MISS MERCYインタビュー|スタダのファッション部門発ガールズグループが音楽を通して得たもの

MISS MERCYはスターダストプロモーションに所属する7人組のダンスボーカルグループ。スタダ所属のガールズグループと聞くと、ももいろクローバーZを筆頭とするSTAR PLANET所属アイドルを思い浮かべる人が多いかもしれないが、彼女たちはその系譜とは異なり、同事務所のファッション部門から誕生した。

「GIRLS NEW ERA(新時代の女の子たち)」をコンセプトに2018年にプロジェクトが始動。約4年間にわたるボーカル、ダンスレッスンを経て2022年に工藤大輝(Da-iCE)提供の配信シングル「Cinderella」でデビューを果たした。

音楽ナタリーでは7月10日に2ndミニアルバム「Turn Up」が配信リリースされたのに合わせ、メンバー7人にインタビュー。リード曲「Welcome To The Show」のミュージックビデオでK-POPグループにも引けを取らない迫力のガールクラッシュ感を見せつけ、音楽シーンの中で力強く邁進している彼女たちにメンバー1人ひとりの魅力、ミニアルバム「Turn Up」の注目ポイント、グループとしての今後のビジョンを語ってもらった。

取材・文 / 岸野恵加撮影 / 梁瀬玉実

絶対に半々で意見が分かれる

──音楽ナタリー初登場なので、まずはMISS MERCY結成までの経緯や、スターダストプロモーション内での立ち位置などからお話を聞かせてください。スターダストのガールズグループというと、ももいろクローバーZや私立恵比寿中学、超ときめき♡宣伝部などが浮かびますが、そうしたグループとは所属が異なるんですよね。

RINA はい。ももクロさんたちはSTAR PLANETという第3事業部セクションに所属しているんですが、私たちは第1事業部内のグループなんです。メンバーはもともとモデルを目指して事務所に入った子が多くて、そこからダンスと歌のレッスンを受けるようになり、3、4年前にグループの形になりました。

MISS MERCY

MISS MERCY

MIYU 最初に私とIONがメンバーになって、徐々に人数が増えていきましたね。

COCONA ずっと一緒に練習をしてきたので、メンバーは家族みたいな存在です。今では家族よりも長く一緒に時間を過ごしていますし。

RINA 私が思うのは、もし学校の同じクラスにこのメンバーがそろっていたとしても、仲よくならないだろうなって(笑)。

MIYU わかる(笑)。

SHUKA 話し合いをすると、絶対に半々で意見が分かれるんだよね(笑)。

COCONA ただ、長い付き合いだから遠慮せずにズバっと意見を言い合えるし、みんなで最終的に一番いい結論は何かを考えて、話し合って決めています。

メンバー7人それぞれの魅力

──これまでに培われた信頼関係がよく伝わってきます。では続いて、お一人ずつ自己紹介をお願いします。ほかのメンバーの方も補足があれば、随時教えてください。

MIYU はい! 私はハッピースマイルのMIYUです! 皆さんに幸せを届けられたらいいなって思っています。

MIYU

MIYU

SHUKA MIYUは場を和ませてくれる存在です。めちゃくちゃ天然な子ですね(笑)。いつも新しい視点をくれる。

MIYU みんなが温かく受け入れてくれるので、うれしいです(笑)。

COCONA リードボーカルを担当しているCOCONAです。パフォーマンス面では、歌唱力でみんなを引っ張っていきたいと思っています。

COCONA

COCONA

MIYU COCONAはすごくお上品で、みんなから“COCONA様”と言われています。優しく見守ってくれる存在。

YUKI 自分の世界をしっかり持っている子です。みんなが小走りする場面でも、すごくゆっくり歩いてるよね。

COCONA それ、マイナスじゃない?(笑)

SHUKA いやいや、みんな慌ただしい性格だから、わちゃわちゃしすぎているときや逆に緊張感があるときにどっしり構えていてくれるのは頼もしいよ。COCONAを見ると落ち着ける。

COCONA よかった(笑)。ありがとう!

YUKI 最年長でファッションリーダーのYUKIです。みんなのことを引っ張っていきたいと思っています。

YUKI

YUKI

SARA しっかり引っ張ってくれてる! メンバー1人ひとりのことをちゃんと見てくれているリーダーです。

ION ライブではMCを担当していて、トーク面でも引っ張ってくれています。

RINA ウェットティッシュとか、必要なものがあったときにすぐバッグから出してくれる。お母さんみたいな存在です。

SARA ツボがちょっと浅いのと、すぐ人のモノマネをするのが面白いところ(笑)。人の特徴をつかむのがうまいよね。

YUKI ありがとう(笑)。じゃあ次はSHUKA、どうぞ。

SHUKA はい! ギャルダンス番長のSHUKAです。私はダンスを3歳から14年間続けてきたので、ダンスの練習で舵を取ったり、アイデアを出したりしています。

SHUKA

SHUKA

YUKI SHUKAは振付を作れるし、メンバーそれぞれの踊り方の特徴を理解しているので、パフォーマンス面ですごく引っ張ってくれています。1stワンマンライブでは照明まで含めてアイデアを出してくれました。あとは、すごくおしゃべり。移動時間も寝ないでずっとしゃべってる(笑)。

SHUKA あはは、ごめんごめん(笑)。1人でもずっとしゃべっちゃうんだよね。次はION!

