タイアップ曲から“ぶっ飛び曲”まで、眉村ちあきがやりたいこと詰め込んだ「ima」

眉村ちあきがニューアルバム「ima」(アイマ)をリリースした。

「ima」には眉村にとって新たな代表曲となりつつある「悪役」や、「この朝を生きている」「愛でほっぺ丼」「KARAAGE WARS」といったタイアップ曲、堂島孝平を迎えた「フリースタイルハンドメイド」、天真みちるとのデュエット曲「Blaze of Glory」など全18トラックが収録されている。

音楽ナタリーが眉村の作品に関するインタビューを行うのは今回が初。眉村本人に前回のアルバム「日本元気女歌手」から現在に至るまでの変化や、他アーティストとの交流、新曲のレコーディング秘話などをたっぷりと聞いた。さらに最終ページでは「野心家・眉村ちあきの3つの夢 2022」と題し、眉村が今年実現したい夢を直筆イラストとともに発表。彼女のさまざまな表情が見られるフォトギャラリーも掲載する。

取材 / 臼杵成晃文 / 寺島咲菜撮影 / YURIE PEPE

心を開けば友達ができる

──まずは前回のアルバム「日本元気女歌手」(2020年12月発売)から現在までの活動を振り返りたくて。2020年12月に初の日本武道館ワンマンがあったり(参照:勇者・眉村ちあき、初の日本武道館ライブで一番魅力的な自分を発見)、昨年1月に広瀬香美さんとNHK「SONGS OF TOKYO」でコラボしたり、4月には矢沢永吉さんの「矢沢塾」(NHK総合「NHK MUSIC SPECIAL」内コーナー)に出演したり……。

ヤバかったです(笑)。

眉村ちあき
眉村ちあき

──いろんなイベントへの参加も続いて、最近もでんぱ組.incとのツーマンライブ(参照:DIVAの眉村ちあき、キラキラ輝くでんぱ組.incが競演!サンバも踊ったにぎやかツーマン)がありました。「ima」リリース発表時のコメントで「2021年はすっっごくたくさん、心を開ける友達ができて、人間に興味津々になった」とおっしゃっていたように(参照:眉村ちあきニューアルバムは堂島孝平ら参加の18曲収録、2年ぶり全国ツアーも決定)、ここ最近はアーティストと交流する機会が以前より増えましたよね。

刺激が欲しくて「ねえねえ何してるの?」といろんな人に話しかけるようになったんです。コロナ禍で映画を観て曲を作って……というのを一昨年から繰り返していたんですけど、つまんないなって。いきなり話しかけると不審者に思われそうだからなかなかできなかったんですけど、「勇気出せば話しかけられるじゃん!」と気付きました。おかげで友達がめっちゃ増えた(笑)。

──眉村さんはインディーズ時代から1人で変なところを突っ走っているというか、孤軍奮闘をしている印象で、人脈を広げることに重きを置いていないイメージがありました。

そうですね。音楽作りは1人でできるし、あんまり人に興味はなかったです。

──1人でなんでもできることが武器でもありますしね。

“弾き語りトラックメイカーアイドル”という肩書きは今でも強みですけど、人の力を借りれば思わぬアイデアが生まれるということがわかって。「この人は私じゃ思い浮かばないベースラインを作ってくれるから任せてみよう」と依頼もするようになりました。TOY'S FACTORYを通して知り合ったミュージシャンとか、すごい人たちに思い切って「えい!」ってお願いしてみたら「あれ? いいじゃん」って(笑)。

──眉村さんがメジャーに行くと決まったときは(2019年5月にアルバム「めじゃめじゃもんじゃ」でメジャーデビュー)、関わるスタッフの数が増えてストレスになるんじゃないかと心配していました(笑)。

心配かけてましたか! 今でもTOY'S FACTORYのA&Rとはケンカはしてますよ(笑)。例えばコンペにエントリーするときとかタイアップソングを作るときは、自分の意見を曲げなきゃいけない局面もあります。「本当は譲りたくないけど、しょうがないから変えてあげる。フン!」みたいな感じでオーダーに応える。でもコンペに参加すると決めたのは自分だから、時にはクライアントの意見も聞かなきゃと思います。

