「again×again」で「chAngE」を超えたかった

──では、アルバム収録曲のいくつかについて話を訊かせてください。まずオープニングの「いくつになっても」は、ライブ映えしそうなテンションの高いアッパーチューンですね。

ハジけてますよねえ（笑）。ラジオ番組で見せてるような私のキャラクターを声にも出してみました。この曲が主題歌に使われてる映画「桜蘭高校ホスト部」がすごく元気になれる内容なので、サウンド面ではスカに挑戦してみて。これが1曲目っていうことで、アルバムとしても「元気だしていこうぜ」っていうイメージが出たと思います。

──「again×again」にはmiwaさんのロックな表情が見えています。すごくカッコいいですね。

今回はこういうエレキを弾き倒す曲をやりたかったんですよね。前作の中に「chAngE」というライブでノリノリになれる曲があったので、それを超えるような曲にしようと思って作りました。歌もかなり熱いです。曲調的に何回もレコーディングできないと思ったので、一発で決める勢いで、ノドをしっかり温めて臨みました。

──また「Jexxxa」では、ライブのバンドメンバーと一緒に一発録りに挑戦したとか。

はい。去年の学園祭ツアーから一緒のメンバーとやっていて、みんな20代なんですよ。同世代でレコーディングすることってなかなかないから、すごくやってみたかったんです。自分の根本にあるようなアコギのストレートな曲をそういうメンバーでやれたのは、経験として大きかったですね。曲に対するみんなの思いと、若さみたいな部分を感じてもらえたらうれしいです。

──「コットンの季節」のような柔らかな表情の曲もすごく似合っているなあと思いました。miwaさんの持っている声のチャンネルの多さが実感できます。

平成生まれなのに昭和の香りがする曲ってスタッフには言われましたけど（笑）。「あなた色に染まってゆくの」っていう歌詞は自分でも絶妙だなあって思いました。陽だまりに包まれてお散歩したくなるような曲なので、柔らかくハッピーな声で歌いましたね。これからの季節にピッタリなんじゃないかなって思います。

エレクトロっぽいサウンドは前からやりたかった

──で、本作最大の衝撃は「メリーゴーランド」だと思います。振り切れましたね。

はい（笑）。ハジけました。こういうエレクトロっぽいサウンドは前からやってみたかったんですよ。声にオートチューンをバッチリかけちゃったりして。これは絶対に1枚目のアルバムではできなかったことだと思うので、やれてうれしかったです。

──この曲もライブで活躍しそう。

うん。この曲と「again×again」はタオルをくるくる回してほしいですねえ（笑）。

──そしてアルバムのラストには、シングルのカップリング曲として発表されていた「始まりは終わりじゃない」が再レコーディングされて収録されています。曲の内容的にも大きな意味がありそうですが。

テンポも落として、全部録り直しました。この曲はデビューから2年目、第2章の私が始まるっていうのをイメージして、前回のアルバムを作った直後に最初に書いた曲なんです。で、それを新たなアレンジにすることでさらに決意が見えると思ったし、次につながっていくということをみんなにも感じてもらいたいと思って、今回のアルバムの最後に入れることにしたんです。

──すごくいいエンディングだと思います。アーティストとしてまたひとつ大きな扉が開いたことを実感させてくれる本作ができた今、miwaさんが見据えている未来はどんなものですか？

このアルバムでやりたいことがいろいろできたので、充実感と満足感がありますね。今後のことはまだ細かくは考えてないんですけど、またいろんな曲を書きたいなと思ってます。あと新たな目標としては、クリス・ロード・アルジっていうミックスエンジニアさんがすごく好きなので、その方と一緒にお仕事がしたいんですよ。夢が叶ってロサンゼルスでレコーディングとミックスができたらいいなあって思ってます。

──5月からは全国ツアーも始まりますね。

初めてのホールツアーなので楽しみですね。今まではずっとオールスタンディングでやってきたので、女の子からは観づらいって言う意見も多かったんです。私自身の背が小さいので、台に乗っててもあんまり見えないみたいで（笑）。なので今回のツアーでは、私がギター弾いてる姿をいろんな人にちゃんと観てもらえるかなって。