前島亜美&愛美、テレビアニメ「灰原くんの強くて青春ニューゲーム」テーマソングで示すそれぞれの飛び方 (3/3)

飛んでる方向がちょっと違う

──偶然なのか意図的なのかわかりませんが、「Fly Again!!」も「ドラマチック逃避行」も「飛ぶ」こととリンクしているのが興味深くて。

愛美 確かに。でも、「ドラマチック逃避行」の逃避行は現実逃避だから、内にこもるような逃げ方なんですけどね。灰原くんは人生をやり直せているけれど、タイムリープする前の灰原くんがどうなっているのか……過去の黒歴史って目を背けたくなるじゃないですか。そういうところから「現実逃避ってテーマ的にいいな」と思って、妄想も含めて現実逃避を軸として書きました。

前島 「Fly Again!!」は未来に向けて羽ばたこうとしているから、飛ぶ方向がちょっと違うんですね。

──お互いの歌詞の中で好きなフレーズは?

左から前島亜美、愛美。

左から前島亜美、愛美。

愛美 私は「ああ 後悔ばっか 強くならなくちゃ 贈られたチャンス 僕のStory 主役になるからさ」が好きだなあ。あみたがセンターとしてがんばれる子だというところにもつながるんですけど、あみたは責任感がすごく強いイメージなので、センターを担う覚悟があるなと私は感じていて。主役になる決意が、この歌詞から強く伝わってきました。あみたは「Fly Again!!」の歌詞で、特に気に入っているところってある?

前島 私は「どこにいたって 僕の世界だ。」が灰原くんらしくて好きなの。今挙げてもらった歌詞はすごくあいみんっぽいですよね。選ぶフレーズによってその人の内面が出ますね。私は「ドラマチック逃避行」のどのフレーズも好きなんだけど……特にド頭の「主人公のつもりでした(灰になる灰になる)」がすごく好き。私も自分の曲で作詞させてもらう機会があるんですけど、最初のAメロが一番出てこないんですよ。

愛美 そうなんだ。

前島 歌詞の入り口だから、どんなふうに物語を始めていくかいつも悩むんですけど、「主人公のつもりでした(灰になる灰になる)」はド頭でアニメの世界を言い表していて、最高だなと思いました。あと、Bメロの「惨めな僕を嗤ってんだろ?」も「わかる!」とすごく刺さったなあ。

愛美 学生時代って「自分は特別!」という謎の自信があるじゃないですか。そうじゃなかったと気付かされたり、被害妄想に陥りがちなところも、「惨めな僕」という言葉に込められていて、自分を負け組だと認識してちょっと卑屈になっちゃう、そんな者たちの嘆きを表現してみました。

前島 素敵です。

愛美 私は歌詞の1行目、わりとスッと出てくるかも。Aメロが最初に出てきて、その次にサビが出てきやすくて、Bメロは迷いがちかな。このAメロからサビにどういう感情でつなげようか、矛盾がないようにするにはどうすればいいのかは、一番注力するかもしれない。

前島 私はDメロから書くことが多くて。

愛美 へえ、そうなんだ!

前島 一番伝えたいことをDメロとかラストのサビで言いたくなっちゃうので、そうなると1Aとか1Bとか何も出てこなくて(笑)。たどり着きたいところは見えているけど、そこまでの道のりが見えなくていつも迷うんです。キングレコードのいろんな先輩方に聞いても、皆さん1Aから書き始めるとおっしゃってたので、私も1Aからちゃんと書けるようになりたい(笑)。

愛美 でも、人それぞれ書きやすいやり方があるからね。

──レコーディングに関してはどうでしょう。愛美さんはご自身で言葉を紡いでいるからこそ、歌いやすさや感情の込めやすさがあったりするんでしょうか。

愛美 そうですね。歌詞に卑屈な感じも入れたと言いましたけど、そういうところもありつつ、学生時代ならではの無敵モードも入れたいなと思って、サビでは無敵感いっぱいで歌わせていただいておりまして。現場ではちょっとニヤッとしながら歌ってみました(笑)。それは、「人生やり直してやるぜ」というよりは「奴らを見返してやるぜ」という気持ちのほうが強いのかな。イントロがすごくカッコいいので、一気に反骨精神のスイッチが入るなと感じて、感情はすごく作りやすかったです。

