「PEANUTS CAMP 2018」特集 カジヒデキ×ヒロシ|キャンプへ行くつもりじゃなかった“ぼっち”でも楽しめるキャンプフェス

カジヒデキと遊べる謎のスポーツ“ボンビング” とは

──「PEANUTS CAMP」の会場ではライブを楽しむ以外に、ボンビングなどでも遊べるんですよね。

ヒロシ なんですか、ボンビングって?

カジヒデキ

カジ 僕の友人のEggstoneというバンドのメンバーが考え出したスウェーデン発祥のスポーツです。簡単に言うと、2対2で向こう側の陣地に革靴を投げ入れたら得点になって、相手がバケツでキャッチしたら点数にならない。

ヒロシ (怪訝そうに)面白いんですか、それ?

カジ なかなか言葉でうまく説明できないんですけど(笑)。Eggstoneのメンバーが高校生のときに考えたので30数年の歴史があって。僕がソロになって初めてスウェーデンでレコーディングしたとき、彼らの中でそのスポーツが流行っていたんです。僕の「たまごの中の欲望」という曲のミュージックビデオの中に彼らとボンビングをやってるシーンが出てきます。

ヒロシ へえー。

カジ 僕は残念ながらまだ参加したことないんですけど、ワールドチャンピオン大会を毎年やってて、それがイギリスの新聞に載ったこともありました。

ヒロシ ワールドチャンピオン大会!? すごいですね……何組ぐらい参加するんですか?

カジ 10組ぐらいです(笑)。すみません、ものすごく小さな世界の話なんですけど。

ヒロシ え、当日はそれをカジさんとやれるんですか?

カジ  はい、僕も一緒にやります。

ヒロシ これはファンの人はたまんないですね!

カジが審判を務めたボンビングの様子。

カジ お子さん連れの方もたくさん集まってくれたらうれしいです。小さい子に革靴は危ないので、スニーカーとか軽い素材のものを使って、コートも小さめにしていますので。ほかにも、かせきさいだぁくんがフリスビー教室をやったり、体を動かして楽しむプログラムも用意していますので。そんな感じで、どんどんほかのミュージシャンもお客さんと一緒に楽しめるワークショップをやってくれたら面白いなと思っています。

──ヒロシさんもぜひワークショップ、いかがですか?

ヒロシ 僕はあんまり人と会話できないから1人でキャンプをしているわけで……(笑)。

左からカジヒデキ、ヒロシ。

一生懸命やってたんですけど、バンドってすぐモメますね……

──ちなみに、お二人にはベーシスト同士という共通点もありますね。

左からヒロシ、カジヒデキ。

ヒロシ いや、ベーシストといっても、僕はただモテたくて高校生のときにコピーバンドをやっていたくらいなので。

カジ どんな音楽をやってたんですか?

ヒロシ パンクが好きです。

カジ 僕も高校生のとき、パンクがすごく好きでした。

ヒロシ えーっ、ホントですか? 

カジ ポジティブパンクというゴスの要素が入った音楽が好きで、十代の頃は今も活動を続けているニウロティックドールというバンドの初期メンバーだったんです。メイクとかして。そこからポストパンクの流れでネオアコもパンクの1つだなと思って、そういう音楽をやるようになって。

ヒロシ 意外ですね。今、全然そんなイメージないですけど。僕が高校生の頃はバンドブームの真っただ中で。イカ天があって、いろんなバンドがメジャーデビューして。当時ハードロックとかメタルがやたら流行ってたので、コピーバンドでもみんなそういうのばっかりやろうとするんです。LOUDNESSやEARTHSHAKER、44MAGNUMとか。

カジ 僕の学校もそうでした。

ヒロシ ですよね? 正直、僕はああいう音楽のよさが、よくわからなくて。あと今でこそベースっていいなと思うんですけど、当時はやっぱりボーカルがメインで、ベースって正直余りものみたいなところがあったじゃないですか?

