「絶望」オンリーコンピの構想

──カップリングの「臆病者の眠り方」は「Happy life」とは真逆の曲ですよね。従来のMERRYのイメージとも言える歌謡曲調の哀愁漂うレトロなサウンドも魅力だし、歌詞ではシニカルな一面もあり。

結生　「Happy life」と対比させる意味でこの曲を選んだのはありますね。「Happy life」が喜怒哀楽でいうと“楽”だとしたら、こっちは“怒” にしようと思って。

ガラ　自虐的で怒りに満ちた歌詞ですけど、これも自分が思ってることなんですよね。「ほんと世の中バカばっか、クソみたいな奴ばっかりだな」っていう思いを、嫌いな人の顔を思い浮かべながら遊び心も交えて書きました（笑）。

──負の感情を曲に昇華したと。

ガラ　ええ。あと歌詞の最後にある「嗚呼 やっぱり僕は猫が好き」っていう1節がきっかけでフテネコ（芦沢ムネト考案の猫のキャラクター）とコラボしてるんですよ。歌詞書いてるときに「やっぱり僕は猫が好き」って浮かんで、「猫と言えばフテネコ！ これはフテネコとコラボしなきゃ」って直感的に思って。CDに付いてるステッカーにフテネコが登場してて、曲以外にも遊び心が出てます。

──そしてシングルの通常盤のカップリングには、怒髪天の増子直純さんが参加した「絶望」が入ってます。

ガラ　昔から付き合いはあるんですけど、増子さんが「絶望」を歌ったらすごくいいんじゃないかなって思ったんです。それで自分から直接連絡して。そしたらすぐ「面白いね。やろうやろう」って二つ返事で乗ってくれたんです。レコーディングではカッコよかったですねえ。パッと来て、1時間くらいでパッと帰っていって。増子さんが歌うと、“絶望”すらも飲み込むエネルギーが発せられるんですよ。

ネロ　ガラ以外のメンバーはレコーディングの現場に立ち会えなかったんですよ。でも音を聴いてるだけで、カッコいいなあと。

──今の増子さんって人生の応援歌を歌うイメージもありますけど、そもそもパンクの人ですし、「絶望」のようなタイプの曲も合いますよね。

ガラ　そうそう。今の怒髪天のイメージとかもあるんで、どうなるかなと思ったんですけどレコーディングが終わったあとに増子さんが「やっぱ、俺MERRYの曲合うわ」って言って帰ったんで。それがうれしかったですね。最後に増子さんに「口上入れたいんですよね」って言ったら、その場で考えてくれて。出だしに入ってる口上は、増子さんの即興です。

──「ZERO -ゼロ-」（2013年11月リリース）のカップリングでは、「絶望」をROTTENGRAFFTYとコラボしてますよね。ほかのアーティストとの「絶望」コラボはこのあとシリーズ化していくんでしょうか？

ガラ　そうですね。今後もいろんな人とコラボしていけたらと思ってます。最終的に「絶望」だけ入っているコンピが出せたらいいなあと。

ネロ　「絶望」っていうタイトルの曲に、こんなに伸びしろがあるのは面白いですよね。

ガラ　今回のシングルは表題曲が「Happy life」で、カップリングが「絶望」ってのが両極端で面白いと思ってるんですよ。増子さんとも歌えて、フテネコとのコラボも実現して……歌いたいことを歌えて、歌いたい人と歌えて。すごく満足のいく1枚に仕上がりましたね。あとはこれを全国に届けに行くだけです。

──それが2015年後半の目標でしょうか？

ガラ　はい。刺激的な対バンも増やしつつ、最後はMERRYらしく締めくくろうかなと思ってます。対バンツアーの成果を見せられるようなライブもやりたいですし。詳しくはまだ言えないですけど、まだまだ新しい情報が出てきますんで期待しててください。