俺らの音楽はマイノリティ

──アルバムタイトルの「THANK YOU!!!」というのは？

マーヤ　純粋にそのままの意味ですよ。

リンダ　サンキュー!!!

──誰に対するサンキューなんでしょうか。

リンダ　すべてやね。もう今まで関わってきた人みんな。ここまで来れてることに対しても。

マーヤ　俺らだけではできませんでした、本当に。

リンダ　ライブ1回やって終わるつもりやったからね。初ライブのときに「よかったわー」って言って次のライブ誘ってもらわれへんかったら絶対続いてないし。

マーヤ　うん、続いてない。やっぱり俺らのやっとる音楽はマイノリティやと思うんで。

──マイノリティだと思うんですか？

マーヤ　思いますよ、正直。

──こんなにキャッチーなのに？

マーヤ　うーん、まあキャッチーなものをっていうのは意識してますけど、手法としてはやっぱり普通ではないと思ってるから。だから当たり前に通用すると思って進めてるととんでもないことになったりしますよね。

──とんでもないことというのは？

マーヤ　例えばレコーディングひとつとっても、単純に俺らが下手くそだから時間がかかりまくるとかね。1日で10曲録って「はいOK！」っていうバンドじゃないし。

リンダ　練習しまくってもまだ足りひんみたいな（笑）。

シンノスケ　そう、だから今回の新録のレコーディングも宅録的な感じで、エンジニアの増子（真二）さんの部屋で、横にネコいるとこで作ったりとか。そういう「メジャーでそんなことしていいのか」ってことをやってるんです、実は。

マーヤ　スタジオはほとんど行ってないですからね。ずっと家で「晩メシ何にする？」とか言いながら録音してる。やってることはインディーズのときとほぼ一緒で。

シンノスケ　そういう正統派と違うやり方でも勝負できるんやっていう。

マーヤ　去年の「24hour」のときからそんな感じで。メジャーっていうフィールドで考えたらむちゃくちゃなんやけど、俺らにとって一番いい方法がそれだったんですよ。

録り直したけどほとんど変わってない

──ベストアルバムの選曲はどのように決めたんですか？

マーヤ　ライブでよくやってる曲を中心に選びました。最近知ってくれた人もこれ聴いてもらえればライブで楽しめるように。あと昔から俺らのこと知ってくれてて「今から買う必要ないやん」っていう子も手に取りたくなるようなものにしたかった。

──インディーズの1stアルバムに入ってた3曲（「Candy People」「マジシャン」「死神DANCE」）は新たにレコーディングしてるんですよね。

マーヤ　でも録り直したけど、実はほとんど変わってないという（笑）。

シンノスケ　よく聴かんとわからへんもんな。

──じゃあなぜ録り直そうと？

シンノスケ　これ録ったときってほんまに経験値の浅いときで、とりあえずやってみたって感じやったんで。そこから5年を経て。

マーヤ　ライブもやりまくって。

シンノスケ　今これ録り直したらすごいことなるんちゃうかなって思ってたんですよ。でも結果的には、あの最初の瞬間にもう完成しとったっていう。

──それは逆にすごいですね（笑）。

マーヤ　まあ「Candy People」とかはちょっとアレンジ変わってたりするところもあるし、自分が思ってた世界観により近づいて、やっぱり5年経った今の録音ができてるとは思うんですよ。輪郭がはっきりして聴きやすくなったというか。でも聴いたときの雰囲気はそんなに変わらないかもしれないですね。

リンダ　前のにあった雑音みたいなのは聞こえなくなったけど（笑）。