ももいろクローバーZ「MONONOFU NIPPON feat. 布袋寅泰」特集|MV撮影密着レポート+個別インタビュー (3/3)

佐々木彩夏 インタビュー

──最初に「MONONOFU NIPPON feat. 布袋寅泰」のアピールポイントを教えてください。

結成記念日は5月17日ですけど、15周年イヤーとして1年を通して特別な活動をしたいねとメンバーみんなで話してたんですよ。そんな中で「MONONOFU NIPPON feat. 布袋寅泰」は、初期のももクロってこういうイメージだったよね、ということを意識した曲というか。ヒャダインさん、布袋さんという今までもお世話になってきた方々と明るく楽しい曲を作りたいねという話から制作に至って。私たちはライブを大事にしているので、ライブで盛り上がる、ただただ楽しい1曲になったんじゃないかと思います。ももクロって恋愛ソングが少なくて、もっと広いテーマ、みんなに共通することを歌ってる曲が多いじゃないですか。それを考えると、新曲で「NIPPON」と歌うのは私たちらしいのかなと思ったし、それと同時に「MONONOFU」「うりゃおい」というワードを歌詞や合いの手に入れることで15周年イヤーらしいにぎやかさも出ているのかなと思います。

佐々木彩夏

佐々木彩夏

──ライブでは一緒に踊ったり、コールを叫んだり、ただただ思い切り楽しんでほしいと。現在開催中のツアーの手応えはいかがですか? 観に行った人の感想をSNSで見ると絶賛の声が多いですが。

言える範囲での話をすると、まず「MONONOFU NIPPON feat. 布袋寅泰」と、マー君(東北楽天ゴールデンイーグルス・田中将大投手)の新登場曲「Re:volution」という新曲2曲については、パフォーマンスを楽しみにしていてほしいです。あと、今回はセルフプロデュースのツアーなんですけど、4人だけで考えるとアイデアが似たりよったりになってしまうので、今までお願いしたことのことなかった演出家の方に入ってもらって、みんなのアイデアをまとめてもらったんですよ。自分たち自身が思うももクロらしさ、モノノフさんが喜んでくれそうだなと考えることと、第三者の方がももクロに対して感じることってこんなに違うんだなという発見がありました。たぶん、私たちにとっての当たり前は、モノノフさんにとっての当たり前でもあって。お互いの盲点となるポイントがツアーに盛り込まれていると思います。初見の方も驚くだろうし、モノノフさんはよりびっくりする演出が用意されています。「この曲でその演出をやるんだ」「この曲もやるんだ」という驚き。15周年記念ツアーなので、みんなが知ってる曲もやりつつ、今までライブであんまりやってきてない曲も目立たせたいという気持ちがあって、もう本当に盛りだくさんです。

──ちなみに、ももクロは5月に国立代々木競技場第一体育館で開催した結成15周年記念ライブから客席での声出しを解禁しましたが、やっぱりコールがあるのとないのではライブの感覚は違いますか?(参照:ももクロが“原点”代々木の地で結成15周年ライブ、会場に響いたモノノフのコールと「ありがとう」

曲のコールはもちろんなんですけど、MCで違いを感じますね。今回のツアーではホール会場も回っているので、モノノフさんとのコミュニケーションが取りやすいんです。わかりやすいので言うと、「最後の曲です」と言ったら、「えー!」って返ってきたり。トークがついつい長くなっちゃいます(笑)。

──ちゃんとキャッチボールできている楽しさがあると。

でも、モノノフさんもまだ声出し解禁に慣れていないところもあって。「あ、そうだ! 叫んでいいんだった」という顔をしてたりするのが面白いです(笑)。

佐々木彩夏

佐々木彩夏

──最後に、佐々木さんにもう1つ聞きたいことがありまして。浪江女子発組合の後輩メンバーと一緒にディズニーランドに行って、全員分のチケット代をおごったことが先日ファンの間で話題になりましたが、後輩に対する接し方など、佐々木さんなりに意識していることがあるのでしょうか。

