世の中に見つからないのはもったいない、ミームトーキョーが放つ衝撃のシングル「アニモア」

ミームトーキョーのニューシングル「アニモア」がリリースされた。

ミームトーキョーはMEW、RITO、SAE、SOLI、MITSUKI、NENEで構成される6人組ユニット。2019年7月に行われたディアステージのオーディション「でんぱ組虹コンJr.メンバー募集オーディション」をきっかけに誕生し(参照:DEARSTAGEオーディションから生まれたユニット3組お披露目、TIFにも登場)、メンバーチェンジを経て2021年8月にTOY'S FACTORY内レーベル・MEME TOKYOよりシングル「THE STRUGGLE IS REAL」でメジャーデビューを果たした。そんな彼女たちにとって2作目のCDシングルとなる「アニモア」にはMITSUKIがファンだというウ山あまねが作詞作曲した表題曲、安藤紗々が作詞、NENEが作曲とラップ部分の作詞を担当したカップリング曲「OVERNIGHT」を収録。普段から曲作りをしてきたNENEがミームトーキョーの楽曲を書き下ろすのはこれが初となる。

音楽ナタリーでは韓国在住のSOLIを含むメンバー全員に初インタビュー。ほかのアイドルにはないミームトーキョーならではの強みや、ニューシングルの聴きどころ、初の大阪公演を含むツアー「MEMETIC DAYBREAK」についてアピールしてもらった。

取材・文 / 蜂須賀ちなみ

新時代のアイドルグループ

──ミームトーキョーは2019年に結成され、2021年7月に現体制になったんですよね。もともとはでんぱ組.incの妹分ユニットでしたが、オリジナル曲が徐々に増え、グループとしてのカラーが確立されてきているかと思います。皆さんからすると、ミームトーキョーはどんなグループですか?

RITO いろいろな個性を持っている6人ががんばって1つの作品を作っているようなイメージがあります。メンバーそれぞれ得意なことや好きなことが全然違うんですよ。

SAE アベンジャーズのようなグループだと思います。違うゲームのキャラクターが一堂に会したら最強!みたいな。

MEW 私は「異」という字が思い浮かびました。今2人が言ってくれたみたいに、それぞれ異なる何かを持っているグループだなと思うし、SOLIちゃんは韓国という異なる国で活動しているし。

──SOLIさんは韓国在住のため、コロナ禍の今は日本国内でのライブには参加できないものの、リモートでレコーディングやミュージックビデオには参加しているんですよね。違う国にいても一緒に活動できるのは今の時代ならではかもしれません。

SOLI そうですね。今日もこうしてインタビューに参加できているし、オンラインサイン会とか、ミームトーキョーでやっている「ミームトーキョーのナウいヤングラジオ」(FM FUJI)というレギュラー番組とか、リモートでもできる活動は全部参加していて。こういう特殊な形でも6人そろってミームトーキョーとして活動できているのが本当にありがたいし、これからもがんばっていきたいなと思っています。

SOLI

SOLI

──そんなSOLIさんは、ミームトーキョーをどんなグループだと思いますか?

SOLI ひと言で言うと「New Generation」かなと思います。新時代を感じさせるような、サイバーパンク的な音楽をメインにやっているので。

SAE ミームの曲はサウンドやアレンジが尖っているし、社会に対する不満や、内側から湧き出るものを歌っている曲が多いんですよね。私は2021年1月に加入したんですけど、ミームに入る前から曲は聴いていて、すごくカッコいいなと思っていました。そのあと7月にNENEちゃんとMITSUKIちゃんが加入して、新体制になってからはそれまでとは違ったテイストの明るい曲や、恋愛っぽい曲も増えてきて。いろいろなタイプの曲を歌えるグループになりつつあります。

無理難題を言われてもやり遂げる、真面目なミームトーキョー

──確かにそうですね。では、MITSUKIさんはミームトーキョーをどのように捉えていますか?

MITSUKI 多様性のあるグループですよね。曲のジャンルもすごく広いし、衣装もバラバラだし、髪色も全然違う。いろいろな面を持っている“つよつよスーパー女”という感じです!

──アイドルグループの場合、メンバーみんなでおそろいの衣装を着るケースも多いですが、ミームトーキョーはそうではないですよね。

SOLI 決まった衣装があったら自分で選ばなくてもいいから楽かもしれないとは思うんですけど(笑)、うちらにはちょっと合わないかなと。

RITO たぶん、生まれ育ってきた環境の中で培われる「これが好き」「これはあんまり好きじゃない」というのがみんなけっこうはっきりしているし、そのセンサーが敏感な人たちの集まりなんじゃないかなと思います。

──私は「ROAR」(2021年11月配信)のMVが好きなのですが、あの衣装は皆さん自身でスタイリングしたんですよね。

RITO そうですね。衣装を選ぶときは「こういう曲だからこのテイストにしよっか」と軽く相談はするんですけど、選んだ衣装を報告し合うことはせず、パッと現場に持ってきちゃうのがほとんどなんですよ。

NENE 「ROAR」のMVのときも「外に遊びに行くときのファッション」というテーマは一応あったんですけど、とりあえずみんな着たい服を持ってきた感じでした。

──そうだったんですね。ちなみにNENEさん、ミームトーキョーをひと言で表すと?

NENE “クソ真面目”ですね(笑)。無理難題を言われてもやり遂げてしまうというか。何事にも全力で取り組んでいるグループだなと私は思います。

──結成から3年、この6人になってから半年ほどの間でさまざまな出来事があったかと思いますが、ミームトーキョーにとって特に印象的だった出来事を1つだけ挙げるとしたら、それはなんですか?

