いぎなり東北産 特集|東北発“今最も対バンしたくないアイドル”の魅力を徹底解説

スターダストプロモーションの女性アイドルセクション・STARDUST PLANETに所属し、東北を拠点に活動するアイドルグループ・いぎなり東北産。彼女たちは結成8周年の今、目標である日本武道館公演の実現に向けて急速な進化を遂げている真っ最中だ。8月9日には3rdミニアルバム「THE 東北産」のリリース、そして年末の12月29日には神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールでワンマンライブの開催を控えている。

いぎなり東北産ならではの魅力、面白さとは果たしてどんなところにあるのか。本稿ではリーダー橘花怜のコメントを交えながらじっくり解説していく。グループ名は知っていても曲を聴いたことがない、ライブを観たことがないという人は、ぜひこの記事を読んでから彼女たちの歌やダンスを体験してほしい。

取材・文 / 土屋恵介

初期から変わらぬ熱量が東北産の極み

約3年間のコロナ禍を経て、ライブシーンもいよいよ活気を取り戻してきた。本格的な夏フェスシーズン真っ只中の今、「熱さ」「かわいさ」「カッコよさ」の3つを武器に勢いを増しているグループがいぎなり東北産だ。彼女たちの魅力について改めて触れていこうというのが本稿の主旨だが、まずグループのプロフィールを簡単に振り返ろう。いぎなり東北産はスターダストプロモーション仙台のレッスン生からなるグループとして2015年に誕生。橘花怜、律月ひかる、北美梨寧、安杜羽加、吉瀬真珠、桜ひなの、藤谷美海、伊達花彩、葉月結菜というメンバーで活動している。グループ名にある「いぎなり」は「とても」「すごく」を意味する宮城県の方言で、ファンネームは皆産(みなさん)。手を角に見立てて頭の横に掲げ、舌を出す決めポーズがおなじみだ。

いぎなり東北産

いぎなり東北産

初期の東北産は、ノーメイク、Tシャツ、短パン、ゼッケンというのがパフォーマンス時の基本スタイルで、キッズファイターの熱暴走とでもたとえたくなるパワー全開のステージが与える強烈なインパクトがあった。多くのアイドルファンがイメージするスタダアイドルならではの“ワチャワチャ感”をさらにブーストさせたような破天荒さは、事務所の先輩グループであるももいろクローバーZや、東北産と同じくスタダ地方営業所発のグループであるTEAM SHACHIから続く系譜がニューエラに突入したことを感じさせた。そしてそこから年月を重ねた彼女たちは、“かわいさ”だけでなく“美しさ”も併せ持つようになり、パフォーマンス面も右肩上がりに成長。みなぎる熱量はそのままに、クールな表現も兼ね備えたグループへと進化している。その変遷について橘に聞くと、彼女は笑顔を浮かべながらこう答えた。

「初期の東北産は小学5年生から中学2年生くらいのちびっ子たちだったので、ライブはハチャメチャでワチャワチャで全力って感じでした(笑)。振り返ると、まさにレッスン生みたいな感じだったかなと思います。曲もワチャワチャしたものが多かったんですけど、だんだんとバリエーションが増えて、今はバラードからトンチキ曲、カッコいい系、演歌っぽいものとかいろんな曲があるんです。ライブの熱量が東北産の強みだし、根っこのいい部分はそのまま保ちつつ、ライブの見せ方が変わってきてますね」

橘花怜

橘花怜

初期から変わらない点は、「みちのくのスターダスト」と自称している通り、ライブの規模が大きくなった今も東北を拠点にしながらローカルアイドルとして活動していること。メンバー9名全員が東北出身で、今も東京で活動するときは地元からはるばるハイエースで上京しているという。

「東北のことを歌った曲や東北訛りの曲もあります。東北出身の私たちにしか歌えない曲だと思うので、これからも大事にしていきたいですね。今は東京でのお仕事も多いけど、やっぱり地元に戻ると心が休まります。空気がきれいだし雰囲気がのんびりしてるので、『帰ってきた~』って安心感があるんです」

いぎなり東北産とハイエース。

いぎなり東北産とハイエース。

のどかな東北で健やかに育ったメンバーは、長い間活動をともにしているだけあってコンビネーションも抜群だ。

「8年ぐらい一緒のメンバーが多くて、お互いの個性の違いをわかり合ってるんです。9人がひとつになったときの団結力、一体感は本当にすごいなと自分でも思います。例えばライブのMCや煽りで誰かがアドリブを入れると、全員が次々と乗っかっていくんです。みんな楽しいことが好きなんですよね。そうやってどんどん熱量が上がっていくのが東北産のよさだと思います」

