第3期m-floの新たな挑戦として

──今回どういう意図で若手ラッパーの2人をm-floの楽曲に迎えることにしたんですか？

VERBAL　m-floにオリジナルメンバーであるLISAが戻ってきたことはローリン・ヒルがThe Fugeesに戻ってきたみたいな感じで、自分たちにとってはすごくセンセーショナルなことなんですけど、LISAが脱退するまでを第1期、フィーチャリングを迎えていた“loves”の頃を第2期とすると、LISAが戻ってきた今のm-floは第3期とか第3章みたいな感じなんです。それで第3期ではLISAがいるところにさらにフィーチャリングゲストも入れることで新たな化学反応を起こしたいと考えたんですけど、まずはラッパーに参加してもらうのがいいんじゃないかと思って。

──なるほど。数多くのラッパーの中からJPさんやMIYACHIさんが選ばれた理由も教えてください。

VERBAL　実はJPくんから僕にフィーチャリングしてほしいという依頼があって、超カッコいいトラックを送ってもらってたんだけど、自分がアルバム制作中ということもあって待ってもらってたんですよね。そんなときにLISAが「ねえ、『Cho Wavy De Gomenne』って曲知ってる？」と聞いてきて。「いやいや、みんな知ってるよ（笑）」って話から、「じゃあJPくんと一緒に曲作ろうか」となって。こちらからお願いさせていただいたんです。

──そうだったんですね。JPさんがVERBALさんに客演を依頼した曲も今後聴けそうでしょうか？

VERBAL　最初に送ってもらったトラックじゃなくなっちゃったんですけど、もう別のトラックでレコーディングしていて。あれカッコいいよね。

JP THE WAVY　ヤバいっす。宇宙っぽい感じがめっちゃ合ってると思います。

VERBAL　僕は自分が参加した曲を何回も聴くことはないんだけど、あの曲は何回も聴いちゃってますね。

──なるほど。その曲のリリースも楽しみです。m-floの「Toxic Sweet」はどうやって制作していったんですか？

VERBAL　ラッパーって「俺だったらこうする」とすぐ乗っかってきてくれるから仕事しやすいんですよね。骨組みしかできてないような状態でトラックを送ったんですけど、すごくカッコいいのが返ってきて。そこにインスパイアされてLISAとかも乗っかっていったのが印象的でした。最初はフックを書いてほしいってザックリしたお題しか出してなかったんですけど、ヴァースも膨らませてくれて。

JP THE WAVY　ヴァースもやりたくなっちゃって。客演でフックをお願いされたのは今回が初めてだったんですけど、曲調も自分が今までラップしたことがない感じのレゲエビートで試されてるなと思いました（笑）。いつもは自分の感じに寄せたビートが多いので。おかげで新しい自分が引き出されたと思うし、何よりm-floと一緒にできたということが自分にとってすごくうれしいことでした。

VERBAL　試そうとかじゃなくて、たぶん☆Takuの気分でああいうトラックになったんですよね（笑）。僕も自分で選ぶとラップしやすいトラックばっかり選んじゃうんですけど、今回は「そう来るか」って思いました。

──この曲のライブでの反響はいかがですか？

JP THE WAVY　サマソニ（「SUMMER SONIC 2019」）とかすごかったですね。人の数も声援の大きさも。

VERBAL　サマソニはお客さんの層もJPくんとドンズバで合うだろうから事前に出ることをアナウンスしていて、実際「キター！」ってすごく喜んでもらえたんですけど、サプライズで出てもらった「Local Green Festival'19」でも「うわ、マジで!?」みたいなリアクションがあって印象的でしたね。あとこの曲は☆Takuもラップしていて、彼のパートがすごく盛り上がるんですよ。こっちもめちゃめちゃ楽しくて、いい曲になったなあと。

MIYACHI　僕も聴きましたけど、夏のバイブスでカッコよかったです。JPは歌も上手いし、いろんな曲ができるなあと思った。MVもよかった。

VERBAL　MVはJPくんと一緒に撮りたかったんですけどね。m-floのイベントでロスに行ったとき、予定のない日が1日できてしまったので急遽撮ることになったんです。急いで絵コンテを決めて、ゲリラ的にビーチとか建物の屋上とかいろんな場所に行って、現地にいたビデオグラファーのZevに録ってもらいました。MVに出てくるテスラはセッティングしてくれた友達の車だし、みんなのリソースを寄せ集めて作った感じです。時差ボケと戦いながらの撮影だったんですけど、ビーチで売られていたフライドオレオで☆Takuのテンションがいきなり上がったりして楽しかったですね（笑）。