MEW 今パッと思い浮かんだのは、NENEとMITSUKIが入ってきてから最初のワンマン「MEMETIC STRUGGLE」(2021年7月開催)ですね。それまでのライブは、ファンの人たちが私たちのことを“観ている”という感じだったんですよ。だけどその日のライブでは、ファンの人たちのことをちゃんと巻き込むことができた手応えがあって。

RITO コロナ禍のライブでどう盛り上げたらいいか手探りだったけど、ファンの人たちもノリノリになってくれていたよね。6人でのライブは初披露ということもあって、めちゃくちゃ気合いが入っていたし、当日まですごく練習したから、メンバーみんなの感情の入り具合も違って。会場の盛り上がり方もすごかったんです。「ああ、これがライブを楽しむということなのか!」と思いました。

MEW あの日はミームにとって大きなターニングポイントになったと思うし、それ以降ライブのやり方が変わった気がします。

「アニモア」の衝撃

──ここからはシングルの話を聞かせてください。まず、表題曲の「アニモア」は、作詞作曲をウ山あまねさん、編曲をウ山さんとKabanaguさんが手がけた楽曲です。MITSUKIさんはもともとウ山さんの音楽を好んで聴いていたんですよね。

MITSUKI そうなんです! この曲のデモが送られてきたとき、ライブの帰りでMEWちゃんとNENEちゃんと一緒にいたんですけど、その場ですぐに聴いて「何これ、ヤバ!」と叫んじゃって。ウ山さんの作る音って、いい意味でぶっ飛んでいると思うんです。なので、この曲を最初に聴いたときは「ミームでこんな曲を歌いこなせるのかな。ライブだとどうなっちゃうんだろう?」という心配もあったんですけど……だんだんと「歌うのが楽しみだな」という気持ちが上回っていったんです。3月のライブ「What's inside the box Vol.2」ではウ山さんご本人とのコラボで初披露もできたし、これから「アニモア」をミームの曲として歌い続けていけるなんて……「ミームトーキョーになれてよかった!」と改めて実感できました。お客さんの評判がよかったのもうれしかったです。

MITSUKI

MITSUKI

RITO 個人の感想ですけど、夜中に聴いたらオールできそうな曲ですよね(笑)。いい感じにアドレナリンが出るというか。

MITSUKI わかる!

SOLI 私も、聴いていると覚醒するような曲だなと思いました。

SAE 曲の展開も構成も今までに聴いたことがないくらい複雑なので、初めて聴いたときは衝撃があって。

MEW いっぱい音が聞こえてくるよね。

RITO そうそう。疾走感があって曲の流れがめちゃめちゃ速い感じがするし、脳をゴンッて殴られたような感覚にもなる。MEWちゃんのシャウトは、脳天にぶち込まれるよね(笑)。

MEW 私、叫ぶところを任されがちなんですよ。デモをいただいたときにも「ここはきっと私だろうな」と思ってました(笑)。

MEW

MEW

キーもテンションも高く

──レコーディングはいかがでしたか? 「What's inside the box Vol.2」では皆さんのエネルギッシュな歌唱が印象的でした。

MITSUKI 自分がイメージしているよりも3段階上のテンションで……いや、4、5つ上のテンションで歌うことを求められる曲だったので、大変でしたね。

NENE ボーカルディレクションでも「抜かなくていい」「ずっとパンチ、パンチで」という指示をいただきました。完成した音源ではエフェクトがたくさんかかっているんですけど、ライブでは生のボーカルとエフェクトが半々くらいのバランスになっていて。あとでライブ映像を観てみたら、私たちの声とエフェクトがいい感じに混ざりあっていたので「すごい! 面白い!」と思いました。

──キーがかなり高い曲でもありますよね。

NENE はい。今までのミームの曲もけっこう高いんですけど、それよりももっと上なので、(背伸びしつつ腕を上に伸ばしながら)もうこんな感じです(笑)。だから最初に聴いたときは「これはどうやって歌うんだろう?」とびっくりしたし、デモではボーカルのメロディが打ち込みだったこともあり「人間の声で歌ったときにどうなるんだろう?」と思ったんですけど、実際に歌ってみたら「自分ってこんな声も出るんだ」という発見があり、勉強になりました。

SAE あと、屋外のフェスで歌ったらめっちゃ気持ちよさそうだなと思いました。

──確かに。特に終盤のユニゾンで歌う部分は気持ちよさそうですね。

RITO ライブで歌ったとき、「ああ、みんなで歌うのっていいな……」としみじみ思っちゃって(笑)。

NENE ね(笑)。コロナが収束してお客さんも声を出せる世の中になったら、会場全員で歌いたいです。

──「What's inside the box Vol.2」での「アニモア」はウ山さんとのコラボだったこともあり、皆さんはボーカルに集中する形だったので、ここにダンスが加わるとどのようなパフォーマンスになるのかも楽しみです。

SAE 今回はTeam''S''さんに振り付けを作っていただいたんです。今まではメンバー1人ひとりのニュアンスをあえて残した、個性がぶつかり合うイメージの振り付けが多かったんですが、今回はみんなでビシッとそろえて迫力を出すようなところが多いし、とにかく動きが細かいんです。今までになかったダンスを通して、新しいミームトーキョーを見せられるのがすごく楽しみです。