まねきケチャ|新体制になって1周年 この5人でさらに上のステージへ

「ゲゲゲの鬼太郎」効果で客層に変化が

──ここからは12月18日にリリースされるニューアルバム「あるわけないの」について伺います。リード曲「あるわけないのその奥に」はアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」のエンディングテーマで、ホラーテイストのナンバーになっていますね。

松下 「普段『あるわけない』と思って見過ごしてしまうこと」について歌った曲です。みんなでマネできる振り付けになっているので、ぜひそこにも注目してほしいです。

深瀬 実際ライブでは振り付けをマネしてくださる方が多いですし、「今までにないようなカッコいい曲だね」という声もよく聞きます。

──まねきケチャが「ゲゲゲの鬼太郎」のエンディングテーマを担当するのは2回目です。そのことでライブの客層に変化は起きましたか?

松下 小さい子供がライブに来てくれることが増えました。「ゲゲゲの鬼太郎」のイベントに出演したときは特に子連れのお客さんが多く観に来てくれて。幅広い世代の方にまねきケチャのことを知ってもらえるようになったと思います。2回もエンディングテーマを担当させていただけるとは思っていなかったですし、すごくうれしいことです。

──「あるわけないのその奥に」のMVは「ゲゲゲの鬼太郎」に合わせたおどろおどろしい雰囲気になっていて、メンバーはゴージャスなドレス姿を披露していますね。

深瀬美桜

深瀬 「鏡の中から」のMVが和のテイストだったのに対し、今回は洋風になっていて。ロココ調のドレスを着て群馬のきれいなお城で撮影して、とても楽しかったです。

松下 スカートが広がるように中にワイヤーみたいなものがあったんですけど、めちゃくちゃ歩きづらくて(笑)。すごく重かったし、みんなスカートを踏みまくってました。

宮内 私たちみんな身長が高くないので、スカートを引きずってしまうんです。あのドレスを着た状態で踊るのはすごく大変でした。

武道館で歌ったソロ曲を全員バージョンで

──ニューアルバムには14曲が収められていますが、それぞれお気に入りの曲はありますか?

中川美優

中川 このアルバムには去年の武道館公演で歌ったソロ曲が、メンバー全員で歌唱したバージョンで収録されているんです。どれもオリジナルとは違う雰囲気になっているので、ぜひ聴いてほしいです。

──ソロ曲はそれぞれテイストが異なりますが、昨年どういう経緯でこの4曲が作られたのか、改めて聞かせてもらえますか?

中川 スタッフさんからどういう曲を歌いたいか聞かれたんです。例えば玲緒菜は「アニソン」と答えて。

松下 私はアニソンやボカロ曲が好きなので、タイトルも「漫画みたいに恋したい」という2次元を意識したものになっています。セリフパートもあって、ストーリー性がある曲です。

深瀬 私は特にリクエストしなかったんですが、「ジャンプ」という元気いっぱいの曲を用意していただきました。

──深瀬さんのキャラクターが反映されたんですかね。

深瀬 そうだと思います(笑)。

中川 「ジャンプ」は間奏にアクロバットのパートがあるんですよ。あと、凛ちゃんはK-POPが好きなので、「Guess!!」というEDM調の曲になりました。私は武道館公演で卒業した(藤川)千愛ちゃんと「虹を探しに」という曲を歌ったんですが、スタッフさんには「2人で掛け合いながら歌うような曲がいいです」とリクエストしました。

──「虹を探しに」は、ほんわかした雰囲気の楽曲ですよね。

中川 「こういう曲がいいです」と、ハンバート ハンバートさんの曲をスタッフさんに送ったんです。私はいろんなジャンルの音楽を聴くんですけど、そのときは絵本をイメージしたような曲を千愛ちゃんと歌いたいと思ったんです。

まねきケチャ

コールが入ることで曲が完成する

宮内凛

──中川さん以外の4人は、アルバムのイチオシはどれですか?

宮内 私は12曲目の「SPLASH」という曲です。3年くらい前からある曲なんですけど、今の5人で新しく録り直しました。季節外れではあるんですが夏の曲で、お客さんも一緒にタオルを振り回してくれるライブ映えする曲なんです。ワンマンでは必ずやる曲なので、まねきケチャをあまり知らない方も「SPLASH」だけ覚えて来てくれればライブを楽しめると思います。

松下 私はやっぱり「あるわけないのその奥に」がイチオシですね。「あるわけないの」というアルバムのタイトルも、この曲から引用しました。4曲目の「あるわけないのその奥に」から5曲目の「鏡の中から」へと、「ゲゲゲの鬼太郎」のエンディングテーマが続く流れが好きです。

深瀬 私は新曲の「愛と狂気とカタルシス」がお気に入りです。「すごいタイトルだな」というのが第一印象で(笑)、カタルシスという言葉の意味を初めて知ったんですけど、ライブでは感情を解放させるように歌っています。

──「愛と狂気とカタルシス」は、まねきケチャらしいエモーショナルなナンバーですね。篠原さんの推し曲は?

篠原葵

篠原 私は1曲目にある新曲の「共通項」です。「自分と好きな人の共通項ってなんだろう?」ということを歌っていて、サビで同じフレーズを繰り返しているので聴いていて覚えやすい曲だと思います。

松下 振りもかわいい感じになっていて、マネしやすいです。

──アルバムには「きみのいない世界に」という新曲も収録されます。「共通項」と同じくミディアムバラードだけど雰囲気は対照的で、かわいいというよりはシリアスな楽曲です。

宮内 展開が難しい曲で、レコーディングでは苦労しました。まだライブで披露していないんですが(※取材は11月中旬に実施)、ファンの方がコールを考えてくださって完成する曲だと思うので、どういうコールが入るのか楽しみです。歌っていくうちにどんどんエモくなるような曲です。

──まねきケチャの一番の代表曲である「きみわずらい」に通じる部分があるのかもしれませんね。

宮内 「きみわずらい」も最初から今みたいなコールがあったわけではなく、ライブで披露していくうちにコールと共に有名になっていったので、「きみのいない世界に」もそんなふうに育ってくれたらうれしいです。

松下 あと、最後の「ア・イ・シ・テ・ル」というフレーズは耳元でささやくようなウイスパーボイスになっていて、イヤフォンやヘッドフォンで聴いたらドキっとすると思います。


2019年12月18日更新