クレイジーになる、というのをもっとキュートな、やんちゃな感じにした言葉が「MadNesS」

——アルバムタイトルにある「MadNesS」というのは、普通に訳せば「狂気」ですよね。MiChiさんにとってこの単語はどんな意味を持っているんですか？

いい意味での「クレイジー」。本当はみんな、いい音楽を聴いたら踊りたいという気持ちがあるじゃないですか。それを、「いいんだよ、全面に出して」という意味です。クレイジーになる、というのをもっとキュートな、やんちゃな感じにした言葉が「MadNesS」。フリーになっていいんだよ、「Be Yourself」（自分自身でいよう）とか「Be Honest」（自分に正直に）という意味に、自分の名前を付け加えたら音的にもいいから『MiChi MadNesS』って。

——オリジナル曲の歌詞は全部自作ですよね。英語の歌詞ということもあるので、いくつか説明してほしいのですが、6月4日からiTunesで無料配信が始まる「FXXk You And Your Money」は、パーティでナンパされてというシチュエーションですよね？

そういうシチュエーションというよりは、お金を持ってるとか、他人を見下してるような人に対して、「えらそうにしないでよ」という歌です。 あなたの電話番号なんていらないんだけど、って歌ってるから女の子はすごく共感できると思うけど（笑）、女の子じゃなくても共感してほしいです。「Real」は「MiChiは（ルックスが）外国人ぽいから～～だ」みたいにイメージでカテゴライズするのをやめて、という歌。

——「Spread Your Wings」も、このアルバムに共通するそうしたメッセージが強い歌ですよね。自分自身であることの大切さ。

みんな自分の中で闘いがあると思うんだけど、こうしたいんだけどムリだ、なんてあきらめることをやめて、羽根を広げれば飛べる、という歌です。自分もシンガーになりたいという夢をちょっとずつだけど実現させています。やりたいことを隠さないでやろうよという意味です。「Surrender」は、いまが全て、というメッセージなんですけど、それを、クラブで好きな曲があったら身体中で感じて、受け入れてOKというシチュエーションにして歌ってます。

——カバーも4曲収録されていますが、その中で特に思い入れが強い曲はなんですか？

Spice Girlsの「Wannabe」！　12歳ぐらいのときかな、友だちの家にSleep Over、泊まりに行くと、みんなでSpice Girlsの格好にドレスアップして、振り付けも全部覚えて歌ってたから（笑）。MiChiのこのバージョンを友だちが聴いたらみんなすごく喜んでくれると思う（笑）。

何も考えずに聴いて、かっこいい、踊りたいって思ってほしい

——好きな男の子のことを歌う、ラブソングを歌う女性シンガーも多いと思うんだけど、そういう方向には今は興味ないですか？

そんなことはないです。でも、このアルバムでは、もっと広いメッセージというか、多くの人に自分をもっと楽しもうよ、大丈夫だよということを言ってますね。「本当はどうなの？」って思うことが多いから。自分に対してもそうだったし……。歌を歌うのが大好きなのに緊張してる自分に、「いいんだよ、大丈夫だよ」という感じで。

——アルバムが6月27日にリリースされて、どんどん活動のフィールドも広がっていくと思いますが、今後の目標を教えてください。

身近な目標でいうと、ライブを続けて、もっともっといいライブができるようになりたい。それと歌を作り続けて、次のアルバムを形にすること。もう少し先の目標は、日本だけではなくイギリスや海外でも活動したいと思っています。このアルバム、『MiChi MadNesS』はどんな意味の歌詞なんだろうなんて考えなくてもいいの（笑）。ちゃんとメッセージがあるから歌詞を見てくれるとすごく嬉しいけど、何も考えずに聴いて、かっこいい、踊りたいって思ってほしい。MiChiも自分でこのアルバムを聴いてそう感じるし、やる気がでるし。エクササイズしてるときとか、走ってるときに聴くと、「Let's Go!」というエナジーになると思います。