ION 森の住人、マイナスイオンをお届けしています、IONです。グループ内では特にラップを担当することが多いです。

ION

ION

YUKI ほんわかしているけど、ラップはバチバチで、そこのギャップが魅力です。

RINA IONも自分の世界を持っている子。みんなと一緒に過ごす時間と、自分の時間をしっかり分けているイメージがあります。あとふいにすごく面白いことを言ったりします(笑)。

ION ハードル上げないでー!(笑)

MIYU ツンデレなところがあるよね。この間「実は寂しがり屋なんだ」って言ってました。

SARA ええっ! かわいい……!

ION ……はい、次はSARA、どうぞ(笑)。

SARA (笑)。ハスキーボイスの末っ子、SARAです! 最年少なので、お姉さんたちに助けられながらがんばっています。小学校を卒業する頃までダンスを習っていたので、SHUKAちゃんと一緒にダンスを引っ張っていきたいと思っています。ブレイクダンスをやっていたので、ウインドミルも少しできます!

SARA

SARA

COCONA (ゆっくりなSARAの話し方を聞いて)もう本当に癒し。ニヤケが止まらない!

SHUKA ほわほわで、とにかくかわいい。なのにダンスのキレがよくて、そのギャップにやられる方も多いと思います。IONちゃんが、SARAちゃんのお母さん担当です。

ION (SARAを指して)娘です(笑)。本当にパワフルで大きく踊るから、普段とのギャップにびっくりします。

RINA ぜひライブで注目してほしいよね。じゃあ最後は私。MISS MERCYのパティシエール、RINAです。お菓子やパン作りも含め、料理が大好きで、平日は毎朝、姉と弟のお弁当を作っています。

RINA

RINA

MIYU 前に作ってきてくれた手作りのパンも、すごくおいしかった! RINAちゃんは本当に食べることが大好きで、おいしかったお店をLINEでよく送ってきてくれるんです。

SHUKA あとは俳優としても活動しているので、メンバーのパフォーマンス中の表情を細かく見てアドバイスをくれるんです。すごく助かっていますね。

RINA ……こんな感じで、全然違う7人が集まったグループです。

シンクロ率の高いダンスのために意識していること

──個性豊かなメンバーが集まっていることがよくわかりました。最近では数多くのガールズグループが活動していますが、その中でMISS MERCYならではの魅力は、どのあたりにあると感じていますか?

RINA コンセプトが固定されているグループが多いと思うんですが、私たちはある程度グループの色があるうえでさまざまな表現に挑戦して、いろんな姿を見てもらいたいと思っています。

COCONA 最近はユーロビートの楽曲に挑戦しています。「UNSTOPPABLE」は特にそうですね。私たちはそういう楽曲が流行した当時を知らないので、初めて聴いたときはすごく新鮮で。そういう懐かしいムードも自分たちの色に昇華していこうと今はがんばっています。

SHUKA ユーロビートの楽曲はライブでもすごく盛り上がるんですよ。世代関係なく楽しんでもらえる実感があります。

ION ファンの方もコールで大きな声を出してくれるよね。

RINA ユーロビートは一例で、ほかにもいろんなテイストの曲に挑戦しています。新曲「Welcome To The Show」は私たちにとっては新境地といえるダークなムードの楽曲なんですが、ポップな部分には「Summer Rays」や「Catch me!」などのキュートな曲でつかんだ自分たちのかわいらしいポイントを生かせるように意識してみたり。1曲に取り組んだあとに見えてきた課題を、次の曲ではやり遂げられるようになりたくて。そういう意識で活動してきたので、デビューから2年4カ月の間でグループとして成長できている実感があります。

ION 新しい曲を出すたびに、毎回自分たちを更新しているような感覚だよね。

MIYU かわいい曲もクールな曲も、両方魅力的に見せられるようになりたいです。

SHUKA 自分たちから「こういう路線もチャレンジしてみたい」とスタッフさんにお話しすることもあります。「Welcome To The Show」はまさに、挑戦してみたいコンセプトの楽曲でした。

──ダンスの練習は、やはりSHUKAさんとSARAさんがリードしているんですか?

RINA はい、SHUKAとSARAが中心になって、アドバイスし合っています。本当に心強い存在です。

YUKI 2人以外のメンバーはダンス未経験だったので、最初はレッスンについていくだけで必死でした。先生が本当にゼロから教えてくださって、基礎からしっかり学べてよかったなと思っています。

──パフォーマンスを拝見すると7人のシンクロ率の高さやキレのよさが印象に残りますが、どんな部分を意識して練習していますか?

SHUKA 全員で細かいところまで合わせることを意識しています。半々に分かれて、お互いのダンスを見てアドバイスをし合ったり。あとは動画を撮って確認していますね。

YUKI SHUKAのアドバイスで、「Welcome To The Show」はインストの音源に合わせて練習しました。歌なしの音源だと裏に入っている音まで意識して聴けて、より細かくダンスを合わせられるんです。

SHUKA 7人それぞれで取る音がずれないよう、インストに合わせて「この振りはこの音に合わせる」という認識を全員でとことん合わせました。「Welcome To The Show」はRuuさんに振付を作っていただいたんですが、姿勢よく、手先まで意識して踊ることが特に大事だなと。よりシンクロさせる意識を高めて取り組みました。

MISS MERCY

MISS MERCY

RINA 私たちは身長差が大きいグループなんですよ。一番背が高いYUKIが173cmで、MIYUが154cm。パフォーマンス中に並んだときの差が大きいので、バランスを取るために細かく調節しています。

MIYU 高身長組のみんなが、脚を曲げてくれて……。

COCONA 脚じゃなくて膝ね(笑)。

MIYU 厚底ヒールも履くんですけど、みんなもヒールを履くので、差が縮まらない(笑)。

RINA MIYUちゃんがあまり無理しなくていいように、私たちが下げてバランスを整えています。