やっぱりかわいいんですよ、慕ってくれると。私は妹もいないし、グループでは最年少だし、部活をやってなかったので学校で後輩と接する機会もなかったからすごく新鮮なんです。「ディズニーランドに一緒に行きたいです」と言われたら、「よっしゃ、行ってやるか」と気合いが入っちゃうというか(笑)。求められるとすぐに調子に乗るタイプなんです。アイドルとしての先輩みたいな存在もいないので、正直どうしたらいいのかわからなかったんですよ。「チケット代なのか、カチューシャなのか、先輩として何を買ってあげたらいいと思う?」とママに相談したら、「チケット買ってあげなよ」と言われて(笑)。チュロスとか買うたびに奢っちゃうとみんな気を使っちゃうじゃないですか。それに、みんなめっちゃ食べるし、お腹空くとすぐ文句言うし(笑)。だからみんなのチケットを私が買うことにしました。

高城れに インタビュー

──「MONONOFU NIPPON feat. 布袋寅泰」の制作過程で何か印象に残っていることはありますか?

打ち合わせのときにヒャダインさんが「あ、神様が降りてきた」と言って、「NIPPON! PO PON! PON! PON! PO NIPPON!」というワードを思いついたんです。ヒャダインさんの曲はどれもキャッチーなんですけど、今回は特に強烈に印象に残るフレーズなので、皆さん一緒にノレるんじゃないかなと思います。このフレーズのところは振りが簡単で真似しやすいので。

──曲の具体的なテーマはメンバーとヒャダインさん、どちら側から出てきたんでしょう?

ヒャダインさんのほうから、こういう曲はどうですかという提案があって。今のももクロならではの曲であり、日本を応援するような、世界に発信していけるような曲を作っていただきました。私たちがそろったら最強なんだという思いも曲を通して表していて。なおかつ、ファンの方のことをモノノフさんと呼ぶ意味を今改めてこっち側から提示してあげたらいいんじゃないかなと思ったんです。

高城れに

高城れに

──今作では「サラバ、愛しき悲しみたちよ」以来約11年ぶりに布袋寅泰さんがギター演奏で参加していますが、布袋さんのギターサウンドが入った完成音源を聴いたとき、どんな感想を持ちましたか?

めちゃくちゃカッコいいと思いました! そもそもは私たちが勝手に言い出したことなんです。「布袋さんがひさびさに参加してくれたら、ヒャダインさんとの最強タッグのなるのにね!」って。「でも無理だよね、さすがに」と思っていたら、音源と一緒にもらった歌詞の資料に「布袋ギターソロ」と書いてあったんですよ。「これ布袋さんが弾いてるの!? 嘘でしょ!」って、そこで布袋さんの参加を知りました(笑)。布袋さんならではの臨場感あふれるギターソロが曲に入って、本当にありがたいです。なぜか布袋さんは、あーりんのInstagramだけフォローしてくれていて(笑)。でもメンバーそれぞれの誕生日に「おめでとう」とコメントをしてくださったので、「サラバ」以降も私たちのことを忘れずにいてくれたのかな、なんて勝手に思ってます。

──「サラバ、愛しき悲しみたちよ」は今でもももクロの代表曲の1つですが、新曲の制作にあたって、また1つももクロの代表曲を作ろうという気概があったんでしょうか。

そうですね。「サラバ」は「行くぜっ!怪盗少女」と同じように、「ももクロと言えばこの曲」と挙げてもらえる曲で、ライブで必ず盛り上がる定番曲の1つでもあるので、「MONONOFU NIPPON」もそれに続く楽曲になったらいいなって。今回は日本だけではなくて、海外の方にも「なんだこの曲!」と思ってもらえるような曲にしたかったんです。私たちの歌が世界にも届いたらうれしいです。

