ナタリー PowerPush - MEANING

2年ぶり新作で戦う人々の未来に光を照らす

MEANING節が全面に散りばめられたのが「Brave Heart」

──そしていよいよ2年ぶりのアルバム「Shine Our Journey」が発売されます。このアルバムは、まず1曲目「Brave Heart」のイントロで驚かされるわけですが。

YOKKUN あれはちょっと奇跡的だったね。

インタビュー写真

INOMAN 1stアルバム「BRAVE NEW WORLD」はKAWAGUCHIの弾くアコギから始まったんで、今回はドラムから始めたいねって話をしてたんですね。なんだったら和太鼓を入れたいくらいの感じだったので、僕がドラムメーカーのPEARLに和太鼓を借りることができないかお願いしたんですけど、ちょうど貸し出せるようなちゃんとした和太鼓がなくて。仕方ないのでタムやキックを代用してレコーディングしたんです。で、そのレコーディングの日にちょうど近くでお祭りをやってまして、エンジニアさんが「作業がスムーズに進んだんで休憩しましょうか」と言ってくれて。

HAYATO レコーディング初日だったのに、お祭りに行っちゃったという(笑)。

INOMAN で、出店でいろいろ食ったりとかしてたらめちゃめちゃデカイ和太鼓が置いてあって、お祭りに参加してる人たちが叩いてたんですよ。それを観て「これはもしかしたらもしかするんじゃないか?」と思って、試しに「レコーディングで貸してください」ってお願いしたら「わかりました」と。それで太鼓を叩いてたお兄さんに和太鼓の叩き方を教わったんです。それで録音したリズムに、演説の音声を重ねて。

HAYATO あれはある女の子の有名な演説をちょっと抜粋させてもらって。環境保護か何かを訴える演説だったかな。その演説の一部に「未来のために戦っていかなきゃいけないんだ」っていうような、印象的な言葉があって。それが今回のアルバムで自分たちが表現したかったこと、伝えたかったことと通ずるものがあったので、入れてみたら面白いかなと。

──「Brave Heart」はすごくインパクトのあるイントロから、その後も一筋縄でいかない複雑でヘビーなアレンジが続いていきます。この作風は1stアルバムでも感じられたものですが、ここではより進化してますね。

HAYATO これは完全に作ったKAWAGUCHIくんの趣味がモロに出てる感じだよね。

YOKKUN 最初の段階でこういう複雑な展開を持つ曲を作ってきていて、「なんていうんだろうね、こういう音楽って」という話はよくしてたんです。でも最終的にはMEANINGのオリジナルとしか表現のしようがなくて、そういうMEANING節が全面に散りばめられたのが「Brave Heart」なのかなと。アルバム全体を見渡しても多分1stアルバムより展開が激しい曲がたくさん詰まってるんじゃないかな。

1曲の中に好きな要素をこれでもかと詰め込む

──そういう展開の激しい曲が並んでいますが、アルバムを通して聴いたときの取っ付きにくさというのはあまり感じられなくて。いろんなフックが用意されているから、最後までスーッと聴けました。

INOMAN 主に曲を作ってるのがKAWAGUCHIで、何曲かはYOKKUNが作ってるんですけど、みんな曲を作るときに1曲の中に好きな要素をこれでもかと詰め込むんです。それもただ詰め込むだけじゃなくてちゃんとドラマ性を考えていて、アルバム全体の見え方をちゃんと頭の中に入れてから作ってるんですね。で、何曲か出来上がっていくと完成した曲を見て「アルバムの1曲目にくる曲を作りたい」と考える。そうやってアルバムの流れを考えながら曲を作っていくから、通して聴きやすいんじゃないかと思うんです。

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YOKKUN 1曲が長い分、その流れの部分を重要視していて。展開が複雑だと聴くのが飽きちゃうみたいなこともあるので、そこは意識しながら長さを感じさせない曲を狙って作ってます。だからそう言ってもらえるとすごくうれしいですね。

