音楽ナタリー Power Push - 小倉唯

二十歳のポジティブメッセージ

小倉唯は、スケジュールを詰め込むタイプ

──先ほどおっしゃった通り、気持ちよく日曜日を迎えられますね。日曜日といえば、Aメロの歌詞に「もう少し眠りたいけど もったいないよ 今日はSunday」とありますが、小倉さんはオフの日はどう過ごされるんですか? この歌詞のように「せっかく休みだし出かけよう」というタイプなのか、あるいは逆に「休みなんだから寝てよう」というタイプなのか。

私は前者です、完全に。休日に限らず、自分で予定を組まなきゃ気が済まないタイプというか。今もそうなんですけど、ずっと仕事と学校でなかなか自分の時間が取れなかったから、時間ができたらそこに予定を詰め込まなきゃ、みたいな。だから例えば「今日は3時間空きがあるから、このうちの1時間はお気に入りのカフェでお茶して、そのあとあのお店を覗いてから現場に行こう」とか。

──1日単位じゃなくて時間刻みなんですね。

小倉唯

細かいですかね(笑)。今朝も大学の授業があったので早起きして、まず午後の現場用の台本チェックをして。そのあと授業に出て、朝に台本チェックした現場を経てからの、ナタリーさんのインタビューなんですよ。そしてこの取材が終わったらヨガに行こうと思ってて。

──すごい……。もう、スケジュールを詰め込むのが体に染み付いちゃってる感じですか?

たぶんそうなんでしょうね。だから逆に、お正月に実家に帰ったりするとなんだかふわふわしてて、やることがなくて体調を崩しちゃうんですよ(笑)。“無”の時間が不安になっちゃうのかもしれません。まだまだやりたいこと、経験したいことがいっぱいあるので。

──具体的には何をやりたいですか?

今だったら、もっと文学作品に触れなきゃいけないなって。自分の言葉で伝える力をより高めていきたいというか、自分の語彙力、日本語力を鍛えて表現の幅を広げたいと思っているので。

──それは、ゆくゆくはご自分で作詞したいから?

いや、作詞は今のところは考えてないです。まだちょっと恥ずかしいので(笑)。いつかはチャレンジするかもしれませんけど。

──例えば次のシングルで「やってみませんか?」って打診されたら、やります?

「どうしても」ってお願いされたらやるかもしれませんね(笑)。

気持ちの置き場所に悩んだ「TO BE ALIVE」

──カップリング曲の「TO BE ALIVE」はゲーム「サモンナイト6 失われた境界たち」 の主題歌ですね。こちらはポップな表題曲から一転、全編にわたり叙情的なバイオリンがフィーチャーされた、スリリングなロックチューンで。

最初にデモを聴かせてもらったとき、びっくりしました。音がカッコよすぎて。もともと「サモンナイト」シリーズのゲーム音楽は、ケルト音楽の要素が盛り込まれているんですよ。だから「TO BE ALIVE」もその路線を引き継いでいて、今までにない面白い曲になっています。歌詞のほうも作品に寄り添っていて、中世ファンタジー的な世界で、主人公たちがいろんな仲間と出会っていく中で絆というものを知っていくっていう内容が丁寧に描いてあります。

──この曲は、曲調も歌詞もわりとエモーショナルですが、小倉さんの歌い方はどちらかというとクールな感じですよね。

「TO BE ALIVE」は、自分の気持ちをどこに置いて歌ったらいいのか、すごく悩みました。というのも、この曲の歌詞は私が演じている主人公のアムというキャラクターの成長物語としても読めるので、キャラクター目線での寄り添い方もできたんですね。でも一方で、この曲はゲームの世界を歌っているけど、私たちの日常生活の中で共感できる部分もあるんですよ。そう考えると、ゲームの世界観やキャラクターに入り込むというよりは、一歩引いて歌ったほうがいいんじゃないかって。

──俯瞰的に曲を眺めてらっしゃる。

そうですね。ゲームの物語もキャラクターの感情も、ゲーム外の日常的な共感もひっくるめて、全体を包み込むようなイメージで表現できたらいいなと思って今回は歌わせてもらいました。ただ、歌い方次第で化ける曲だなとも感じていて、ライブではまたアプローチの仕方を変えてみても面白いんじゃないかなって。

ニューシングル「ハイタッチ☆︎メモリー」2016年5月18日発売 / KING RECORDS
期間限定盤[CD+DVD] 1944円 / KICM-91667
通常盤[CD] 1296円 / KICM-1668
期間限定盤CD収録曲
  1. ハイタッチ☆メモリー
    [作詞:ワタナベハジメ / 作曲:高尾奏之介 / 編曲:奈良悠樹]
  2. TO BE ALIVE
    [作詞:磯谷佳江 / 作曲:駒形めぐみ(Puresound)/ 編曲:菊谷知樹]
  3. ハイタッチ☆メモリー(off vocal ver.)
  4. TO BE ALIVE(off vocal ver.)
通常盤CD収録曲
  1. ハイタッチ☆メモリー
  2. TO BE ALIVE
  3. ハイタッチ☆メモリー(TV size)
  4. TO BE ALIVE(GAME size)
  5. ハイタッチ☆メモリー(off vocal ver.)
  6. TO BE ALIVE(off vocal ver.)
期間限定盤DVD収録内容
  • 「ハイタッチ☆メモリー」MUSIC VIDEO
  • MAKING
公演情報
小倉唯 1st LIVE TOUR「High-Touch☆Summer」
  • 2016年7月9日(土)千葉県 幕張イベントホール
  • 2016年7月10日(日)千葉県 幕張イベントホール
  • 2016年7月17日(日)愛知県 一宮市民会館
  • 2016年8月6日(土)大阪府 オリックス劇場
  • 2016年8月14日(日)群馬県 桐生市市民文化会館 シルクホール

料金:全席指定 6900円(全公演共通)
※未就学児童入場不可
一般発売:2016年6月18日(土)

小倉唯(オグラユイ)
小倉唯

1995年群馬県生まれの声優、アーティスト。2009年に14歳で声優デビューし、2011年「神様のメモ帳」のアリス役、「ロウきゅーぶ!」の袴田ひなた役で大きな注目を集め、以来、毎シーズン放映のアニメの主要キャラを演じるように。また2010年に石原夏織と結成したユニット・ゆいかおりでメジャーデビューを果たし、2011年には「ロウきゅーぶ!」の出演声優ユニット・RO-KYU-BU!で歌った楽曲の数々がスマッシュヒットを記録するなど、声優業と並行して積極的に音楽活動も展開している。2012年にはシングル「Raise」でソロデビュー。以降アニメ「変態王子と笑わない猫。」のエンディングテーマ「Baby Sweet Berry Love」や、「最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。」のエンディングテーマ「Charming Do!」など、話題のアニメのテーマソングを発表している。2015年3月にはソロデビュー3年目にして初のフルアルバム「Strawberry JAM」をリリースし、7月には神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールで初のワンマンライブを開催した。2016年5月には通算6枚目のシングル「ハイタッチ☆メモリー」をリリース。7~8月には初のワンマンツアー「小倉唯 1st LIVE TOUR『High-Touch☆Summer』」を行う。