まねきケチャ|新体制になって1周年 この5人でさらに上のステージへ

まねきケチャが12月18日にニューアルバム「あるわけないの」をリリースする。

昨年12月に篠原葵が加入し、新体制での活動をスタートさせてから1周年を迎えたまねきケチャ。前体制では東京・日本武道館でのワンマンライブという大きな挑戦を経験した彼女たちは、新体制でも夏のアイドルフェス「@JAM EXPO 2019」でメインステージのトリを務めたり、結成4周年記念ライブでバンド演奏に初挑戦したりと、ペースを落とすことなく活動を続けてきた。

ニューアルバム「あるわけないの」は、アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」のエンディングテーマ「あるわけないのその奥に」など計14曲を収めた作品で、現在のまねきケチャの魅力を存分に味わうことができる。音楽ナタリーではメンバー5人に最近の活動を振り返ってもらいつつ、ニューアルバムの収録曲や1月4日の東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)公演について話を聞いた。

取材・文 / 近藤隼人 撮影 / 佐々木康太

ゲームを1カ月我慢して楽器の自主練

──ニューアルバムについて伺う前に、今年の夏の活動を振り返らせてください。8月にはアイドルフェス「@JAM EXPO」で、初日のメインステージのトリを務めました。今年の「@JAM EXPO」は過去最高の集客となったそうですね。

宮内凛 有名なアイドルの方々が大勢そろっている中でメインステージのトリを務めさせていただいて、「ここでワンマンをやったら気持ちいいだろうな」という思いが湧きました。緊張もしたんですが、お客さんとの一体感がすごくて、1年前の日本武道館ワンマンで味わった感覚が蘇ってきて、この5人でもっと大きいステージに立ちたいと思いましたね。

深瀬美桜 会場が広いので、歌声がとても響くんですよ。より歌に感情が入りましたし、後ろのほうにいるお客さんにも気持ちを伝えられるようなアイドルになりたいと改めて思いました。

まねきケチャ

──結成4周年を迎え、アイドルシーンを引っ張る側の存在になってきたように感じます。

松下玲緒菜

松下玲緒菜 今年も解散したアイドルグループが多かったじゃないですか。そんな中で活動を続けられているのはファンの方のおかげですし、いい楽曲を提供してもらえているのはすばらしいことだと感じています。

宮内 まねきケチャは初期からメンバー交代を何度か経験してきましたが、この5人でもっとがんばっていきたいという気持ちが強いです。

──「@JAM EXPO」の1週間後に千葉・舞浜アンフィシアターで行われた結成4周年記念ライブ「4周年だよ!まねきケチャ」では、メンバーによるバンド演奏が披露されました。松下玲緒菜さんと篠原葵さんはギター、中川美優さんはキーボード、深瀬美桜さんはベース、宮内凛さんはドラムを担当しましたね。

宮内 ほぼみんな初心者でしたが、前からメンバー同士で「バンドをやりたいね」と話していたんです。ワンマンに向けて1カ月くらい練習したんだっけ?

松下 そうだね。新曲のレッスンとかもあったんですけど、毎日家でも練習して詰め込みました。

──練習は大変でしたか?

深瀬 大変でした。ホントにイチから始めたので指も全然慣れなくて。当日は「タイムマシン」と「どうでもいいや」の2曲を披露したんですが、1曲分しか完成させられないんじゃないかと焦りました。でも、自分たちの曲をバンドで演奏することが1つの夢だったので、がんばって2曲練習しました。

中川美優

中川美優 私はみんなと合わせるまでゲームを1カ月我慢して自主練習しました(笑)。追い込まれてましたね。

──パート分けはどのように決めたんですか?

深瀬 メンバーのうち何人かは自分の生誕祭で少し演奏した経験があり、「みんなでバンド組めるかもね」という話をしていたんです。私は残りのパートのベースを選び、葵ちゃんも新たにギターを始めました。

篠原葵 何もわからずに始めたので、とにかく覚えるのが大変で、指が痛くなりました。でも、ワンマンで披露できたときの達成感はすごかったです。

指先までガチガチに

──「タイムマシン」「どうでもいいや」の2曲を選んだのはどうしてですか?

宮内 まねきケチャの楽曲って、プロの方でも演奏が難しい曲が多いらしいんですよ。アップテンポの曲だと特にハードルが高いので、歌いながら演奏することを考えたらその2曲がいいかなと考えたんです。それに代表曲でもあるので、ファンの方が「おお!」と思ってくださるんじゃないかなと。

深瀬美桜

深瀬 ずっと練習をしていることを隠していて、当日に発表したので皆さん驚いてました。

松下 ライブの中盤で披露して、それまでは楽器のセットも隠していたんです。一旦私たちが袖に捌けている間にセットが組まれて、お客さんがザワザワし出して。「メンバーが演奏するんじゃなくて、バックバンドが登場するのかな」と考えた方が多かったみたいで、皆さんを驚かせることができました。

──満足のいく演奏ができました?

松下 私はギターソロを弾いたんですが、リハーサルのときは1回もちゃんと弾けなかったんです。でも、本番では無事に成功したのでホッとしました。

深瀬 普段味わったことのない緊張感があって。指先までガチガチに力が入るくらい緊張しました。演奏後は達成感というより、がんばって練習してきたものを成功させられてよかったという安堵感が大きかったです。

篠原 ファンの方に「カッコよかった」とたくさん言ってもらえて、すごくうれしかったです。

深瀬 今度またバンド演奏に挑戦するとしたら新曲をやりたいですね。新しいアルバムにはバンドサウンドの曲がけっこうあるので。

中川 「昨日のあたしに負けたくないの」とか、バンドで披露したらよりカッコよくなるんじゃないかな。


2019年12月18日更新