カジ わかります。僕も高校のときはギターをやってましたから。

ヒロシ

ヒロシ 素人の高校生が集まったら、まずみんなボーカルをやりたいわけじゃないですか。モテたいから。でも、僕みたいな主張の弱いタイプはそんなこと言えないからベーシストになるわけです。それでバンドを始めたんですけど、ある日、友達からTHE STAR CLUBのカセットテープを借りて、「俺がやりたいのはこれだ!」と思ってパンクに目覚めたんです。「ハードコア不法集会」というCDを見つけたときは衝撃だったなあ。「なんだこれは!?」って。熊本は田舎だからまったく情報が入ってこないんです。小さなレンタルCD店しかなくて、そこにTHE STAR CLUBなんてないわけですよ。ネットもない時代だから、友達がたまたま持っていたCDを何回も聴いて。だから関東に生まれた人はすごくうらやましかったです。

カジ 僕は千葉でも南のほうなんですけど、たまたま地元にそういう音楽を扱うお店があったので。あと、東京まで、けっこうすぐ行けるから、学校帰りにライブを観に行ったり。

ヒロシ ほら、もう……。そういう中学・高校生活が送れていたら、たぶん僕もいろいろ変わったと思うんだよなあ。音楽にしろ、お笑いにしろ。僕、その頃からお笑いにも興味あったので。 

──ヒロシさん、かまいたちのファンでもあるんですよね。

ヒロシ よく調べてますねえ。気持ち悪い……(笑)。当時ヴィジュアル系でもパンク寄りの音楽をやるバンドが出てきて。

──そして2011年にはMARMALADEというパンクバンドを結成されて。YouTubeのライブ映像を観させていただいたんですが、髪を立ててベースを弾く姿、カッコよかったです。

ヒロシ わざわざ探したんですか!? 僕がたまに観たいと思って調べても出てこない映像ですよ(笑)。暇で暇でしょうがない時期に、ヒロシってちゃんとパンク好きなんだなって伝わるバンドをやりたくて。パンクで売れたいと思ったんです。一生懸命やってたんですけど、バンドってすぐモメますね……。解散して、それからバンドはやってないです。僕、いまだに高校生の頃に好きだったバンドばかり聴いてますよ。やっぱり歌詞が気になるので、聴くのは日本のバンドばっかりですね。SAも好きですし、千葉だったらSOBUTとかRADIOTSが好きです。

「PEANUTS CAMP 2017」の様子。

──ヒロシさんの貴重な音楽遍歴がお聞きできてよかったです。今後「PEANUTS CAMP」にミュージシャンとして参加される日を楽しみにしています。

ヒロシ そりゃ、バンドやってたら「ヒロシです」じゃなく音楽で参加したいですよ。けど、多分無理だろうなあ……バンドってモメるんだもん(笑)。

PEANUTS CAMP 2018
PEANUTS CAMP 2018
2018年8月25日(土)千葉県 一番星★ヴィレッジ
OPEN 10:00 / START 12:00 / END 21:00(予定)
出演者

カジヒデキ / かせきさいだぁ / 小山田壮平 / GRAPEVINE / コアラモード. / スチャダラパー / 曽我部恵一(サニーデイ・サービス) / 台風クラブ / DJみそしるとMCごはん / DJやついいちろう(エレキコミック) / wacci / 猫ひろし / ヒロシ

2018年8月26日(日)千葉県 一番星★ヴィレッジ
OPEN 8:00 / START 10:00 / END 19:00(予定)
出演者

カジヒデキ / かせきさいだぁ / 大木温之(Theピーズ) / カネコアヤノ / 小西康陽 / ザ・なつやすみバンド / SOLEIL / 野宮真貴 / and more

カジヒデキ
カジヒデキ
1967年千葉県出身のシンガーソングライター。1989年結成の男女混成バンド・bridgeでベースを担当し、1993年3月に1stアルバム「Spring Hill Fair」をリリース。1995年のバンド解散を経て、1996年8月に「マスカットe.p.」でソロデビューを果たす。そのポップな音楽性とキャラクターが幅広い支持を受け、一躍“渋谷系”シーンの中心的存在に。また2008年公開の映画「デトロイト・メタル・シティ」に提供した「甘い恋人」はスマッシュヒットを記録した。2012年3月に自身のレーベル「BLUE BOYS CLUB」を立ち上げ、以降コンスタントにアルバムを発表。2018年9月5日にニューアルバム「秋のオリーブ」をリリースする。
ヒロシ
ヒロシ
1972年生まれ、熊本県出身のお笑い芸人。1995年より芸人としての活動をスタートし、哀愁漂う芸風と「ヒロシです。」という決めのフレーズで2000年代中盤にブレイクを果たす。趣味はキャンプ。ソロキャンプの様子を自ら撮影・編集しているYouTubeのオフィシャルチャンネル「ヒロシちゃんねる」の登録者数は13万人を超える。