが、完成したMVを観たらみんな笑顔ですごく楽しそうで。フィナーレ感というか、映像から伝わる一体感がすごいなと思いました。

KAREN PiXMiXの曲をメンバー以外の子たちが踊ってくれてる、ということが純粋にうれしかったよね。

KOHIME 朝の現場入りも早かったんですけど、みんなその時間から一生懸命練習してくれていて。

MISAKI 撮影のとき、保護者の皆さんが見に来てくださったのが印象的でした(笑)。まるで授業参観みたいで。

泣きすぎて歌えないかも

──アルバム「君がいたから」にはもう1つの新曲「サクラソラ」も収録されます。こちらも春の季節のナンバーですが、「卒業レールウェイ」と違って少し切ない雰囲気になっています。

MISAKI こっちの曲はホントにITSUKIにぴったりという印象で、ライブで歌うときはみんな号泣すると思います(笑)。

KOHIME 私はレコーディングのときに泣いちゃいました。最後にみんなの声が入った音源を聴いたときにグッと来ちゃって。まさに私たちのことを描いた歌詞になっていると思います。

──ITSUKIさんもレコーディングでこみ上げるものがありました?

ITSUKI

ITSUKI 私は……泣いてないです(笑)。感情を込めすぎると歌えなくなってしまうし、私にとっては最後のレコーディングになるかもしれないので、自分の出せる最大限の歌声を残したいと思って精一杯歌いました。

──「最後の最後に 笑顔で伝えたいよ ほんとに みんな、ありがとう 思い出全部愛しいよ」など、メンバーへのメッセージが込められた歌詞を見たときはどうでした?

ITSUKI 最初に曲を聴いたときは泣きましたね。ホントに自分の状況に重なっていて……さっきMISAKIが言っていた通り、ライブでは泣きすぎて歌えないかもしれないです(笑)。

MISAKI 全員泣いちゃって誰も歌えなかったらやばいね(笑)。