アニメの戦闘シーンにぴったりハマっていた
──レコーディング作業自体はどうでした? スムーズに進んだ感じでしょうか。
霧島 実は収録がけっこう前だったので、あんまり覚えてないんです(笑)。
リス子 私は1人だけ先に仮で録らせてもらったりもしていたので、段階を踏めたこともあってわりとスムーズでしたね。楽曲をアニメの劇中で使うための尺調整みたいな感じで、本番レコーディングの前に仮の音源が必要だったらしくて。私だけズルをさせてもらいました(笑)。
霧島 今にして思うと、アニメ第1話の戦闘シーンでこの曲が流れたときにぴったりハマっていたのは、その調整があったからなのかなと思いました。オープニングで使うだけだったら別のデモでも大丈夫だろうから。
リス子 ちゃんと曲の流れを考慮してカット割りを調整してくださったみたいです。私のまだ歌いこなせてないちょっとヘタな歌に合わせて(笑)。
──アニソンって、おっしゃったようにオープニングやエンディングで使われるだけじゃなく、それ以外での使われ方こそがアツかったりしますもんね。そこを明確に見据えて作られた曲であると。
霧島 うんうん、そうですね。
リス子 実際にオンエアを観たときは、それがすごくうれしかったです。「こういうの、夢だったんですけど!」って。
──作曲は、昨年のアルバム「MIAUSEUM -キュレーション-」の収録曲「S.P.I.N.A」で初タッグを組んだTom-H@ckさんですね。
リス子 作詞のhotaruさん、編曲のRINZOさんも含めて、まったく同じ座組で書いていただきました。「王道のアニソン感があるものを作りたいんだけど、誰にお願いしようか?」と考えていく中で、「S.P.I.N.A」が私たちにすごくハマっていたからというのもあってお願いした形です。私たちがずっと追い求めていた“いにしえのアニソン”のイメージを理解してくれていそうな方というか。
霧島 「王道アニソンを作ってください」とお願いしたら「わかりました、得意です!」と言っていただけて頼もしかったです。
──「王道アニソン」という言葉から受けるイメージは人によってかなりバラつきがあると思うんですけど、そこをMia REGINAとTom-H@ckさんの間では一致させられるだろうと?
リス子 そこに関してはメンバーとプロデューサーさんたちの間で「90年代前半かな、後半かな?」というすり合わせをして、ある程度イメージを狭めてから渡してはいます。それがちゃんと伝わる方だという信頼があった感じですね。
──実際、ある時期のアニソンのエッセンスがすごく感じられる楽曲に仕上がっていて。アニメ自体にも少しレトロな雰囲気がありますし、それにもマッチしているなと感じます。
リス子 私たちがデビューする前にアニソンファンとしていろいろ聴いていた頃の曲、という感じがしますね。
霧島 ミュージックビデオもアニメの空気感に合わせて、「昔のMVってこうだったよね」みたいなイメージを元に作られていて。「狭い空間で箱に入りがちだよね」「よくわからないフォント使うよね」みたいな(笑)。若いスタッフさんが多かったので、エフェクトなんかは今っぽかったりもして「若い人たちが考える平成のMV」という感じの仕上がりになっています。
3人がバラバラであることを強調していきたい
──先日行われたDJイベント「かっこいいアニソンがかかるイベント」にゲスト出演した際、この曲を初披露されたとのことですが。
リス子 クラブで四つ打ち、最高!でしたね(笑)。アニソンクラブイベントという場にぴったりハマる曲だし、初見でもジャンプして盛り上がっていただけて、すごく手応えがありました。これからもこの曲を引っさげて、いろんなアニクラに殴り込みに行きたい(笑)。
──それこそ前作のバラード「月海の揺り籠」では、その展開は考えにくいですしね。
リス子 そうですね。でも、そのイベントでは「月海の揺り籠」も歌ったんですよ。もちろん盛り上がりはしないですけど(笑)、浸ってもらえた感じでよかったなと思います。VJさんもいい感じに世界観を作ってくださって。
──1ステージでその振り幅を出せるのがMia REGINAならではの最大の武器だと思うんですけど、アニメを観ていて流れてくる1曲だけを聴いても、なかなか伝わりづらい部分ではあるんですよね。
霧島 ああ、確かに。
──Mia REGINAはよく「ジャンルを問わず活躍するグループ」みたいな説明をされると思うんですけど、正直その表現だけでは足りないというか。
リス子 私自身も「ジャンルを問わない」は安くなっちゃうと思うので、あまり使いたくなくて。とりあえず「3人がバラバラ」というところが肝だと思うから、「バラバラ」を強調していきたい(笑)。
霧島 口で説明するより観てもらったほうが早いと思うから、「まずはライブを観てくれ」みたいな思いはありますね。
リス子 そういう意味では、タイアップ曲の中で振り幅が出てきたのはいいことだなと思っています。カップリングとかでいくら振り幅を出しても、興味ない人には届かないので。
──確かにそうですね。特に今回、7月クールで「月海の揺り籠」、10月クールで「Fever Dreamer」と続いたのはタイミング的にもいい流れだなと感じます。
リス子 そうですね。多くの人に触れる機会のある曲で幅を広げられたので。
──皆さんは常々「アニソンフェスにいっぱい出たい」というお話をされていますけど、「ステージを観てもらうことが一番手っ取り早く魅力を伝えられる方法だから」という理由もありますか?