前島 曲調があいみんの声のトーンにすごくぴったりだよね。私の場合は「Fly Again!!」が持つ輝きを最大限に表したいなというのと、原作がすごく好きだったので作品の色味……桜の美しさとかを思い描きながら、物語に寄り添うように歌えたらいいなと思って。特に、Dメロの「魔法なんかつかえなくてもいいんだよ」は突き抜けた願いや祈りが込められているので、ここを歌っているときは気持ちが入りすぎたからなのか、ライブでお客さんがサイリウムを大きく回している光景がふと浮かんできたんです。なので、この曲を好きになってもらえた方々に、いつかライブでそういう景色も見せてもらえたらいいなと思いながら歌いました。

あみた&あいみんで何かやるなら?

──長い付き合いのお二人ですが、ソロアーティストとして同じレーベルに所属しているからこそ、できることもあると思います。もし今後チャンスがあったら、一緒にやってみたいことはありますか?

愛美 私、あみたに歌詞を提供したくて。

前島 えーっ、うれしい! いいんですか?

愛美 もちろん。キングレコードに所属すると知ったときから、書く気満々なので(笑)。

愛美

愛美

前島 キングのアーティストさん同士で、たまにコラボされてる方がいらっしゃるじゃないですか。最近だと、蒼井翔太さんと七海ひろきさんがご一緒にやられていたので、あいみん×あみたで何かやってみたいです。めっちゃ暗い曲とか。

愛美 明るい曲と暗い曲の両A面でね(笑)。

前島 2人で歌詞を書いたりとか、憧れますね。

愛美 以前、あるコンテンツでずっと一緒にレギュラーを務めていたけど、ああいう感じでまた2人で番組をやるのも楽しそうだよね。

──こういう曲をお互いに歌ってほしい、こういう曲を歌う相手を見てみたいという願望はありますか?

愛美 ピアノメインの曲を歌うあみたを観てみたい。

前島 ああ、今までそういう曲はあまり歌ってこなかったかも。

愛美 あみたの声に合うと思うの。ちょっとしっとりめで湿度の高い感じで歌ってほしいなあ。

前島 あいみんは……なんでもできるからなあ。逆にやってないことってある?

愛美 めっちゃかわいいに振り切ったこととか?

前島 ああ、なるほど。それも見たいけど……フライングとかやってほしい(笑)。

愛美 え、ライブ演出?(笑) フライングはやりたいかも。

前島 それか、セクシーな赤い衣装を着て大階段を降りてくるとか。

愛美 いいね。どっちもやるわ(笑)。演出でいうと、私はコンテンポラリーダンスを踊るあみたを観てみたいかも。

前島 本当に? できるかなあ……。

愛美 あとは、水を使った演出でライブをやってほしい。私はフライングで飛び回るので(笑)。

左から前島亜美、愛美。

左から前島亜美、愛美。

プロフィール

前島亜美(マエシマアミ)

2010年に芸能活動をスタート。その後、舞台やテレビドラマなどへの出演を経て、2017年から声優として本格的に活動を始め、メディアミックスプロジェクト「BanG Dream!」にてPastel*Palettes・丸山彩役を務めるなど、多くの作品に出演。2024年11月にはアルバム「Determination」でソロアーティストデビューを果たした。現在は、声優・俳優・アーティストとして、アニメ・ゲーム・舞台など幅広い分野で活躍している。最新作は2026年4月配信のシングル「Fly Again!!」。

愛美(アイミ)

兵庫県神戸市出身。声優として数多くの作品に出演。2015年4月に「BanG Dream!」発のユニット・Poppin'Partyとしての活動を始め、2017年には初の東京・日本武道館ライブ「BanG Dream! 4th☆LIVE Miracle PARTY 2017! at 日本武道館」を行った。2021年4月にソロアーティストとしてキングレコードからニューシングル「ReSTARTING!!」を発表。最新作は2026年4月配信のシングル「ドラマチック逃避行」。