眉村ちあき
眉村ちあき

──大人ですね。

タイアップじゃない曲は好き勝手に作ってますよ。それにTOY'S FACTORYの稲葉(貢一)社長には契約前に「自由にやります」と伝えてあるので。もし不自由になったら「話が違います!」って言うと思います(笑)。

刺激的で最高なバンドワンマン

──ミュージシャンとの関わりで言えば、昨年9月に行われた初のバンドワンマン「眉村ちあきの音楽隊」はいかがでしたか?(参照:眉村ちあきが音楽隊率いてパフォーマンス、笑顔あり涙あり嫉妬ありのサンプラザ公演

バンドメンバーには越智俊介(B / Shunské G & The Peas、CRCK/LCKS)さん、兼松衆(Key)さん、qurosawa(G / POLLYANNA)さん、小西遼(Sax / CRCK/LCKS)さん、吉田雄介(Dr / tricot)さんがいて、ホントにスペシャリスト集団だったんですよ。皆さんに各パートの演奏を任せたら、自分じゃ思い付かないフレーズをどんどん弾いてくれて、「音楽やってるな」と実感しました。刺激的で最高でしたね。勉強になりました。

──今後もバンド編成でのライブはやりたい?

はい。でもメンバーがいると「水飲みたいかな」「ちゃんと意見言えてるかな」とか気を遣っちゃうから、基本的には1人でステージに立ちたいです(笑)。

──「眉村ちあきの音楽隊」と同時期に、土岐麻子さんや堂島孝平さんとともに「YANO MUSIC FESTIVAL 2021 ~ヤノフェス 歌う王国~」にも出演されました(参照:王国中の歌自慢が一挙集結!コラボも続々飛び出した「ヤノフェス 歌う王国」)。

多くのミュージシャンが出るイベントでは「絶対に爪痕を残すぞ」って燃えるんですけど、「ヤノフェス」は平和すぎたので「みんな倒してやる!」という戦闘モードにはならなかった(笑)。コロナ禍でライブの本数が減ったことで、モチベが少しずつ変わった気がします。ライブのためにトラックを作るようになったし、これまで以上に準備に時間をかけるようになりました。

“弾き語りトラックメイカーアイドル”の増加

──昨年、有観客ライブに代わって行われたオンラインライブ「飛び出せ!日本元気女歌手ツアー」ではさまざまな技術を駆使して世界中を周りました。“アラスカ・北極・南極・アフリカ編”のMCで「私は上に行きたいの! ただひたすら上しか見ていない。私は自分のことを最高だと思ってるの」とおっしゃっていたのが記憶に残っています(参照:「私は上に行きたいの!」眉村ちあきが“異国”の地から伝えた熱い思い)。奔放に活動している印象がある一方で、上昇志向はしっかりあるんだなと。

売れないとできないことがいっぱいあるので(笑)。アリーナ規模の会場でライブして、火や水の演出でマユムラー(眉村ちあきファンの呼称)を驚かせたい。「飛び出せ!日本元気女歌手ツアー」の配信前に「矢沢塾」の収録があって、矢沢さんが「上に行きたいんだよ」と言ってたんです。その発言に触発されたんだと思います(笑)。

眉村ちあき

──矢沢さんは明確な信念があって、やりたいことを具現化しようと常に努力し続けてサクセスをつかんだ方ですよね。何か通じるものがあるかもしれない。

おこがましいんですけど、矢沢さんとは波動が似てると思ったんですよ。それは広瀬香美さんにも感じました。お二人とは絶対に仲よくなれると思うんです。ただ、さすがに「友達になりましょう」とは言えない(笑)。

──ほかにも影響を受けた人はいますか?

清竜人さんの曲はめっちゃ聴いてます。岡村靖幸さんのライブもけっこう観ていてお手本にしていますね。よくダンサーさんを呼んだり、ライブアレンジをされたりしているので、自分のライブでもいろいろと工夫しなきゃなと刺激を受けます。

眉村ちあき
眉村ちあき

──誰かに影響される部分もあれば、譲れない部分がさらに明確になるところもある?

そうですね。自分でパソコンを使ったりギターを弾いたりして自由にやるっていうライブスタイルは変えたくないなって。最近、私を好きと言ってくれてる子が同じようなスタイルでライブしていて、「ついにマネされるようになったんだ!」と思ってうれしかったですね。

──“弾き語りトラックメイカーアイドル”が増えてきた(笑)。

そうなんです! 自信につながりますね。