ナタリー PowerPush - MEANING
2年ぶり新作で戦う人々の未来に光を照らす
「Letter From TOKYO」「MEANING to be here...」に込めた思い
──アルバム終盤の、「Letter From TOKYO」から「MEANING to be here...」への流れは組曲みたいですね。
YOKKUN おっしゃるように、この2曲は組曲として作りました。
YUICHI 仮タイトルも「組曲」だったもんね。
──この「Letter From TOKYO」はインストナンバーですが、実は歌詞が存在するんですよね?
HAYATO そうなんです。ほかの曲は全部僕が作詞したんですけど、「Letter From TOKYO」だけはKAWAGUCHIくんが書いて。東京でバンド活動をしてる今の僕たちの思いがつづられてます。
──そこからオール日本語詞の「MEANING to be here...」へ続くと。
HAYATO 「Letter From TOKYO」に歌詞が付いてることを最初は知らなかったので、これにつながるような内容を書いたわけではないんですけど、自然とリンクする内容になりましたね。
──このタイトルは4月に発売されたDVD「MEANING to be here... / To the Future」と一緒ですね。
HAYATO そうなんです。「MEANING to be here...」というタイトル自体が普段僕らがやってる企画ライブの名前でして。「MEANING to be here...」という曲は最初英詞で書いてたんですけど、途中で「日本語にしたら、もっといろんな人に聴いてもらえるのかな?」と思って書き替えたんです。でもその時点ではまだタイトルは決まってなくて。それで歌詞の中に「俺たちがここにいる意味があるんだ」みたいな内容があったので、そこで親しみのあるこのタイトルにしようと。本当は別に「MEANING」だけでもよかったんですけど、「MEANING to be here...」のほうがしっくりきたんですよね。
曲を聴く対象を限定してしまうのが好きじゃない
──アルバムタイトルの「Shine Our Journey」についてですが、歌詞の中にも光や旅というワードがたくさん散りばめられてますよね。「Shine Our Journey」という言葉は直接出てきませんが、なぜこれをアルバムタイトルにしたんですか?
HAYATO レコーディングが終わってタイトルを決めなきゃってとき、大抵みんなふざけたことしか言わないので(笑)、お決まりとして毎回僕がいくつか案を用意するんです。
INOMAN 面白いタイトルは思いつくんだけど、真面目なタイトルは誰も思いつかないっていう(笑)。
HAYATO アルバムの中には未来に向けて光を照らすというような内容の歌詞が多くて。それとは別に、僕らみたいにドサ回りをしてるバンドマンの心に刺さるような歌詞を書けたらという思いもあった。そこに共通してるのって「旅」と「光」なんですよね。それで自分たちに言い聞かすわけじゃないけど、「自分たちの進む道を照らせ」っていう意味を込めて「Shine Our Journey」に決めて。バンドマンだけじゃなくて、仕事を一生懸命やってる人が聴いても「がんばろう」と思ってもらえたら最高だなと。
──それぞれ立ち位置が変われば、戦う対象が変わってくるわけですし。
HAYATO だから曲を聴く対象を限定してしまうのが好きじゃなくて。今だと原発とか震災とかいろんな問題があるけど、例えば1~2分くらいの曲で「NO NUCLEAR」と直接歌って反核を訴えるのもいいかもしれない。でもそれをMEANINGの世界観でやるとなるとどうしても限界を感じてしまって。だったら曲自体の世界観は今までどおりで、MCや普段の行動で姿勢を示していけばいいんじゃないかと。だから僕は世界中どこの国の人が読んでも何かしら当てはまるような歌詞を書きたいなと思ってます。
ジャケットのアイデアはMETALLICAのブラックアルバム
──最後にアルバムジャケットなんですが……この真っ黒に塗りつぶされたものがジャケットでいいんですよね?
YOKKUN ふふふ(笑)。ジャケットの印象、どうでした?
