Case 10キャリアハイ飾る2ndアルバム「XXL」誕生
──怒涛の1年を経て、ニューアルバム「XXL」がリリースされました。今作の制作にあたって何か意識したことはありましたか?
もともとメジャーデビュー以降3年くらいまでの構想が自分の中であって、その中で「BASIN TECHNO」のあとに発表するアルバムも同じようなバズを起こす作品にしたいという思いがありました。それで、今回はダブルリード曲の「感情のピクセル」と「Natural Lips」を軸にして収録曲を決めていったんです。
──実際にこの2曲のMVはものすごい再生回数を記録しています。また本作には「Snack」「鴨川等間隔」といったインディーズ時代の楽曲が再録されているのもファンの間で話題になっています。
この2曲はどちらもとても気に入ってて、自分のキャリアハイのときに再録できたらなと思ってたんです。で、僕のキャリアハイはどう考えても今だなと。
──今ですか?
ええ。映画でも小説でも、シリーズモノで2が面白いものは、全体を通して面白いという持論がありまして。その持論に則って、2ndアルバムにキャリアハイの自分を落とし込もうという思いがあったんです。
──なるほど。曲のバラエティは1stアルバム以上に富んでいて、1曲1曲が強烈な個性を放ってますよね。歌詞もメッセージ性があるものから、言葉遊びを込めたものまでいろんなタイプがありますし。
ラウドロック、ファンク、EDM、ラップ、バラード……いろんなタイプの曲があるので、どこから切り取っても面白い作品になってますし、通して聴いても面白いと思います。
──手応え十分の1作だと。
はい。手応えはマックスに近いです。
──1つお聞きしたいのですが、「感情のピクセル」はMVや曲の内容が「面白い」と絶賛される一方で「ラウドロックを揶揄している」など賛否両論を巻き起こしました。岡崎さんとしてはこの反響をどう捉えていますか?
僕としては、特定の何かを揶揄するつもりは一切ないんです。メジャー1stアルバムを出した直後から、カッコいい曲調にちょっとふざけた歌詞を乗せた曲を作りたいと思ってて。曲を作り始めたときに日本の若いリスナーの間でラウドロックが流行っていたので、ラウドロックのサウンドの上に子供っぽい歌詞を付けたら単純に面白いんじゃないかと思い付いただけなんです。それが飛び火してほかのアーティストに迷惑がかかってしまって……本当は何も言及しないほうがいいと思ったんですけど、いたたまれなくなってTwitterで弁明と謝罪をした次第です。ただ、僕は自分が作った曲に対してプライドを持ってるので、今回のことがきっかけで僕のクリエイティブの火が消えたとは思ってなくて。作品作りにおいて特定の人に迷惑がかからない限りは、自分がやりたいことをやっていきたいと思っています。
僕のやっていることが不愉快だったら僕ににだけその気持ちを向けてほしい。
— 岡崎体育 (@okazaki_taiiku) 2017年5月14日
他のアーティストに迷惑がかかるのなら、僕は製作の自由度について今後考える必要がある。
迷惑をかけてしまったアーティストの方、本当にごめんなさい。
なんか、ラウドロックシーンをディスってるやんけみたいな書き込みとかつぶやきめっちゃあるけど
— 岡崎体育 (@okazaki_taiiku) 2017年5月12日
ディスってたら半年かけて曲書いたりMV撮影したりしようとは僕は思わないです。
子供の頃から音楽を聴きこんで研究してきた自負はあります。多分誰よりも。
──楽しみにしてます。前回のインタビューで「1年後の自分にひと言」とお聞きしたときに「天狗じゃなく、キャラ天狗でいろ。」と答えていましたが、それは守れましたか?
守れてませんね。今ひたすら天狗になってます……なので1年後の自分には「天狗でもいいんじゃない?」と伝えたいです。僕の場合、言ったことと逆のことをする場合もあるので。
番外編来るところまで来たな!くるりとツーマン&ヒャダインと寿司
────岡崎さんにとって、この1年で「これは個人的に大事件だった!」と思った出来事は?
1つ目は、年末にやったくるりとのツーマンライブ。僕、大学のときにオリジナルバンドを組む前にコピーバンドを組んでて。そのバンドで初めてやったのがくるりの「リバー」だったんです。初めてコピーしたバンドの方と対バンできたことは事件でした。あとはヒャダインさんとお寿司を食べに行ったこと。僕、打ち込みを始めてからヒャダインさんの活動を参考にしてて、彼のドキュメンタリー映像を20回くらい観てるんです。そんな相手とお寿司を食べられるようになったのは、自分も「来るところまで来たな!」と思えるエピソードでしたね。
ヒャダインさんに、こないだNHKのラジオで約束してたお寿司ご馳走してもらった。音楽の話とゲームの話いっぱいした。週4で連れて来てほしい。 pic.twitter.com/W2KkHVuTb7
— 岡崎体育 (@okazaki_taiiku) 2016年12月9日
- 岡崎体育「XXL」
- 2017年6月14日発売 / SME Records
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初回限定盤 [CD+DVD]
3500円 / SECL-2170~1 -
通常盤 [CD]
2800円 / SECL-217
- CD収録曲
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- XXL
- 感情のピクセル
- Natural Lips
- Horoscope
- まわせPDCAサイクル
- 電車で聴くと映画の主人公になれる曲 (Interlude)
- Open
- 観察日記
- Snack
- 鴨川等間隔
- 式
- 初回限定盤DVD収録内容
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- 感情のピクセル(Music Video)
- Natural Lips(Music Video)
- 式(Music Video)
- 岡崎体育といっしょ!バーチャル食事デート体験(その1)
- 岡崎体育といっしょ!バーチャル食事デート体験(その2)
- JINRO presents 岡崎体育ワンマンツアー「シマウマの中でも比較的凶暴なほう」幕間映像
- JINRO presents 岡崎体育ワンマンツアー「キミイロハートII」
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- 2017年10月9日(月・祝)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
- 2017年10月13日(金)愛知県 DIAMOND HALL
- 2017年10月15日(日)大阪府 なんばHatch
- 2017年10月28日(土)北海道 Sound Lab mole
- 岡崎体育(オカザキタイイク)
- 1989年生まれ、京都府出身の男性ソロアーティスト。2012年より地元のスーパーマーケットで働きながら「盆地テクノ(BASIN TECHNO)」の伝道師として活動を開始する。自主制作アルバムを発表しながら、関西を拠点にライブ活動を展開。キャッチーなテクノポップサウンドと独創的な歌詞の妙、口パクによる強烈なライブパフォーマンスが注目を集める。Twitterに投稿した「冷蔵庫に貼ってあったメモ書きを英語風に読んでみた」と題した動画や、歌詞世界を忠実に再現したミュージックビデオ「MUSIC VIDEO」が話題になる。2016年3月にメジャー(巻尺)に音源を付けた“メジャーデビューアルバム”「MEASURE」を、5月にSME Recordsから正真正銘のメジャーデビューアルバム「BASIN TECHNO」をリリース。2017年3月に「MUSIC VIDEO」のクリエイティブや話題性が評価され、「第20回文化庁メディア芸術祭」で新人賞を受賞する。同年6月に2ndアルバム「XXL」を発表。