「あきらめなければ夢は絶対叶う」ことを実証したデビュー

父親はイギリス人、母親は日本人。イギリスで生まれ、2歳から10歳までを神戸で過ごし、1995年から再びイギリスへ。

昨年、インディーズでリリースされたアルバム「MiChi MadNesS」に収録されたSPICE GIRLSやデズリーなどのカバーも、当時バーミンガム近郊で学生生活を送っていた彼女がリアルタイムで憧れていたアイドルだった。またその一方で、姉が聴いていたスピッツやMr.Childrenといった日本の音楽にも惹かれ、マライア・キャリーの歌に感動し、シンガーを夢見る。

そして、その夢を実現させるために、18歳で東京に移り住み音楽活動をスタート。昨年閉店した東京クラブシーンのコア的な存在であった「Yellow」が最後に輩出したシンガーが、MiChiだ。

「ダンスミュージックはエネルギーをみんなで楽しくシェアできるから好き」というMiChiは、中島美嘉、加藤ミリヤ、SOULHEAD、CHEMISTRYなどのトラックメイキングで知られるプロデューサー、松澤友和と出会う。2人のタッグで制作された楽曲は、iTunes Storeで配信が開始された翌日にダンスチャートでいきなり首位を獲得。さらに、1位から3位まで3曲同時のチャートインを2回も記録する。

2008年10月にはシングル「PROMiSE」でメジャーデビュー。曲のタイトルや歌詞には彼女自身がずっとあたためてきた想いが込められている。

「みんな夢があると思うんだけど、現実に負けてどこかであきらめてしまう人が多いと思う。でも、夢って、ずっと熱く思ってきた気持ちだったり、自分や家族と約束したことだったり、あきらめなければ夢は絶対叶うと思うから。その約束を思い出すために、みんなにも思い出してほしくて歌った曲なんです。

自分にとっては日本で歌手になってくるよという夢。でも、これで夢を果たしたわけではなくて、まだまだ……。あの約束を忘れないように、と思って」

その考え方を少し変えるだけで世界は変わるんだよ

高性能なダンスロックサウンドに乗せて、ポジティブなメッセージを歌うMiChiのスタイルは、次のシングル「ChaNge the WoRLd」にも引き継がれる。「運命なんてMake yourself / 変えられるのはOnly You」と宣言する、新たなガールズアンセムの誕生。

「『PROMiSE』は自分の決意を歌った。自分の中でも感動するストーリーだったんだけど、『ChaNge the WoRLd』は聴く人にハッピーになってほしい。ネガティブになりがちな人に、その考え方を少し変えるだけで世界は変わるんだよっていうことを歌いたかった」と、MiChiは当時のインタビューで語っている。

クラブシーンから一気にメジャーフィールドへ。ダンス、ロック、ヒップホップといった音楽ジャンルの壁を壊すのではなく、笑顔で飛び越えていく。「特にカテゴライズしているわけではないけど、ポップスだと思う」と、MiChiは自分の音楽を語る。「ポップスという言葉はとても（意味が）広いし、カテゴライズしてるように見えて、していない」というのがその真意だ。

活動も音楽だけに制限されない。ユニクロのキャンペーンキャラクターに起用され、そのCMはアジア諸国でも流れた。MiChiの故郷イギリス・ロンドンの地下鉄駅構内でも巨大なポスターが貼られた。ボルヴィックのCMには3rdシングル「KiSS KiSS xxx」と共に、MiChiも出演している。

「ロンドンに住んでるお姉ちゃんがユニクロのポスターの写真を撮って送ってくれて、びっくりしましたね（笑）。ボルヴィックのCMはオーストラリアの草原で、3日間かけて撮りました。ひさしぶりに海外に行けて、いい思い出でしたね。すごくリフレッシュできた（笑）。

ファッションにはすごく興味あるし、最近は自分でスタイリングしています。ファッションと繋がっていたいし、大事なポイントだと思う。自分のファッションのこだわりは、あまり飾りすぎないこと。ブランドにこだわらずに、みんなと違う、自分のスタイルを持つことかなあ」