前島亜美と愛美が同級生だったら?
──今回、お二人はテレビアニメ「灰原くんの強くて青春ニューゲーム」で、前島さんがオープニングテーマ、愛美さんがエンディングテーマをそれぞれ担当することになりましたが、まずこのアニメをご覧になった感想や、観ていて共感したポイントを聞かせていただけますか?
愛美 まず、めちゃめちゃ共感できました。そして今この記憶と経験値を持ったまま青春時代をやり直せるのは、素直にうらやましい。
前島 灰色だった青春を虹色に変えるっていう、この作品のテーマにすべての魅力が詰まってますよね。でも、青春の光だけじゃない部分もちゃんと描かれているので、多くの方に刺さる作品だろうなと思います。
愛美 ヒロインもたくさん出てくるじゃないですか。でも、主人公の灰原くんの中には常に一番星の思い人がいて、そこが観ていて切ない部分。灰原くん自身はがんばってもう一度高校デビューできて、そのがんばりが報われているけれど、その周りのヒロインたちはがんばっても報われないシーンがあったり、そこがすごくリアルなんですよね。そういうコントラストが鮮明に出ていて、胸が苦しくなりました。
──主人公の灰原くんは大学4年生から高校入学直前にタイムリープしますが、もしお二人が今の記憶を持ったまま学生時代に戻ることができたら、何をしますか?
愛美 私は高校時代に戻れるなら、男子高校生になりたい。
前島 性別が変わってるじゃないですか!(笑)
愛美 それもアリかなと(笑)。あと、英語はちゃんと勉強しておきたかったなと思います。
前島 私は学生時代から芸能のお仕事をさせていただいていたので、いわゆる学校行事というものに出たことがなくて。体育祭とか修学旅行とか合唱祭とか文化祭とか、そういう行事に全部出てみたいです。
──もしお二人が同級生だったら、どんな感じになるんですかね?
前島 どうなんでしょうね?
愛美 でも、穏やかに時が過ぎて、仲よくなっていると思うかな。
前島 仲よくなりたいなあ。
愛美 私は友達がみんな明るかったので、いわゆる陽キャ集団にいたのかもしれませんが、自認は静かで暗い人間だったと思います。あみたはどんな学生だった?
前島 私は超陰キャというか、単独行動をしてましたね。あと、常に眠くて(笑)。よくアニメで描かれる、一番端の席でずっと寝てるみたいなタイプだったの。
愛美 静かな子なら、私から話しかけてるかも。
前島 そうやって、密かに仲よくなっていたかもしれないですね。
前島節と愛美節が炸裂
──ここからは、「灰原くんの強くて青春ニューゲーム」のオープニングテーマ「Fly Again!!」とエンディングテーマ「ドラマチック逃避行」について伺っていきます。最初にこの作品のテーマソングのオファーを受けたとき、歌詞や曲調など含めどんな曲を歌いたいと考えましたか?
愛美 私は監督さんから「カッコいい感じでやっちゃってください」と言っていただいて。この記事が出る頃には追加キャストも発表されていると思いますが、私はギターを弾いてバンドをやっている本堂芹香ちゃんを演じています。バンドサウンドを軸にしている愛美としてもギターが印象的なサウンドにしたかったので、高校生バンドをやっていそうな雰囲気にしたいなと考えました。あと、エンディングテーマなのでちょっと影の部分をフィーチャーしたくて。そういう方面の作詞は得意なので(笑)、影があるからこそ光があるみたいな対比的なニュアンスを込めて書きました。
前島 私はバンドサウンドと虹色というオーダーをいただいて、灰色から虹色に変わっていくところをテーマに曲を作らせていただきました。「Fly Again!!」というタイトルからもわかるように、もう一度飛び上がるぞという希望的な思いが伝わる超王道のオープニングテーマを目指したので、風が気持ちよく吹いて春の桜が舞うような、さわやかな楽曲になっています。
──前島さんの「Fly Again!!」は疾走感の強いキラキラしたポップチューンで、愛美さんの「ドラマチック逃避行」はちょっとダークめなロックナンバーと、対照的な2曲になりましたね。
愛美 確かに。それぞれ歌詞にも「虹色」というワードが入っているけど、まったく異なるテイストになっていますね。2人のよさがしっかり出ているんじゃないかと思いました。「Fly Again!!」は特に、あみたの高音が素晴らしくて。
前島 うれしい! この曲、キーが高いんですよ。
愛美 高いよね。すごく特徴的だなと思ったのが、あみたならではの丸みや温かみのある高音の美しさ。聴いているだけで、優しさに包まれているような気持ちになりました。
前島 褒めてもらえた(笑)。「Fly Again!!」はすごくキーが高くて、作曲家さんからも「キーを下げますか?」と提案されたんですけど、このキーだからこそのきらめきがすごく好きだったので、「がんばって歌います!」とこのまま歌うことにしたんです。だから、高音に注目していただけたのはうれしいですね。あいみんの「ドラマチック逃避行」はすごくキャッチーでカッコよくて、一発で気に入りました。ただの“キラキラ夢物語”ではなく、「やり直してみせる、つかみ取ってみせる」という主人公の内面の沸々とした思いが歌詞にしっかりと描かれていて、この曲がエンディングで流れることで、さらに作品の深みや厚みが増すんじゃないかと思いました。
愛美 「Fly Again!!」っていうタイトルもそうだけど、あみたが歌うからこそ説得力がある歌詞だよね。「もういちど」とか「チャンス」とか、あみたが送ってきた人生があるからこそ、この歌の輝きがさらに増していると感じられて。と同時に、あみた自身も外に飛び出そうとしている、もっと高みに向かって飛び立とうとしている。いちファンの妄言としては、そういうあみたの願いも込められているんじゃないかと思えて、泣けてくるんです。
前島 うれしいなあ。ありがとう。私はなんといっても、「ドラマチック逃避行」の歌詞が大好き。「灰原くんの強くて青春ニューゲーム」という作品のエンディングテーマではあるものの、あいみん自身の色もすごく感じられるんです。以前、あいみんのイベントにゲストとして出演させてもらったことがあって、そこであいみん自作のポエムを朗読したんですけど……。
愛美 闇ポエムね(笑)。
前島 (笑)。そのときも感じたことですけど、あいみんらしい、あいみんからしか出てこない言葉だなと思ったんです。キングレコードのスタッフさんも「前島さんには“前島節”の作詞があって、愛美さんの歌詞には“愛美節”がある」とおっしゃっていたんですが、それがちょっとわかった気がしました。ちょっと前にあいみんに現場でお会いしたとき、「アニメのテーマソングの作詞は一度してみるといいよ」と言っていたので、私もいつか挑戦してみたいですね。
愛美 オススメだよ(笑)。というのも、自分のことだけを書く場合には思いつかないような表現が作品を踏まえて出てくるので、可能性が無限に広がっていく感じがして、とっても楽しいんです。
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