──光に満ちたタイトルなのにこの真っ黒なジャケットなので、最初は「え?」ってびっくりしました(笑)。
HAYATO そうですよね。正直僕もびっくりしてますよ。
YUICHI 簡単に言うと、イラストレーターにジャケットデザインを頼んでたんですけど、期日までに上がってこなかったんです。1カ月くらい余裕を持って締切を伝えてたんですけどね。それで「ジャケット、上がってこないね?」みたいな話をしていて、「まあまだ1カ月余裕があるし」と思って仕上がりを待ってたのに……。
HAYATO 「あれ?」みたいな。
YOKKUN その頃よく「ジャケットが上がってこなかったら、METALLICAのブラックアルバム(1991年発売の5thアルバム「METALLICA」の愛称)みたいに真っ黒なジャケットにしちゃおうか?」みたいな冗談を言ってたんですよ。そうしたら本当に締切を過ぎても上がってこなくて、「写真を使おうか、それとも誰かに絵を描いてもらおうか?」と意見が出たんですけど、「逆に本当にブラックアルバムみたいなジャケットにしてみたら面白いんじゃないか?」ってメンバーの意見が一致して。誰かにやっつけで描いてもらうくらいだったら真っ黒のほうがインパクトがあるしね(笑)。
──METALLICAの場合は真っ黒の中にバンドロゴやヘビのイラストが入ってるので、MEANINGのジャケットもただ真っ黒なだけじゃなくて何か描いてあるんじゃないかと思ったんですけど……本当に真っ黒なだけで(笑)。
HAYATO 真っ黒なだけですね(笑)。
YUICHI タイトルと真逆ですからね。
HAYATO でもこのジャケットになったからといって、これを世に出すのが恥ずかしいとか嫌だとかいう気持ちは一切なくて。今からCDショップの店頭に並んだときの絵がすごく楽しみなんです。
──インパクトっていう意味では今年一番だと思いますよ。DVD「MEANING to be here... / To the Future」も黒メインのアートワークだったので、そこでの統一感もあるし。と、勝手に解釈させてもらいましたが(笑)。
HAYATO 僕らの狙いをわかってらっしゃいますね(笑)。
YUICHI 裏の裏をね(笑)。
YOKKUN やっぱりみんなびっくりしますよね、間違ってるんじゃないかって。
INOMAN ちゃんと「これが正式なジャケットです」って書いておいてください(笑)。
- ニューアルバム「Shine Our Journey」 / 2012年10月24日発売 / 2300円 / PIZZA OF DEATH RECORDS / PZCA-58
- ニューアルバム「Shine Our Journey」
収録曲
- Brave Heart
- Hero
- Here For You
- Keep Our Faith Alive
- Infection
- Pain
- Stand Up
- Moral
- Letter From TOKYO
- MEANING to be here…
- Smile
MEANING(みーにんぐ)
HAYATO(Vo, G)、KAWAGUCHI(G, Cho)、YOKKUN(G, Cho)、YUICHI(B)、INOMAN(Dr)からなる5人組バンド。2004年にツインギターを擁する4人編成で活動を開始し、都内を中心にライブ活動を展開する。2005年にYOKKUNが加入。国内外のバンドとの競演や東南アジアツアーを経て着実に知名度を高めていく。2009年にYUICHIが加入し現在の編成となる。2010年5月にPIZZA OF DEATH企画のコンピレーションアルバム「The Very Best of PIZZA OF DEATH II」に参加。これがきっかけとなり、同年11月に1stフルアルバム「BRAVE NEW WORLD」を同レーベルからリリースした。2012年に入ると東日本大震災チャリティシングル「THE UNBROKEN HEART」を自主制作で発売。同年4月には初の映像作品と10分を超える大作シングルのカップリング作品「MEANING to be here... / To the Future」を発表した。9月には東北で開催された「AIR JAM 2012」にも出演。続いて10月に2ndフルアルバム「Shine Our Journey」をリリースした。