──「SP Thanx」には沖縄出身のシンガー、安次嶺希和子さんがフィーチャーされています。

NAOTO　自分たちがやっている「テレビズナイト」というイベントに去年出てもらったんですけど、めちゃくちゃ歌がうまかったんですよね。

HIROKI　しかも、全然構えずにすごくフラットな感じで僕らに接してくれるんですよ。普段は普通の女子高生っていう感じなのに、現場では物怖じしないし、レコーディングのときもすごくリラックスしていて。その空気がファンのコーラスと混ざり合って音にも出ていると思います。

──そして「SP Thanx」に続いて、「Silent Night」にも安次嶺さんが参加されていますね。

HIROKI　そうなんです。

NAOTO　「SP Thanx」も含めて2曲歌ってもらいました。

──なるほど。

NAOTO　で、「Silent Night」には琉球國祭り太鼓と沖縄を拠点に活動しているバイオリンのARIAさんも参加してくれて。結果的に沖縄のアーティストで固められたのもよかったなと思ってます。

──アルバムの最後にはシライシ紗トリさんが参加した新曲「ここにいるよ」が収録されています。シライシさんはORANGE RANGEのデビュー当初にプロデューサーとして関わっていましたが、一緒に楽曲を制作するのはシングル「瞳の先に」以来、約7年ぶりですね。

NAOTO　すごくひさしぶりでしたね。このタイミングでシライシさんと一緒にやることになったのは、YAMATOのアイデアがきっかけなんですよ。

YAMATO　今回「縁盤」を作ることになって、過去の曲と向き合ってみると、シライシさんの存在の大きさに気付かされたというか。深い縁がある方だし、15周年のタイミングで改めて一緒にやってみたいと思ったんですよね。ただ、過去の曲をセッションするのは違うし、新曲を作ったほうがスペシャル感があるかなって。まず僕がデモを作って、それをNAOTOにブラッシュアップしてもらって、そこからシライシさんに渡して。「シライシ節でお願いします」ってお伝えした結果、すごくシライシ節が出た曲になりましたね。

RYO　やっぱり、シライシさんのアレンジは僕らに合ってるんだなって思いましたね。懐かしさもあったし、安心して任せられるというか。

YOH　歌、ベース、ギター、ドラム、すべてに関して面白いアイデアを持っている人なんですよね。ベースに関してもデビュー当初からいろんなアイデアをもらって、それがいい思い出として自分の中に残っていて。ただ、常にシングルをリリースして、アルバムも1年に1枚のペースで作っていたから、スタジオでゆっくり話ができるような感じではなかったんですよ、最初の頃は。周りにスタッフがたくさんいたし、音作りの中心であるNAOTOとシライシさんはよくやり取りしてたけど、自分はそんなに話をするタイミングがなくて。今回のレコーディングでは聞いてみたかったことをたくさん聞けたし、すごく面白かったですね。

NAOTO　自分たちのノリと近いんですよ。僕らが「こういう感じでやりたい」って言うと、「いいじゃん！」って感じで形にしてくれて。頭ごなしにモノを言うところが全然ないし、現場の雰囲気を作るのもうまくて。とにかくバランス感覚が素晴らしいんですよね。下ネタもバンバン話せるし（笑）。

2016年は助走

──「縁盤」のリリースしたあと、9月から47都道府県ツアーがスタートします。

NAOTO　楽しさと不安と期待が混ざってますね（笑）。

HIROKI　オリジナルアルバムのツアーとはまた違った内容になると思います。「縁盤」と直結しているわけじゃないけど、ORANGE RANGEのライブに来たことがない人だったり、「ちょっと間が空いちゃったな」という人でも、すぐに時間を埋められるようなライブにしたいと思います。その上で、今の自分たちを見てもらえる空間を作れたらいいですよね。

──結成15周年といっても、年齢的にはまだ30代前半。この先のORANGE RANGEに対して、皆さんはどんなビジョンを持ってますか？

YAMATO　そうですね……15周年の本番は2017年で、今年はそれに向けた助走という感じなんですよね。「縁盤」が出て、47都道府県ツアーがあって、そのクライマックスが武道館と地元の沖縄で。まずはそこを目標にして進んでいく感じになると思います。

──「縁舞」「テレビズナイト」といった自主企画イベントも含め、ライブ活動もさらに活性化しそうですよね。

NAOTO　うん、ツアーとは違う楽しみ方ができそうだなって思ってます。

YAMATO　目の前のことに集中しながら、少しずつ20周年のプランも視野に入れて。そこに向けてバージョンアップしていけたらいいですね。