リーダー橘が紹介する強烈な個性のメンバーたち

アイドルが自分たちをアピールするとき、「メンバーが個性豊か」と口にするのはどのグループも同じ。そんな中、東北産はまさに“九人九色”で、キャラ被りすることなくメンバー1人ひとりが強烈な個性を放っている。ここでは橘による解説付きで、東北産メンバーを生年月日順に紹介する。


“うさぎ天使魔法少女”律月ひかる

律月ひかる

2001年7月31日生まれ“秋田県産”

「るんちゃんはふわっとした雰囲気があって、るんちゃんが最年長メンバーでいてくれるからこそ東北産のいい空気感が出てるのかなって思います。あと、るんちゃんがその場にいるだけで空気がおいしくなるんです(笑)。東北産の空気清浄機みたいな存在です」


“KITABEAUTY 魔女 RINE”北美梨寧

北美梨寧

2002年5月28日生まれの“宮城県産”

「りねは、KITABEAUTYというキャッチ通りの東北の黒髪美人ですね。韓国のファッションや美容情報をよくチェックしていて、ヘアアレンジもメイクもすべてが“美”って感じです。いつも“美”のオーラを撒き散らしてます」


“ハイテンションおしゃべりマシーン”葉月結菜

葉月結菜

2002年9月15日生まれの“宮城県産“

「ライブではMCの進行役を担当してくれてます。ゆなは東北産のムードメーカーで、ゆなが楽しんでるとほかのメンバーも楽しくなるんです。ゆなが『今日のライブは成功する!』って言った日は必ず成功するんですよ。グループ内のいい空気を作ってくれる重要人物ですね。サブリーダーですごくしっかりしてて、リーダーの私もいつも支えてもらってます」


“ダンスキラーギャル”安杜羽加

安杜羽加

2002年10月30日生まれの“福島県産”

「羽加は見た目がギャルなんですけど、心が一番ピュアなんじゃないかって思うくらいピュアピュアのロマンチストなんです。甘いものが大好きだったり、動物を見ると赤ちゃん声になっちゃったり、ギャップが一番あるなと思います。あとキャッチコピーにもあるように、ダンスがすごく上手ですね」


“彗星の如く現れた真珠星”吉瀬真珠

吉瀬真珠

2003年6月22日生まれの“宮城・仙台産”

「真珠はあざとい担当です。リハ中に私に“レス”をくれたりするし、あざとくてかわいくて“ザ・アイドル”って感じです。超がつくほどポジティブだったり、適当なところがあったり、ダンスがセクシーだったりいろんな引き出しを持ってます。私と同い年なんですけど、真珠はまだ表に見せてない魅力がたくさんあるなって思いますね。そんなミステリアスなところも魅力です」


“笑顔の王様”橘花怜

橘花怜

2003年10月21日生まれの“宮城県産”

「私は、“笑顔の王様”とか“ポンコツリーダー”と呼ばれたりしています。自分で自分を語るのは恥ずかしいんですけど(笑)、いつも魂を込めてライブをしてます。“気持ちを伝える”ことを一番に大事にしているんです。歌詞に込められた思いを、歌やダンスを通じてみんなに伝えようって常に心がけてます」


“一周回ってかまってちゃん”桜ひなの

桜ひなの

2004年5月6日生まれの“岩手県産”

「もん(桜ひなの)は東北の歌姫ですね。とにかく歌がうまいです。自分でかわいい担当って言ってるところもかわいいです(笑)。無邪気でワンちゃんみたいな性格なんですけど、メンバーのテンションが下がっていたら盛り上げてくれるんですよ。もんもムードメーカーなところがありますね。ワンちゃんで小悪魔でかわいい姫です」


“世界一面白い人”藤谷美海

藤谷美海

2005年3月9日生まれの“山形県産”

「みうは芸人です(笑)。面白い一面もありますけど、日々、人のために行動できる本当に心優しい女の子です。実は人見知りだったりネガティブだったり、すごくギャップのある子ですね。とにかく、やるときはやる芸人です(笑)」


“肉米大好き”伊達花彩

伊達花彩

2005年3月21日生まれの“宮城県産”

「かーやは世界の神様です(笑)。かーやは歌もダンスもすべてがカッコよくて、言葉にも力があるんです。私がライブ前に緊張して泣いちゃったときに『ライブは、ステージに出たものが本物だから』って励ましてくれたり、けっこう大人な部分があります。かーやの何気ないひと言がチームの支えになってますね。初期はクソガキってイメージでしたけど(笑)、今は大人カッコいい女の子です」