mei ehara「All About McGuffin」特集|5年ぶりアルバムで描く、成長と変化 (4/4)

夢見心地のまま終わったアメリカツアー

──海外ツアーについては鳥居さんもご自分のnoteにとても面白いレポートを書いてますが、改めてツアーはいかがでしたか?

鳥居 アメリカにはずっと行ってみたいと思ってたし、しかもライブができるということで……meiちゃんやフェイには本当に感謝しています(笑)。特に2024年のツアーはスケールが大きすぎて、本当に夢を見てるようでしたね。全然現実感がないまま、夢見心地で終わったというか。あと、フェイたちのライブを観て、「アメリカのバンドって大きな会場でやるからこういう音作りをしてるんだ」みたいな発見もありました。

鳥居真道(トリプルファイヤー)

鳥居真道(トリプルファイヤー)

──それによって鳥居さんの音も変わった?

鳥居 もともとペラペラな音が好きだったんですけど、もうちょっとコシのある、太めの音になったような……気がしないでもないです。

mei 気がしないでもない(笑)。

鳥居 あと、2回目のツアーは巨大なツアーバスで移動する、本格的なアメリカ式のツアーでしたね。でも、僕は途中で体調が悪くなっちゃって。タフなツアーでした。

──そのツアーでは総勢何人ぐらいで回ったんですか?

mei フェイのチームは20人ぐらいだと思います。アーティストとツアーマネージャーが乗るバスが1台、クルーが乗るバスが1台、あとは機材車が1台で、大家族みたいなんですよ。そこによそ者の私たちが入っている状態でした。

──それは大変そうですね。

mei 大変でしたけど、すごく快適なツアーをさせてもらいましたね。自力で行けば、自分たちで自走して、機材を積んで毎回降ろしてという体力と精神力が必要なことをするわけで。それに、一生自力では叶えられないような歴史ある最大8000人規模の会場で演奏させてもらうなんて、ありがたい以外の何ものでもないです。ケアをしてもらいあまりにも快適で、フェイのバンドもスタッフも優しいし、とてもいい環境で演奏に集中できたのでぜいたくな経験だったと思います。

mei ehara、今後のビジョン

──鳥居さんは横で見ていて、meiさんの変化を感じる部分はありますか?

鳥居 風格が出てきましたね。カリスマ性をまとい始めたというか。

mei (笑)。昔からライブで緊張しないんです。その感覚が増しているのかな。その分、バンドメンバーの心配をしていました。

mei ehara

mei ehara

──座長としての自覚が出てきた?

mei 本当はもっとわがままに赤ちゃんみたいな感じでいたいんですけどね(笑)。ただ、フェイのツアーは彼女たちに迷惑をかけてはいけないし、感謝の気持ちがあるので、とにかく前座として素敵なツアーに貢献したかったんです。

鳥居 バンドとしても勢いだけで演奏することが減ったし、もうちょっと慎重にライブを作り上げられるようになりましたね。

mei やっとバンドらしくなってきたんでしょうね。次のアメリカのヘッドラインツアーがどうなるか。

──ヘッドラインツアーの前に、meiさんはソロセットでSE SO NEONのアメリカツアーにサポートアクトとして参加されます。SE SO NEONは今アジアでトップのバンドですし、そんなアーティストから声がかかるのは、meiさんの音楽が海を超えて届いているからだと思います。

mei この前出たSE SO NEONの新作「〈NOW〉」を事前に聴かせてもらったんですけど、彼女(バンドの中心人物であるファン・ソユン)はプロデュースもやっているので、いろんなジャンルにトライできる人なんだなと思いました。一昨年はCHSの作品に歌唱と作詞で参加しましたし、韓国の新しいバンドと出会うきっかけが増えてきたので、今後も交流できたらいいなと思います。

──アーティスト、バンドとしての今後の活動ビジョンなどがあれば教えてください。

mei ライブを重ねることで「こういうこともできるよね」ということがわかり始めてきたと思います。1人ひとりがどれぐらい成長することができるのか、どれぐらい視野を広げることができるのか、そこは今後の課題だと思いますね。制作に関しては、私が曲を作らないと始まらないし、将来的には海外で制作してみたいとも思ってます。いろんなことに挑戦できたらいいかな。

鳥居 バンドとしての伸び代はまだまだあると思うので、みんなでコミュニケーションを取りながら磨いていきたいと思います。

mei みんなミュージシャンなので、海外でライブをすることに対する思いがあると思うんですよ。海外で経験したことをそれぞれの活動に生かしてくれたら私はうれしいし、やる気につなげて私との活動も一生懸命やってくれたらなおうれしいです!

mei ehara

mei ehara

公演情報

mei ehara "All About McGuffin" TOUR US&JAPAN

  • 2025年9月23日(火)アメリカ サンフランシスコ Swedish American Hall
  • 2025年9月25日(木)アメリカ ロサンゼルス The Echo ※SOLD OUT
  • 2025年9月28日(日)アメリカ ニューヨーク Mercury Lounge ※SOLD OUT
  • 2025年9月30日(火)アメリカ シカゴ The Empty Bottle
  • 2025年10月19日(日)東京都 WWW X ※SOLD OUT

プロフィール

mei ehara(メイエハラ)

1991年愛知県出身のシンガーソングライター。学生時代に宅録を開始する。2017年にキセルの辻村豪文プロデュースによる1stアルバム「Sway」を発表しカクバリズムからデビュー。翌2018年に「FUJI ROCK FESTIVAL」に出演を果たした。2020年5月にセルフプロデュースした2ndアルバム「Ampersands」を発表。2021年にアメリカのシンガーソングライター、フェイ・ウェブスターのアルバム「I Know I'm Funny Haha」に参加し、2024年と2025年にはフェイのアメリカツアーのサポートアクトを務めた。2025年9月に約5年ぶりのフルアルバム「All About McGuffin」をリリース。9月末からはアメリカ4都市を巡るツアーを行い、帰国後の10月19日には東京・WWW Xでワンマンライブを開催する。