リス子 もちろんそれもありますし、現場で友達も増やしたいし(笑)。私たち、アーティスト友達が全然いないんですよ。3人でいると、3人で話しちゃうせいもあるのかなとは思ってるんですけど。
霧島 実際には会話をしていなくても、3人で固まっていると近寄りがたいのかもですね。
リス子 ソロアーティストさんたちがわーって話しているところになかなか入っていけないというか。亜咲花ちゃんとかは、気にせず話してくれるか。
霧島 コロナ禍でアーティスト同士の交流がそもそもしづらい状況もあったので、これから緩和されていく中でやりやすくなっていったらいいなあとは思います。
上花 出る予定だったライブとかがなくなっちゃうのは悲しいので、どんどん状況が戻ってくれたらうれしいです。
──そういう意味でも、「ナガノアニエラフェスタ 2020 to 2021」の開催中止は本当に残念でしたね。
霧島 残念です……。
リス子 主催や実行委員の方々がギリギリまで考えた末に決断されたことなので仕方ないですね。でも、来年以降もあると信じて、呼んでいただけることを信じて。
霧島 夢は諦めずにね。ありがたいことに、Mia REGINAも5周年を迎えてフェスやイベントにお誘いいただける機会が増えた印象があるんです。12月には「京 Premium Live 2021」もありますし。
リス子 それも楽しみだね。
霧島 先日の「かっこいいアニソンがかかるイベント」に出演しますって発表したときも、Twitterを見ていたら予想以上に反響があったんですよ。「え、Mia REGINA来るの?」みたいに盛り上がってくださっているのを見かけて、「あ、思ったより知られてるんだ?」みたいな(笑)。
──熱心なファン以外にも、Mia REGINAを好意的に見ている人はたくさんいるはずですもんね。
霧島 ただ、皆さんがどこまでMia REGINAを知ってくださっているのかはよくわからない部分もあって。アニメをよく観ている人は楽曲を知ってくださっていたり、そこからMia REGINAを知ってくださる方ももちろんいるんですけど、思ったよりその声が私たちのところまで届きにくいというか。そういう声もどんどん発信してほしいなと思いますね。好きという思いが届くのは本当にうれしいことなので。
──「自分だけで好きなものを楽しめればそれで十分」というタイプの人は、特にオタク系には多いですからね。僕もそうですし。
霧島 その気持ちもわかるんですけどね(笑)。
リス子 こちらから発信していくことも大事だなと思いますね。自宅に1人でいるときでもいろんなことが発信できる時代になっていますし、どんどんしていけたらいいなと思っています。
ライブ情報
- 京 Premium Live 2021
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2021年12月11日(土)
京都府 ロームシアター京都 メインホール
OPEN 11:45 / START 12:30
<出演者> ASCA / 熊田茜音 / 駒形友梨 / 鈴木このみ / halca
MC:伊藤彩沙 -
2021年12月11日(土)
京都府 ロームシアター京都 メインホール
OPEN 17:15 / START 18:00
<出演者> i☆Ris / 伊藤美来 / 鈴木杏奈 / Machico / 山崎はるか
MC:伊藤彩沙 -
2021年12月12日(日)
京都府 ロームシアター京都 メインホール
OPEN 11:45 / START 12:30
<出演者> 相坂優歌 / 伊藤彩沙 / 鈴木愛奈 / Mia REGINA / Run Girls, Run!
MC:伊藤彩沙 -
2021年12月12日(日)
京都府 ロームシアター京都 メインホール
OPEN 17:15 / START 18:00
<出演者> 安月名莉子 / EXiNA / 井口裕香 / TRUE / H-el-ical//
MC:伊藤彩沙
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2021年12月11日(土)
京都府 ロームシアター京都 メインホール
OPEN 11:45 / START 12:30
<出演者> ASCA / 熊田茜音 / 駒形友梨 / 鈴木このみ / halca
※Mia REGINAの出演は12月12日(日)昼公演のみ
- Mia REGINA(ミアレジーナ)
- 霧島若歌、上花楓裏、ささかまリス子によるアニソンボーカルユニット。秋葉原ディアステージにて出会い、2012年「アイカツ!」歌唱担当メンバーに抜擢され活動開始。その後もアニソンシンガーへの夢を追い続け、2016年8月に1stシングル「ETERNALエクスプローラー」でランティスからデビューした。アニソンを1000曲発表することを目標に掲げている。2020年9月に3rdアルバム「MIAUSEUM -キュレーション-」、2021年7月に9thシングル「月海の揺り籠」を発表した。11月にテレビアニメ「逆転世界ノ電池少女」オープニング主題歌「Fever Dreamer」をリリース。