HAYATO 自分たちは作ってる側だから客観的に聴くのは難しいんですけど、自分がこのアルバムを聴いたときも、変な話だけど前のアルバムよりも聴きやすいなって思ったし。周りの人からも「通して聴きやすかったよ」と言われたので、ちゃんといいものができたのかなっていう手応えは感じてます。

これからもっと日本語の比率が増えるかもしれない

──歌詞についてですが、今作は何かに立ち向かっていくことをテーマにした楽曲が多いと思いました。今作ではそういうテーマの元、歌詞を書いていったんですか?

HAYATO いえ、そういうテーマを自分で決めたわけではないけど、単純に今思ってることや等身大で書けることをまとめたら「勝ち取っていこう!」みたいな内容ばかりになって。

──なるほど。英詞がメインですけど、ところどころで日本語詞が入ることによってすごくドキッとさせられますね。

HAYATO 日本語って耳で聞いたときに一瞬で入ってくるじゃないですか。それが面白いかなと思って。ずっと英詞でやってきたから昔はそういう考えはなかったんですけど、次第に面白く思えてきたので今は違和感なく自然にやれてます。だからもしかしたら、これからもっと日本語の比率が増えるかもしれないですよ。

──やっぱり日本語って普段使ってる言語なので、すごくストレートに伝わりますし。

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HAYATO ストレートすぎるから逆に言い方がキツくなっちゃって、その結果英語に変えることもあります。その日本語のイメージが強すぎるのも嫌なんで、そうならないようにちょっと英語でぼかしてあげると、違う解釈ができたりするので。それに歌詞ってみんながみんな読むわけじゃないし、多分うちのメンバーも普段は読まないんじゃないかな。よっちゃんも読まない派って言ってたもんね。

YOKKUN うん。

HAYATO 「音」で感じるみたいな。英詞の曲を聴くときってそういう人が多いと思うんですよ。だからどんなにこだわって歌詞を書いても、音の響きが良いか悪いかで判断されてしまう。でも日本語で歌えば嫌でも言葉の意味が理解できてしまうじゃないですか。だったら1曲まるまる日本語の歌詞にしてみたらどうなるのかなと思って、今回のアルバムで試してみたんです。

ニューアルバム「Shine Our Journey」 / 2012年10月24日発売 / 2300円 / PIZZA OF DEATH RECORDS / PZCA-58
ニューアルバム「Shine Our Journey」
収録曲
  1. Brave Heart
  2. Hero
  3. Here For You
  4. Keep Our Faith Alive
  5. Infection
  6. Pain
  7. Stand Up
  8. Moral
  9. Letter From TOKYO
  10. MEANING to be here…
  11. Smile
MEANING(みーにんぐ)

HAYATO(Vo, G)、KAWAGUCHI(G, Cho)、YOKKUN(G, Cho)、YUICHI(B)、INOMAN(Dr)からなる5人組バンド。2004年にツインギターを擁する4人編成で活動を開始し、都内を中心にライブ活動を展開する。2005年にYOKKUNが加入。国内外のバンドとの競演や東南アジアツアーを経て着実に知名度を高めていく。2009年にYUICHIが加入し現在の編成となる。2010年5月にPIZZA OF DEATH企画のコンピレーションアルバム「The Very Best of PIZZA OF DEATH II」に参加。これがきっかけとなり、同年11月に1stフルアルバム「BRAVE NEW WORLD」を同レーベルからリリースした。2012年に入ると東日本大震災チャリティシングル「THE UNBROKEN HEART」を自主制作で発売。同年4月には初の映像作品と10分を超える大作シングルのカップリング作品「MEANING to be here... / To the Future」を発表した。9月には東北で開催された「AIR JAM 2012」にも出演。続いて10月に2ndフルアルバム「Shine Our Journey」をリリースした。