ミライアカリが9月30日にニューシングル「Fly to NEW WORLD」をリリースした。
ミライアカリは、今や総勢9000人とも言われるVTuber業界の黎明期から活動を続け、シーンを切り開いた“VTuber四天王”の1人。記憶喪失のため過去のプロフィールは不明だが、2017年10月の動画初投稿以降、さまざまな企画に挑戦し、テレビ出演や雑誌のグラビアなど幅広いジャンルで活躍してきた。彼女がアーティストとして初のオリジナル曲「アクセル」を公開したのは2018年12月。その後、ナユタン星人書き下ろしの「ミライトミライ」や自身が出演するテレビアニメ「バーチャルさんはみている」のオープニング曲「あいがたりない(feat. 中田ヤスタカ)」などを発表してきたが、新曲「Fly to NEW WORLD」でいよいよ本格的に音楽活動を開始する。
音楽ナタリーではミライアカリにインタビューを実施。VTuber業界の現状を聞きつつ、彼女がアーティスト活動を本格化させる理由や3周年ライブ「Mi:LIVE 2020 AKARI→START」に込めた意気込みなどを語ってもらった。
取材・文 / 三浦良純
バーチャルとリアルの境目がなくなりつつある
──YouTubeチャンネルの登録者数は70万人を超えるミライアカリさんですが、記憶喪失とのことで、活動前の記憶は一切ないんですか?
はい。気付いたらVTuberになっていた、という感じなんです……(笑)。でも、皆さんとの交流やいろんな活動を通じてこの世界が大好きになりました!
──2017年10月から活動しているミライアカリさんから見たVTuber業界の変化について教えてください。
VTuberの人数も増えて、少しずつVTuberがメジャーなコンテンツになりつつあるように感じています! みんないろんな個性を持っていて、歌を歌ったりゲームをしたり……バーチャルの世界がどんどん自由になっています。最近のトレンドとしては、生配信を中心に活動するVTuberが多く、生配信のコメントやSNSを通じて視聴者の方とコミュニケーションを取ることで、どんどん距離が縮まってきたなあという印象です。
──ここ数年で本当にVTuberを見かける機会は増えましたよね。
テレビに出る機会も増えて、バーチャル空間の中だけでなく、大きなモニターなどを使ってリアルのタレントさんと一緒に登場する機会も増えてきました。VTuberという存在もそこまで珍しく思われなくなってきたのかなと感じています。
──コロナ禍でリアルの世界は大変なことになっていますが、バーチャルの世界にも影響はありますか?
バーチャルとリアルの境目がどんどんなくなってきたように感じます。リアルの世界でも友達同士でオンライン飲み会をやったり、ボイスチャットをしながらオンラインゲームで集まったりしているし。リアルのアーティストもオンラインライブを開催するようになったり、タレントさんもリモート出演が当たり前になったりと、エンタテインメントの活動領域がリアルのアーティストもバーチャルのタレントも変わらなくなってきましたよね。バーチャルとリアルの行き来はこれまで課題とされていたハードルでもあるので、それが解消されつつある今、VTuberはこれまでよりもいろんなことにチャレンジできるし、今この状況だからこそバーチャルの世界から届けられるエールやハッピーがあると思っています!
自慢のプロポーションを生かして
──総勢9000名とも言われるVTuberの中で、“VTuber四天王”の1人であるミライアカリさんの武器はなんだと思いますか?
やっぱり明るいところですかね? アカリだし? アカリが明るいことで、みんなも明るい気持ちになってくれたらうれしいなあって思います!
──スリーサイズはB90、W55、H86。そのプロポーションを生かしてグラビア活動もされていますよね。
そうなんです。この自慢のプロポーションを生かしてグラビア活動もや…って!! さっきからそういう目で見てたんですね!? スケベ!! 変態!! 警察呼びますよ!?
──SNSでのエゴサーチに力を入れていて「エゴサーの姫」を自称されているそうですね。
視聴者さんたちの声……気になるじゃないですか。毎日エゴサしてますよ! 直接は言えないけど、こんなふうに思ってくれてるんだなあというのを知れるのがうれしくて。直接リプライ飛ばしちゃったりもします!(笑) たまにとんでもないことを言っている悪い子ちゃんもいますけどね! ぜーんぶ見てますよ!!
──非常に多彩な活動をされていますが、これまでの活動で特に思い出に残ってることや、ターニングポイントとなったような出来事を教えてください。
本当にいろいろな経験をさせていただいていて、その1つひとつが大切な思い出なのですが……「SUPER GT」というレーシングの世界でPACIFIC RACING TEAMのレースクイーンを務めさせていただいたことが、すごく印象に残っています。これをきっかけに、チャンスがあればもっともっといろいろなことにチャレンジしてみたいなあと思うようになりました!
──活動を続ける中で、記憶は戻ってきましたか?
うーん、あんまりハッキリとは思い出せないんですが、デジャヴのような感覚で過去の自分を思い出すような感覚はあります。きっといろんなことに悩んだり、落ち込んだりしていた経験も過去にはあったと思います。でも記憶を失って、VTuberを始めて、新しい自分に生まれ変わったような気持ちで、今こうして過去を振り返らず前を向いて活動できています!
もっといろんな気持ちを歌で届けたい
──ミライさんが音楽活動を始めたきっかけを教えてください。ボカロ曲「ECHO」を投稿したのが最初ですか?
確か「ECHO」が初めての「歌ってみた」だったと思います! ずっと「歌ってみた」にチャレンジしてみたい気持ちがあって、せっかくチャレンジするならアカリのイメージとは真逆のカッコいい歌を歌ってみようと思いました。投稿すると、案の定「誰!? いつものアカリはどこへ行った!?」という、皆さんからの驚きのコメントをたくさんいただきました。でも、カッコいい曲を歌うアカリも「これはこれでアリ!」と受け入れてくれる方がたくさんいたのがうれしかったです。歌にチャレンジして思ったのは、普段のトークだとなかなか伝えられないメッセージも、歌に乗せれば届けることができるということです。 普段の動画はどちらかというとバラエティ寄りの、みんなに笑顔になってもらえるような活動がメインですが、音楽活動を通してもっといろんな気持ちを届けたいと思って、本格的に音楽もがんばってみようと決意しました!
── テレビアニメ「バーチャルさんはみている」のオープニング曲「あいがたりない(feat. 中田ヤスタカ)」では中田ヤスタカさんとのコラボも果たしました。
まさかあの中田ヤスタカさんの楽曲を歌えるなんて、夢にも思ってなかったですよ! 本当にたまげました! 楽曲も中田ヤスタカさんらしい楽曲で、レコーディングは本当にテンションが上がりました。あの曲は「バーチャルリアル」というVTuber6人のユニットで歌っているのですが、仲のいいメンバーばかりなので、緊張がほぐれて楽しく歌うことができました。いつもは1人での活動がメインなので、「仲間っていいなあ……」とも思いました。
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アカリが本当に本当にいつも願っていること