──現在MV撮影の真っ只中ですが、高城さん、刀を持っての殺陣が様になってましたね。“伝説の武具”の鎖鎌も似合ってました。

殺陣は得意かと言われたらそうではなくて。でも、カッコいいから挑戦するのは好きだし、こういう衣装を着てやっていると本当に自分が強くなった気がするんです。あと、スタントの皆さんがすごくて。「私、本当に戦えるんじゃないか」って勘違いしちゃうくらい、上手にやってくださるんですよ。だからすごく楽しいです。

──高城さんのソロ活動についても少し話を聞かせてください。30歳の誕生日を記念して6月に行われたソロコンサート「30祭」を振り返っての感想、そこで発表された初写真集のリリースに対する思いを改めて教えてください(参照:ももクロ高城れに「30祭」に込めたモノノフと両親への感謝の思い「世界一タフな30歳に」)。

「30祭」では私のわがままを周りの人が聞いてくれて、自分がやりたいことを詰め込みました。みんなにいっぱい「おめでとう」と言ってもらえて、今まで生きてきた中で一番盛大な誕生日だったんじゃないかな。モノノフさんにこの先も恩返ししていきたいと改めて思ったコンサートでした。私自身の熱量が高かったですし、ダンスブロックを作ってみたり、タップダンスを取り入れてみたり、すごくドキドキしたんですけど、とにかく楽しかったですね。そして、その中で写真集の発表をして。写真集の撮影は私がずっとやりたかった、20代でやり残していたことの1つで、3月にタイでロケをしてから早くモノノフさんに言いたくてうずうずしてました。どういう写真を載せるか、スタッフさんと打ち合わせしながら制作していったので、ファンの皆さんの手元に届くのが楽しみです。

高城れに

高城れに

ライブ情報

ももいろクローバーZ 結成15周年ツアー「QUEEN OF STAGE」

  • 2023年7月16日(日)兵庫県 神戸国際会館 こくさいホール
  • 2023年7月17日(月・祝)愛知県 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
  • 2023年8月5日(土)東京都 武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ
  • 2023年8月6日(日)東京都 武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ
  • 2023年9月9日(土)福岡県 北九州ソレイユホール
  • 2023年9月10日(日)広島県 ふくやま芸術文化ホール・リーデンローズ
  • 2023年9月14日(木)大阪府 大阪国際会議場(グランキューブ大阪)メインホール
  • 2023年9月15日(金)大阪府 大阪国際会議場(グランキューブ大阪)メインホール
  • 2023年9月18日(月・祝)宮城県 名取市文化会館 大ホール
  • 2023年9月23日(土・祝)新潟県 新潟テルサ
  • 2023年10月14日(土)東京都 武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ
  • 2023年10月15日(日)東京都 武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ

プロフィール

ももいろクローバーZ(モモイロクローバーゼット)

百田夏菜子、玉井詩織、佐々木彩夏、高城れにの4人からなるアイドルグループ。2008年にももいろクローバー名義で結成され、2010年5月にシングル「行くぜっ!怪盗少女」でメジャーデビューを果たした。2011年4月に早見あかりがグループを脱退したあと、グループ名をももいろクローバーZへ改名。2012年にグループ結成当初から目標としていた「NHK紅白歌合戦」に初出場し、2014年3月には女性グループとして初となる東京・国立競技場での単独ライブを成功させた。2016年2月に3rdアルバム「AMARANTHUS」、4thアルバム「白金の夜明け」を同時リリースし、同月より初のドームツアーを開催。2018年5月には結成10周年を記念した初の東京・東京ドーム公演を行ったほか、ベストアルバム「桃も十、番茶も出花」を発表した。結成11周年記念日である2019年5月17日に5thアルバム「MOMOIRO CLOVER Z」、その3年後の結成14周年記念日である2022年5月17日に6thアルバム「祝典」をリリース。2023年5月に東京・国立代々木競技場第一体育館で結成15周年ライブ「代々木無限大記念日 ももいろクローバーZ 15th Anniversary」を開催し、7月からは15周年記念ツアー「QUEEN OF STAGE」を行っている。8月に新曲「MONONOFU NIPPON feat. 布袋寅泰」をリリースした。